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2025年5月16日更新

便器タンクの有無 どう選ぶ?|[建材ピックアップ]㊱

トイレは生活に密着していることもあり、機能もデザインも年々進化している。最近は見た目にもこだわる人が増え、タンクがない、または目立たないタイプの便器が人気なのだそう。数多くのトイレ製品を取り扱う㈱LIXIL沖縄営業所の石井大介さんと、早川裕之さんに最近のトレンドを聞いた。

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便器タンクの有無 どう選ぶ?

トイレは生活に密着していることもあり、機能もデザインも年々進化している。最近は見た目にもこだわる人が増え、タンクがない、または目立たないタイプの便器が人気なのだそう。数多くのトイレ製品を取り扱う㈱LIXIL沖縄営業所の石井大介さんと、早川裕之さんに最近のトレンドを聞いた。


 タンクレス 
 長短所  すっきりタンクレス

メリット
・高さが抑えられ、トイレが広く感じられる
・スタイリッシュでデザイン性が高く、高機能な製品が多い
・コンパクトで掃除しやすい

デメリット
・タンク付きより価格が高い
・手洗い場がない
・停電時の便座洗浄操作が、やや解りにくい
・水圧が弱い場所では設置が難しい(加圧装置を設置すれば可能なケースも多い)

タンク無い分空間広く
「コロナ禍以降、トイレに対する意識が変わってきている」と石井さんは話す。今までは清潔性や掃除のしやすさが重視されてきたが、最近は「自分好みの空間にしたい」「居心地の良い場所にしたい」など、「空間としてこだわる人が増えている」と説明する。

そんなニーズを受け、売り上げを伸ばしているのが「タンクレス」の便器。通常は便器の後方に付いているタンクがなく、すっきりコンパクト。水道管に直結して水を流す。

早川さんは「スタイリッシュな見た目と、トイレが広く感じられるという点が人気。当社の『サティスSタイプ』のタンクレス便器は従来のトイレより奥行きが14㌢小さく、自由に動けるスペースが広くなるのも魅力」と話す。タンクに水がたまるのを待つ必要がなく、連続洗浄もできる。

 0.4坪のトイレにタンク付き・レスを設置 

タンクレスはコンパクトなものが多い。リクシルで最も小さい「サティスSタイプ」は従来品より奥行きが14㌢小さく、狭いトイレでも広く感じられる
※イラストは1992年〜2005年発売のサティスSタイプ


一方、タンク式はためた水を一気に流すが、タンクレスは水道から直接給水して流すため、一定の水圧が必要。高層階など水圧が弱いところでは設置が難しいケースもある。ただし「ブースター(加圧装置)で水圧を補えば設置できる場合も多い」と石井さん。

タンクレスのデメリットは「手洗い器が付いていないことだが、別で手洗い場があれば問題ない」。また、タンクレスは電気で弁を開閉して水を止めたり流したりするため、電源が必要。「停電時は使えなくなるのでは? という声もあるがカバーを外して手動で便座洗浄することはできる」。

タンク付きも進化している。「以前はタンクレスの方が節水効果が高いと言われていたが、最近の製品はあまり変わらない」と早川さんは話す。


 タンク付き 
 長短所  価格安いタンク付き

メリット
・価格が安い
・手洗い場が付いた製品もある
・水圧が弱いところでも設置しやすい

デメリット
・タンクの分サイズが大きい
・連続洗浄ができない(タンクに水がたまるまで待つ必要がある)
・タンク付きからリフォームした場合、一新感が得られにくい


 キャビネット付き 
 最近のトレンド  タンク収納「レス風」も

メリット
・タンクや電源コードなどをキャビネットに隠しているので空間がすっきりする
・キャビネットに物を収納したり、小物を飾ったりできる
・便器奥がキャビネットに隠れており、ほこりが溜まりにくく日々の掃除がラク
・コスパが良い(タンク付便器+4万円程度)

デメリット
・間口寸法などによっては追加工事が発生したり、設置できない場合がある


収納式も人気
「タンクレスにしたいけど、予算が…」という場合は、〝タンクレス風〟という選択肢もある。タンクがキャビネットに収納されていたり、低く目立たないようにした「ローシルエット」の便器などが登場している。どれも一見するとタンクレスのよう。

早川さんは「特にキャビネット付きは、掃除用具など見せたくない物をしまえ、小物を飾るスペースもある。ニーズにフィットしていて注目を集めている」と説明する。

石井さんは「床や壁がタイル張りで、水をかけて掃除をするような湿式トイレは、キャビネットが傷みやすいので注意が必要」と話す。

私たちの暮らしに欠かせないトイレ。便器はその主役だからこそ、機能や見た目にもにこだわって、満足いく空間をつくろう!



㈱LIXIL沖縄営業所
(左)石井大介さん ㈱LIXIL営業本部九州支社 沖縄営業所 営業所長
(右)早川裕之さん 同営業所 営業課長。

紹介した製品はLIXILショールーム沖縄(宜野湾市真志喜5−2−1)で見ることができる。
 電話=098・897・8511
 

文・東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2054号・2025年05月16日紙面から掲載

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週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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