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2021年12月31日更新

[沖縄・表紙のお宅から]緑を楽しむリゾートな家|サイアスホーム(株)

施主の那覇翼さん(37)が手塩にかけた植物を「家中どこからでも見えるように」と、中庭を囲むコートハウスにした。高低差のある敷地を生かし、住居より120㌢下に中庭を設けたことで、住居から中庭全体を見下ろせる。緑と漆喰の壁・天井、大判タイルの床が調和してリゾートホテルのよう。「漆喰のおかげでサラッとしていて空気も良い」と話す。

漆喰(しっくい)の壁・天井、黒い大判タイルの床が相まってホテルのような那覇さん宅。写真左側は中庭。中庭は住居より120㌢下がった位置にあり、ソファに座ったまま全景を見下ろせる
漆喰(しっくい)の壁・天井、黒い大判タイルの床が相まってホテルのような那覇さん宅。写真左側は中庭。中庭は住居より120㌢下がった位置にあり、ソファに座ったまま全景を見下ろせ(比嘉秀明撮影)


中庭見下ろすコートハウス

那覇さん宅
 鉄筋コンクリート造/サイアスホーム(株) 

漆喰や大判タイルでホテル風

普通のコートハウスとは、ひと味違う。那覇さん宅は平屋ながら、住居から中庭を見下ろせる造りが特徴だ。中庭は120㌢下がった位置にあり、ソファに座ったままシダやオーガスタ、アガべなどの全景を見ることができる。「大事に育てた植物を眺めるのが、最高の癒やし」と目を細める。

設計したサイアスホームの建築士・宮里友彰さんは「この敷地は、前面道路より約250㌢高い位置にあった。そこで住居は約250㌢高さに設け、建物の基礎部を擁壁替わりにした。そして建物がない部分(中庭や駐車場、接道面)を低くすることで、隣地境界線沿いに擁壁を新設せずに済んだ上、緑が生きる造りになった」と話す。

由貴夫人(36)は「リゾートホテルのような雰囲気にしたかった」と話す。天井高3・2㍍のリビング・ダイニングと、緑を望む中庭の大きな窓が相まって伸びやかな印象。床は60㌢四方の黒い大判タイル敷き。高級感漂う空間となっている。


「日常」をシャットアウト

住宅街に建ちながらリゾートのような空間にするため、中庭面以外の外周には極力、窓を設けず「日常」をシャットアウトした。唯一開く中庭の向こう側にも住宅があるが、ルーバーのおかげで「視線は全然気にならない。カーテンは付けていません」と話す。夫人の父親からプレゼントしてもらったホームシアターを楽しんだり、「ボーッと中庭を眺めたり。外部を気にせず自分の世界にひたれる」と満足げに話す。

「リゾートホテルのようにしたい」という由貴夫人の言葉通り、モノトーンの内装とキッチン前面の大理石調タイルがラグジュアリーな雰囲気を醸す。そこに中庭の緑が彩りを添え、「希望通りの空間になりました」
「リゾートホテルのようにしたい」という由貴夫人の言葉通り、モノトーンの内装とキッチン前面の大理石調タイルがラグジュアリーな雰囲気を醸す。そこに中庭の緑が彩りを添え、「希望通りの空間になりました」
 

オーガスタやシダなどが葉を広げる中庭。隣地との間にはルーバーを設置してプライバシーを保つ。下部は1・1㍍ほどは開けて、「風通しを確保し、植物の手入れなどをしやすくした」

オーガスタやシダなどが葉を広げる中庭。隣地との間にはルーバーを設置してプライバシーを保つ。下部は1・1㍍ほどは開けて、「風通しを確保し、植物の手入れなどをしやすくした」
 

「無添加住宅」に高級感プラス

天然石使用 自慢の浴室

夫人の一番お気に入りは浴室だ。坪庭へ続く観音開きの扉を全開にすると、リゾート地にいるような開放感。床や浴槽には天然石、壁には石調タイルを用いたラグジュアリーな空間だ。「緑を見ながらお風呂に入ると時間を忘れる。私も主人も長風呂になりました」と笑う。

キッチンも、建材を巧みに使ってホテルライクと機能性を両立。キッチンの前面には、大理石調のタイルを用いて高級感あふれる雰囲気に。床は白い大判タイルにし、さわやかな印象だ。「汚れたらすぐ気づけるし、ぬれてもササッと拭き取れる」と夫人。

 
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那覇さん宅は、サイアスホームの「無添加住宅」。無添加住宅は、漆喰の壁・天井に無垢木の床を合わせるのが標準。那覇さんは「見学会で漆喰や無垢材の力を体感。玄関を開けた瞬間の空気の良さ、サラサラ感に感動して依頼しました」

そこに「ホテルのような高級感」をプラスするため、LDKの床は大判タイルに変更。建築士の宮里さんは、「実は漆喰って、どんな建材にも合わせやすい。那覇さん宅は大判タイルと合わせてシックな雰囲気にしました。浴室も天然石を使うなど、那覇さん好みの空間になるよう造り・建材を提案しました」と話す。

好きな物に囲まれて「おうち時間が充実しています。今後は、中庭をライトアップする予定。夜の植物を楽しみたい」と笑顔で話した。

開放感たっぷりの浴室。坪庭に面する観音開きの扉を全開にして入ると、「ついつい長風呂になってしまう」と夫人。床や浴槽などには黒い天然石を用いた高級感あふれる空間
開放感たっぷりの浴室。坪庭に面する観音開きの扉を全開にして入ると、「ついつい長風呂になってしまう」と夫人。床や浴槽などには黒い天然石を用いた高級感あふれる空間

外観。高低差のある敷地のため、住居は階段を上がった先に設けた。外にも那覇さんが育てた植物がいっぱい。大きな車庫も「車だけでなく、いろいろしまえて便利」と話す
外観。高低差のある敷地のため、住居は階段を上がった先に設けた。外にも那覇さんが育てた植物がいっぱい。大きな車庫も「車だけでなく、いろいろしまえて便利」と話す
 

玄関ホールから見た中庭。大きなはめ込み窓で中庭を切り取る。中庭の右側にはLDK、奥は寝室があり、さまざまな角度から緑を楽しめる

玄関ホールから見た中庭。大きなはめ込み窓で中庭を切り取る。中庭の右側にはLDK、奥は寝室があり、さまざまな角度から緑を楽しめる

キッチンには大理石調のタイルを用いてラグジュアリーな雰囲気に
 

寝室をはじめとする個室は、無垢材の床で温かみのある雰囲気



[DATA]
家族構成:夫婦
敷地面積:358.66㎡(約108.49坪)
1階床面積:146.86㎡(約44.43坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
用途地域:指定無し
設計:サイアスホーム(株) オアシス設計課 宮里友彰
コンシェルジュ:新垣美紗貴
施工:サイアスホーム(株)

問い合わせ
 サイアスホーム(株)
 電話0120・881・080
 https://www.saias-home.co.jp/


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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1878号・2021年12月31日(第2集)紙面から掲載

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