住まいに関するQ&A
2018年6月1日更新
保証契約の注意点|すまいのQ&A
アパートやマンションなどの賃貸借に関するトラブルの対応策について、(一財)不動産適正取引推進機構がホームページで公開している「不動産のQ&A」から抜粋し解説する。今回は、賃貸借契約における連帯保証人の義務や、保証契約のトラブル、会社が借りていたアパートを個人で契約を結ぶ場合に新たに敷金・礼金の支払いが必要かなど、賃貸借契約時のトラブルと対策について説明する。
連帯保証人の義務
Q.「賃貸借契約の連帯保証人になってほしい」と知人に頼まれましたが、賃貸借契約の連帯保証人の義務はどこまでなのでしょうか。
A.連帯保証人は賃借人の債務の履行を保証することになりますので、賃借人が賃貸人に債務の履行をしない場合に、賃借人に代わってその債務を履行しなければならない義務を負います。
賃借人の負っている債務は①賃料の支払い、②賃貸借契約が終了した場合の原状回復費用の支払い、③賃貸借契約が終了した場合の明け渡し不履行の損害金の支払い、④目的物(家・部屋)を損壊した場合の補修費用の支払いなどがあります。
なお、連帯保証は普通の保証と違い、「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」はなく、債権者から請求があれば、直ちに弁済の責任を負うことになります。連帯保証人の義務を十分に確認したうえで保証契約を結んでください。
連帯保証人を立てたのに、保証会社との契約も必要か
Q.賃貸住宅に入居するので、連帯保証人を立てましたが、家賃保証にも加入するように言われ、保証会社に保証料を支払いました。不当ではないのでしょうか。
A.賃貸借契約において借り主が家賃を滞納した場合など、その家賃の支払い義務など借り主の債務を連帯して負担するため、連帯保証人を立てることが行われています。ご質問ではさらに、保証会社との保証契約を要請されたとのことですが、そのこと自体が不当であるとは言えないと思います。
最近ではなかなか連帯保証人を立てることが難しく、これに代えて保証契約を結ぶ例もあります。貸主としては重ねて家賃保証などを確実にしようとする手法かもしれませんが、もう一度保証契約の必要性について貸主や媒介業者とよく話し、保証会社にも説明を聞いて保証人との違いなどを再確認されてはいかがでしょうか。その上で金額も含め納得ができなければ、保証契約の解約も考えられます。
ただし、その場合は賃貸借契約自体も不成立に終わることも予想されますのでよく話し合ってください。
住む人は一緒だが、借り主が変わる。敷金・礼金の支払いはどうなるのか
Q.これまでは勤めている会社が大家さんと契約してアパートを借り、そこに住んでいましたが、今度、会社を退職することとなり私自身が借り主となることになりました。この場合に、「新規契約として新たに敷金や礼金を払ってください」と言われましたが、そうしなければならないものでしょうか?
A.賃借人が変わり、新たな賃貸借契約を締結することになりますので、新規の契約内容に基づいて、敷金や礼金が発生することになると思われます。大家さんと十分に話しあって金額などを決めてください。
不明な点を大家さんに聞き、内容についてしっかり話し合って双方が納得した上で契約を結ぶことがトラブル回避につながります
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毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1691号・2018年6月1日紙面から掲載