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2025年2月7日更新

【自分でつくる庭】新垣正宏さん宅の庭|木・石・花の持ち味生かす

このコーナーでは、施主自ら楽しみながら作った庭を紹介する。


新垣正宏さん宅の庭(南風原町)
 

木・石・花の持ち味生かす

巨岩でひんぷんや枯山水

琉球庭園ではクロキやリュウキュウマツ、ゲッキツ、イソザンソウなどが枝を伸ばす。手入れのしやすさを考えて低めに剪定している

木々は低めに剪定

南風原町の新垣正宏さん(81)宅の庭は、力強さと華やかさが共存する。

門かぶりのマツをくぐると、正面に高さ2メートルはあろう1枚岩のひんぷんが鎮座する。「これでも1メートル50センチほどは地中に埋まっている。セメントで固定しようかと思ったけど将来的に移動させることも考えて、しっかり埋めて固定した」と話す。



玄関前のひんぷん岩。2メートルほどの高さがあり、玄関を目隠しする。「これでも1メートル50センチくらいは地中に埋まっている」と新垣さん

ひんぷんの右を行けば重厚な琉球庭園へ、左を行けば色とりどりのブーゲンビレアが咲き誇るカラフルガーデンへと続く。
 

門かぶりのマツをくぐると、正面にひんぷん岩がある。右に行くと琉球庭園、左にブーゲンガーデンがある
 

趣の違う左右の庭の中央にひんぷん岩が鎮座する

新垣さんは「もともと造園の仕事をしていた」というだけあり、石使い、樹形、花数も見事。「素材の持ち味を生かす庭づくりを心掛けている」と話す。

琉球庭園の木々は低めに整えられている。「数年前に腰を痛めて、高いところの剪定(せんてい)が難しくなったので、低めにしつらえた。おかげで庭の隅々まで目が届くようになった」。木々の間に立つ巨石は山を表現。砂利で模した水が大海に流れ出ていくさまを表した「枯山水(かれさんすい)」だ。
 


琉球庭園に立つ巨石は山を表す。そこから砂利の水が流れ出す「枯山水」だ


琉球石灰岩の上で枝を伸ばすリュウキュウマツ。周りを囲む花木が彩りをそえる



色とりどりのブーゲンビレア

もてなしの心で手入れ

外周に並ぶブーゲンビレアは、定番のピンクや白だけでなく、深紅やグラデーションカラーのものもある。さらには八重咲きのものや葉に斑(ふ)が入ったものなど一鉢一鉢に個性があり、見ていて飽きない。きれいに咲かせるこつは「つぼみがついてきたら水やりを控える。咲き終わったらしっかり剪定する。肥料は遅効性のものがおすすめ」と話す。日々、目を配って愛情を注いでいることが言葉の端々から伝わってくる。
 


駐車場側は、ブーゲンビレアの鉢植えが並ぶカラフルガーデン。ピンク、白、オレンジ、深紅、グラデーションカラーなどさまざまな品種があり、見ていて飽きない

ほかにも、バラやキク、コエビソウやアンスリウム、アマリリス、コデマリなどがちりばめられ年中、彩り豊かだ。

新垣さんは「家族はもちろん、うちに来た人が庭を見て、すがすがしい気持ちになってもらえたらうれしい。これからも、運動がてら手入れを続ける」と笑顔で話した。

 

自慢の庭で笑顔を見せる新垣さん
 


取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2040号・2025年02月07日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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