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2021年12月31日更新

[沖縄・表紙のお宅から]憧れの吹き抜け×ハンモック|(株)徳里産業

「吹き抜けにハンモックをつるし、のんびり過ごしたい」。そんな思いを持つ夫人(38)が中心となって家づくりをしたWさん(33)家族。鉄筋コンクリート造ながらも、太い木の梁や木目調のクロスなど木を感じる空間の中で夢をかなえた。

Wさん宅のLDK。5.5メートルの高い吹き抜けに太い木の梁が渡り、そこにハンモックがつられている。開放的な中でゆったり揺られる、夫人の夢の空間だ(矢嶋健吾撮影)
Wさん宅のLDK。5.5メートルの高い吹き抜けに太い木の梁が渡り、そこにハンモックがつられている。開放的な中でゆったり揺られる、夫人の夢の空間だ(矢嶋健吾撮影)


クロスや建具でRCに木の雰囲気

Wさん宅
 鉄筋コンクリート造/(株)徳里産業 

装飾も料理も楽しく

Wさん宅は鉄筋コンクリート造の2階建て。1階にはLDKや和室、2階には寝室や子ども室がある。

玄関に入ると、夫人と長男(4)がチョークやステッカーで飾り付けた壁が出迎える。黒板のような特殊なクロスを使っており、夫人は「誕生日やクリスマスなど行事ごとに飾りを変えるんです」と楽しんでいる。

そんな夫人が最もこだわったのがリビング。「木の雰囲気を感じながら、高い吹き抜けにつるしたハンモックでのんびりするのが憧れでした」。しかし躯体はコンクリート。そこで(株)徳里産業設計部の富山留美子さんは内装で木の雰囲気を演出することにした。「高さ5・5㍍の吹き抜けに、200㌔以上の重さに耐えられる太い梁を3本渡し、木目調の建具やクロスを夫人と一緒に選んだ」と話す。

そうしてリビングは木のぬくもりを感じる空間に。太い梁につるされたハンモックでは、長男と一緒にゆったり揺られる夫人が絵本の読み聞かせ。隣ではWさんが、ソファに寝転びながら「開放的でいいね」と満足そうに吹き抜けを見上げる。


ギャップでより開放的に

一方、リビングに隣接するダイニングやキッチンは「天井高を抑え、リビングとのメリハリをつけた」と富山さん。ギャップによってリビングがより開放的に感じるという。

キッチンは夫婦で並んでも作業しやすい広さを確保したほか、天井のダウンライトにはスピーカー機能も付いている。夫人は「好きな曲を歌いながら料理できるのでテンションが上がる。苦手だった料理も、楽しめるようになりました」

リビング。奥の和室は小上がりになっており、人が集まる際には腰掛け代わりになる
リビング。奥の和室は小上がりになっており、人が集まる際には腰掛け代わりになる

外観。人通りのある道に面しているため、左手の1階テラス部分には塀を設置。玄関ドアには、近付いただけで鍵が開くスマートキーを採用した外観。人通りのある道に面しているため、左手の1階テラス部分には塀を設置。玄関ドアには、近付いただけで鍵が開くスマートキーを採用した
 

玄関。正面にはチョークで書いたり消したりできる壁紙が貼られており、夫人と長男が飾り付けを楽しむ。後ろにはシューズクロークがある

玄関。正面にはチョークで書いたり消したりできる壁紙が貼られており、夫人と長男が飾り付けを楽しむ。後ろにはシューズクロークがある

 

塀と窓で視線遮りつつ採光

長男が生まれたことで家づくりを考え始めたWさん夫婦は、夫人の実家近くで土地を購入。設計は、夫人が勤める徳里産業の同僚の富山さんに相談した。夫人は「自分で建てることによってお客さんの気持ちが分かり、より良い提案ができるようになるはず」と、やってみたいことは全部盛り込んでもらったという。

例えば「庭が欲しい」との要望に対しては、前面道路に車がよく通る立地だったため、庭のように使えるテラスとともに、高さ1・8㍍の塀も設置。「テラスでプールを広げても外からの視線が気にならない。LDKへの視線も遮られるのでカーテンも開け放てる」と夫人。ハイサイドライトやスリット窓、ルーバーなども、周囲の視線に配慮しつつ、光を取り込むために多用した。

ほかにも、プロジェクターの映像がきれいに映るクロス、玄関のスマートキー、浴室の酸素浴やテレビ、キッチン壁面のマグネットボードなどさまざまな設備を取り入れた。

将来も見据えた造りで、和室を寝室として使えば、生活を1階だけで完結することも可能。1階の床の大部分もフラットにつながる。

「以前住んでいたアパートでは、インテリアで冒険ができなかった」という夫人は、補強した壁や天井にDIYで棚を設置。「今後は自分でコーディネートしながら、DIYももっと楽しみたい」と話した。

キッチン。リビングやダイニングとの印象を変えるため、黒を使うなど色のトーンを落とした。中央奥には大きなマグネットボードがあり、「夫や子どもの予定表などをまとめて貼れる。おかげで、今まで貼っていた冷蔵庫の表面がスッキリした」と夫人。シンク上部の棚は、夫人がDIYで取り付けた
キッチン。リビングやダイニングとの印象を変えるため、黒を使うなど色のトーンを落とした。中央奥には大きなマグネットボードがあり、「夫や子どもの予定表などをまとめて貼れる。おかげで、今まで貼っていた冷蔵庫の表面がスッキリした」と夫人。シンク上部の棚は、夫人がDIYで取り付けた

2階廊下。吹き抜けで家全体がつながっており、両側の窓から入る光で室内はいつも明るい
2階廊下。吹き抜けで家全体がつながっており、両側の窓から入る光で室内はいつも明るい
 

寝室。吹き抜けに面した窓(右側)からも光が入る
 

洗面脱衣室は3・5帖と広く、室内干し場もある。乾いたら、左手のウオークインクローゼットにすぐに片付けられる

洗面脱衣室は3・5帖と広く、室内干し場もある。乾いたら、左手のウオークインクローゼットにすぐに片付けられる
 

浴室。浴槽には酸素の泡が出るシステムを導入。壁にはテレビも設置した

浴室。浴槽には酸素の泡が出るシステムを導入。壁にはテレビも設置した
 

子ども室。水色のアクセントクロスで爽やかな印象

子ども室。水色のアクセントクロスで爽やかな印象


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども1人
敷地面積:155.4㎡(約47坪)
1階床面積:67.1㎡(約20坪)
2階床面積:44.1㎡(約13坪)
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
用途地域:商業地域
設計:(株)徳里産業 富山留美子
担当営業:(株)徳里産業 渡邊香澄
施工:(株)徳里産業
電気:閃光電気
水道:フジ設備工業
キッチン:パナソニック

問い合わせ
 (株)徳里産業
 電話098・956・0789
 https://tokuzato.co.jp/


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1878号・2021年12月31日(第1集)紙面から掲載

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