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2024年8月23日更新

沖縄で創造と表現を楽しむ|バリー・ブリッグスさん(アーティスト)|家々人々[148]

イギリス出身で、現在は南城市に暮らしながら、アートの創作活動や指導も行っているバリー・ブリッグスさん(45)。沖縄の美しい自然と温かい人々に囲まれながら、創作できることの幸せを語ります。

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沖縄で創造と表現を楽しむ

バリー・ブリッグス/1970年、イギリス、デボン州プリマス市生まれ。1992年、東ロンドン大学美術科卒。イギリス・オーストラリアでアート活動の傍ら森林保全や農業に従事。2007年、沖縄移住。創作活動をしながら、随時、展示会の開催、浦添市のショップ「gift」をはじめ、南城市などでアート講座の開催も行なっている。


■幼少期の暮らしの思い出は
私はイギリスのデボン州プリマス市の出身です。幼少期は4階建てのセミデタッチドハウスに住んでいました。イギリスによくある住宅様式で、一戸建ての大きな家を左右対称に分けた住まいです。真ん中の壁だけを共有していて、独立した玄関や庭があります。その屋根裏を改装したのが私の寝室で、何段もの階段を登っていきました。

一番の思い出は家の4倍ほどあった広い庭で遊んだことです。隣に住んでいた同い年の親友といろいろなものを作りました。また、イギリスでは1970年代に鉄道が次々と廃止され、廃線跡が私たちの冒険の場でした。

私の家族は非常に仲が良く、地域の人々も親切でした。父は漁師で週に2度ほどしか帰らなかったので、4人きょうだいの一番上だった私は下の弟や妹たちの面倒をみるなど、母の手伝いをよくしました。時には父と一緒に漁船で働くこともあり、父との絆も強かったです。

寒い冬になると、各部屋にあった暖炉の暖かさが家全体を包み込んでいました。
 
子どものころの住まい
地下1階は主に物置と遊び部屋。1階はキッチンとダイニングルームで2階には寝室が二つ。ロフトを改装した場所がバリーさんの寝室だった。


■アートを始めたのは?
9歳の時、家が火事になり新しい街に引っ越しました。だけど新しい環境になじむのが難しく、年上の子どもたちからいじめを受けた時期がありました。私は家で過ごす時間が増え、絵を描いたり、模型飛行機を作ったりしているうち、アートに興味を持ち美術大学へ進学しました。

■沖縄へ移住したのは?
2007年に初めて沖縄に来て2日もたたないうちに、文化と人々、そして独特の雰囲気に恋をしました。沖縄は家族の絆が強く、その価値観が私の幼少期の思い出と重なります。沖縄の美しい自然と温かい人々に囲まれながら、私は創作という自分の夢をかなえることができています。

■今後の目標は?
毎日、アートを制作し続け、創造することを楽しんでいきたい。大規模な壁画や小さな作品に至るまで、私は絵画、版画、コラージュを用いて、自分のアイデアを形にします。

アートは人生の目的と意味を見つける時間であり、私自身を表現できるものです。これからも、創作を続けながら展覧会や講座などを通して、人々にアートの魅力、楽しさを伝えていきたいです。


ワークショップの様子
ことし4月、平敷兼七ギャラリーで、井上淳三氏との2人展を開催。ワークショップでは多くの人にアートの楽しさを体験してもらいました。
 
 
◇    ◇    ◇
 
 ホッ と空間
創造するアトリエ
まるで実験をするかのように、いろいろな手法で創作し表現することを楽しむバリーさん。「アトリエで創作している時間がいちばん楽しい」と笑顔で語る。

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2016号・2024年08月23日紙面から掲載

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