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2021年1月8日更新

天井高5メートルの開放感|株式会社 コモドハウス

[高い吹き抜けがある平屋|お住まい拝見]
「2階高の吹き抜け」を重視した小谷仁人さん(33)。平屋ながら、家族が集うリビングの天井高は5.1メートル。庭に面した上下二つの大開口が、開放感をより高めている。

2階分の高さの吹き抜けがあるリビング。幅4・2メートル、2段になった大開口が光と風の要に。小谷さん自身で施工したUVカットフィルムとカーテンが直射日光を和らげる
 

実家のいいとこ取り!

小谷 仁人さん宅
 RC造/自由設計/家族4人 

「私も妻も、吹き抜けのある家で育ったので、天井が低いのはどうもしっくりこなくて」と笑う小谷さん。玄関を入ると、正面に広がるリビングの高い吹き抜けに圧倒される。
 

LDK上部の高窓には、小谷さんお気に入りの琉球ガラスをはめ込んだ。将来、仏壇を置くために設けた和室は、子どもたちのお昼寝や遊び場に活用している

室内は、LDKを囲むように個室や水回りを配したシンプルな間取り。「テレビの位置ありきで間取りが決まったようなもの。開放感を出すため窓は大きく、ウッドデッキもリビングとフラットにしてもらいました」

長女(3)が元気に駆け回るリビングは、大型テレビを壁掛けにし、実家で好きだった琉球ガラスをはめ込んだ高窓をアクセントにした。妻の彩さん(36)は「昼は青空、夜には月と星が見えて、家にいながら天体観測ができる。吹き抜けの大きな窓にしてよかった」と、ニッコリ。
 

南側からの外観。リビング部分だけ突き出した形で、「2階建てとよく間違われます」と小谷さん。塀には、彩さんが実家の造りで気に入っていた花ブロックを取り入れた


キッチンからリビングを見る。テレビを壁掛けにして、収納なしでスッキリさせるため、録画機器などは別部屋に置いて無線LANでつなぐ

アイランド型にしたキッチンの背後には、パントリーと彩さんの書斎がある。「水回りへ回遊できるようにしようかとも考えましたが、自分だけの落ち着ける空間を優先しました。リビングでくつろぐ家族を感じながら、家計簿やお便り帳を書いたり。気持ちもスッと切り替えられます」


ご近所も一緒に

長女の誕生をきっかけに、恩納村の実家近くの土地に家づくりを計画。完成見学会などに足を運び、数社に相談した。「一番高い吹き抜けを提案してくれて、コスト的にも合致した建築会社に設計を依頼しました」と小谷さん。

「将来的に2階には上らなくなるから」と、平屋を希望。設計中に次女(1)の妊娠が分かり、子ども部屋を増やした。庭は手作りしようと、ブロックを積み、芝を張り始めると、「見かねた近所の造園屋さんや建築会社が『俺たちがやるから』と言ってくれて。本当に感謝です」。

人工芝を敷いた庭で、プール遊びやバーベーキューを楽しむ一家。「娘がもう少し手が離れたら、畑に野菜も植えたい」と彩さん。楽しみはいろいろ膨らむ。



ここがポイント
建物を敷地奥に配置 庭で視線を和らげる

小谷さん宅の敷地は住宅地の角地で、西側には4階建てのアパート2棟が並び建ち、北側に住宅が近接する。

小谷さんが希望した2階分の高さのある吹き抜けを提案するにあたり、建築士の金城良さんは吹き抜けを生かして光と風を取り込みながら、前面道路やアパートからの視線を遮ることを重視してプランニングを進めた。

敷地は南北に長い。建物を北側に寄せて据え、南側には広い庭と駐車スペースを配置。建物が前面道路から10・8メートル奥まった位置になるため、リビングに幅4・2メートル、高さ2メートル超の大開口を二つ設けても視線が届きにくくなった。「LDKの先にウッドデッキを設け庇(ひさし)を1・4メートルと深くすることで、リビングへの直射日光を和らげました」

アパートのある西側には水回りをまとめ、高窓や小窓から採光を得るように工夫しつつ、家事・生活動線にも配慮した。屋根付きの干場、ランドリールーム、脱衣室、浴室と一直線に並び、キッチンからはもちろん、主寝室からウオークインクローゼットを抜けて行き来できる。干し場の壁は一部を格子にして、通風と換気を促す。



ブルーのアクセントクロスが目を引く書斎。キッチン背後にある。出入り口がオープンのため、LDKの音や気配を感じながら作業ができる


玄関には、大容量のシューズクローゼット。可動式のオープン棚に、小谷さんが靴や写真をショップのようにディスプレーする

高窓から緑も楽しめる寝室。扉奥に続くウオークインクローゼットを通って、干し場から水回りへと抜けられる

オープン収納を設けた脱衣室は、大柄の壁紙を使って遊んだ



広々としたランドリルーム。上部に設けた高窓が視線を遮りながら光を届ける
 

[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:380平方メートル(114.9坪)
1階床面積:123.69平方メートル(37.4坪)
建ぺい率:43.98%(制限なし)
容積率:42.05%(許容200%)
用途地域:都市計画区域外
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:(株)コモドハウス
構造:(株)濱川構造設計
施工:(株)コモドハウス
電気:大琉電気
水道:大優工業
庭施工:(有)亀谷建設
植栽:玉城農園


問い合わせ
 株式会社コモドハウス
 電話098・898・0293
 http://comodohouse.jp​


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1827号・2021年1月8日紙面から掲載

この記事のキュレーター

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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