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2024年7月26日更新

新たな価値生むものづくり|運天清安さん(ウッドデザイン・クリエイター、OVER DRIVE代表)|家々人々[147]

木製のインテリアや雑貨まで、多様な要望にデザインとアイデアで応えるウッドデザイン・クリエイターの運天清安さん(45)。建築現場などから出る天然木の端材でアップサイクル商品も製作。人に喜ばれるものづくりに励む。

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新たな価値生むものづくり

うんてん・きよやす/1979年、宮古島出身。宮古で高校を卒業後、沖縄本島にある専門学校で観光業を学ぶ。その後、旅行会社、広告代理店などを経て、軍雇用の調理師として16年間勤務。2020年、木工製品の受注製作を手掛ける「OVER DRIVE」を創業。主に端材を活用するウッドデザイン・クリエイターとして活躍。


■幼少期の暮らしは?

大工だったおやじを見て育ったからか、小さいころからものづくりが好きでした。

小学生のとき、ごみ捨て場から拾ってきたテレビを自分で修理したことがあります。分解したら基盤に感電死したヤモリがいて、それを取り除いたら動いたんです。「よっしゃ~!」って、ファミコンをつないで遊びました。

高校のときは家のダイヤル式黒電話に拾ってきたプッシュボタン式電話を配線でつないで、当時付き合っていた彼女に自分の部屋から電話を掛けたり。携帯電話のない時代ですから。おやじにバレたときはこっぴどく叱られましたけど(笑)。


■そんな運天さんがものづくりの仕事を始めたのは3年前だそうですね?

以前は軍雇用で16年間、調理師として働いていました。3年前に妻が実家を改装して美容室を始めることになり、その内装工事を手伝ったのがきっかけで、人に喜ばれるものづくりの面白さに魅了されたんです。

また、自然素材を使った健康住宅を手掛ける建築会社と出合えたことも幸運でした。その建築会社などにも協力していただき、建築時に出る端材でつみ木やスマホスタンド、照明器具など、いろいろなアップサイクル商品を開発しています。

今後は生産効率を上げる必要があり、人材育成もしながら工房をもっと大きくしていきたいと考えています。そして、場所の提供や道具を貸し出すレンタル工房もしたいんです。

 
子どものころの住まい
宮古島の家では、両親と男6人兄弟で暮らしていた。五男の運天さんは、兄たちが自立したのに伴い部屋が自由に使えるようになった


■夢が広がりますね。

昨年、製作中に丸のこで自分の右手の指を全部切ってしまったんです。幸い、非常に優秀な外科の先生が手術を担当してくれ、一部、関節が曲がりにくいところはありますが、指は5本ともくっついて、仕事にも復帰できました。それ以来、自分のやりたいことをやろうと、より強く思うようになりました。

これからも、自分自身も楽しみながら、人にも喜ばれることをやっていきたい。車やビリヤード競技が好きなので、車好きの人に向けてスペースや工具を貸すレンタルガレージもしたいし、ビリヤード競技の国際大会が開催できるような大型施設を沖縄で開設したいという夢もある。そのためにも健康に気をつけ、頑張っていきたいです。


アップサイクル商品製作
自然素材を使った設計・施工を手掛ける(有)ラムハウジングとともに「音響熟成木材アップサイクル商品」を企画製作している。スマホスタンドや木べら、まな板など約14種類を展開中。
 
 
◇    ◇    ◇
 
 ホッ と空間
端材生まれ変わらせる工房
木の香り、こだわりの道具、小さいからこそアイデアがたくさん詰まった工房は「ホッとするし、集中もする空間」と運天さん。あちこちの建築現場から出た端材に、新しい命を吹き込んでいく。

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2012号・2024年07月26日紙面から掲載

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