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2022年4月22日更新

[沖縄・お住まい拝見]リビングでカフェ営業|Arms DESIGN

[広々1LDKに家族5人]鉄筋コンクリート造平屋の比嘉さん宅は、広々とした1LDK。普段家族が過ごすLDKで、夫人が昼間はカフェを営業。暮らしと店舗をうまく共存させながら、家族5人で伸びやかに暮らす。

LDK。昼間はカフェの店舗として使っているが、営業時間以外は家族だんらんの場となる。コンクリートブロックで囲まれたキッチンはもちろん、家具や食器もカフェと併用している。床はワックスをぬっただけの杉材で、比嘉さんは「ラフに使える。へこみができてもそれが味になる」
LDK。昼間はカフェの店舗として使っているが、営業時間以外は家族だんらんの場となる。コンクリートブロックで囲まれたキッチンはもちろん、家具や食器もカフェと併用している。床はワックスをぬっただけの杉材で、比嘉さんは「ラフに使える。へこみができてもそれが味になる」


職住一体で家事しやすく

比嘉さん宅
RC造/自由設計/家族5人

うるま市の海中道路近くにあるカフェ。壁は白が基調、床やカウンターは杉板にワックスをぬっただけのシンプルな内装で、大きな窓からは空間全体を照らす光が入る。子どもの絵が飾ってあったり、絵本やおもちゃが置かれていたりと、アットホームな雰囲気が漂う。それもそのはず、ここは夫人が営むカフェであるとともに、比嘉さん家族が普段過ごすLDKだからだ。

LDKのほかは、水回りと約14帖の寝室のみの平屋。住み始めて1年以上たつが「不便は全くない」と夫婦は口をそろえる。「夜は完全に家モードになって家族がのんびり過ごしているし、営業中の隙間時間に家のことができるのもいい。一つにして良かった」と夫人。

外には広い芝庭があり、キャンプ好きの比嘉さんが立てたテントで子どもたち3人が遊ぶ。カフェの来店者の子が一緒に混ざることもある。比嘉さんは「庭も含めてリビングみたいな感じ。子どもたちが自由に走り回っているのを見るとうれしくなります」。
 

リビング。比嘉さんは「家具を寄せれば広々使えるので、子どもたちは伸び伸び遊んでいる」と話す。大きな窓で外まで視線も抜けるので、空間がより広く感じられる。窓を開ければ、外のデッキや芝庭とリビングをつなげて一体化して使うこともできるリビング。比嘉さんは「家具を寄せれば広々使えるので、子どもたちは伸び伸び遊んでいる」と話す。大きな窓で外まで視線も抜けるので、空間がより広く感じられる。窓を開ければ、外のデッキや芝庭とリビングをつなげて一体化して使うこともできる
 

キッチン。どんな道具を使うのかを設計時に話していたため、大きなプロ用の道具が並んでも広々。正面奥の寝室に直接アクセスできる

キッチン。どんな道具を使うのかを設計時に話していたため、大きなプロ用の道具が並んでも広々。正面奥の寝室に直接アクセスできる

キッチンで作業する夫人。「せっかく同じ場所で料理するので、家族の食事をカフェのメニューにも反映させていきたい」キッチンで作業する夫人。「せっかく同じ場所で料理するので、家族の食事をカフェのメニューにも反映させていきたい」


限られた時間を共有

以前は沖縄市内のテナントでカフェを開いていた夫人。「アパートと店舗の両方に家賃がかかっていた上、家族の食事を店で作ってから持ち帰っていたので家のキッチンはほぼ使っていなかった。だから家と職場を一つにしたいという思いがあった」。そんな中、夫人の実家近くで土地を購入。設計は、比嘉さんが趣味のバイクを通じて知り合った建築士に相談した。将来、夫婦だけの暮らしになることを見据えて、「カフェも開けるコンパクトな家」を依頼した。

そうしてできたのが、LDKをカフェと兼用する1LDK。子どもたちが大きくなった際には「キッチン前のカウンターで勉強したり、個室が必要なら寝室をカーテンで仕切るなども考えている」という夫婦。「でも一緒にいられる時間は限られているので、何でも共有できる家族であり続けられたら」と話す。

加えて夫人は「暮らしと店舗を共存させながら、家族もお客さんも、いつでも受け入れられる家にしたいですね」と笑顔を見せた。

 

外観。子どもたちが遊ぶ広い芝庭やウッドデッキでは、食事をとることもあるという。昨年の夏はコロナで外出できなかったが、庭にプールを設置して楽しんだ。長女は「ここでなわとびをするのが好き」と話す外観。子どもたちが遊ぶ広い芝庭やウッドデッキでは、食事をとることもあるという。昨年の夏はコロナで外出できなかったが、庭にプールを設置して楽しんだ。長女は「ここでなわとびをするのが好き」と話す


ここがポイント
寝室が第二のリビング

子どもたちが巣立った後の暮らしを考慮したコンパクトな造りで、カフェとLDKを一体化させた家を求めた比嘉さん夫婦。そこで建築士の西村修さんは「夫婦がオープンな性格だったこともあり、なるべく仕切らず、広々とした1LDKを提案した」と話す。

キッチンを中央に配置し、その北側に寝室、南側にカフェ兼リビング・ダイニングを設けることで、公私を分離。寝室は約14帖と広くすることで、第二のリビングとして来客時でもリラックスできる造りだ。

トイレと浴室も間に光庭を設けて分離。夫人は「一般的な水回りのようにトイレと浴室がすぐ隣に並んでいないので、生活感が抑えられている」と話す。さらに、それらの庭に面した部分には大きな窓を設置。同じく建築士の城間聡さんは「水回りはどうしても追いやられてしまいがちだが、毎日必ず使うもの。明るく伸びやかな空間を意識した」と説明する。光庭は建物や塀で囲まれているので、窓を常に開けておくことができ、湿気対策にもつながる。

LDKと寝室は、二つの動線で回遊可能。キッチンと寝室も直接行き来できるため、カフェの営業中でも家全体に気を配ることができる。また、夫人は「掃除機をかけながら1周すれば全体がきれいになる」と言い、掃除のしやすさにもつながっているようだ。

大きな窓は、はめ殺し窓と片引き窓を併用。西村さんは「3枚戸や4枚戸にすることもできたが、たくさんの窓枠があると視線の邪魔になる。カフェということもあり、視線が抜けるようにした」と話した。

そのほか、床のワックスがけや、芝張り、コンクリートでの通路作りなど、施主自身が手を掛けることでコストを抑えた。
 

寝室。約14帖と広く、来客時には第二のリビングとして使える。窓は中央部分がはめ殺し窓で、両サイドに片引き窓を採用。東に向いているため、朝の光がたっぷり入る寝室。約14帖と広く、来客時には第二のリビングとして使える。窓は中央部分がはめ殺し窓で、両サイドに片引き窓を採用。東に向いているため、朝の光がたっぷり入る

 

光庭を挟んで並ぶ浴室(上写真)とトイレ(下)。いずれも大きな窓が設けられている。比嘉さんは「開放的で気持ちいい。特に雨の日がきれいです」光庭を挟んで並ぶ浴室(上写真)とトイレ(下)。いずれも大きな窓が設けられている。比嘉さんは「開放的で気持ちいい。特に雨の日がきれいです」

光庭を挟んで並ぶ浴室(上写真)とトイレ(下)。いずれも大きな窓が設けられている。比嘉さんは「開放的で気持ちいい。特に雨の日がきれいです」



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:363.65平方メートル(約110坪)
1階床面積:82平方メートル(約24.8坪)
建ぺい率:23.95%(許容60%)
容積率:22.54%(許容150%)
用途地域:第1種中高層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
設計:Arms DESIGN 城間聡 西村修
施工:(有)タイラ建設
電気:新光電設
水道:(有)共和設備
ガス:(株)りゅうせきエネプロ

問い合わせ
 Arms DESIGN
 電話098・988・4242
 http://www.arms-okinawa.com
 https://armsdesign.ti-da.net/


撮影/高野光(フォトアートたかの) 取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1894号・2022年4月22日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
出嶋佳祐

これまでに書いた記事:179

編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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