企業・ひとの取り組み
2021年9月3日更新
沖縄|【ひと】ユーザー目線で困りごと解決|仲本 豊さん|(有)仲本プロパン 代表取締役専務
プロパンガスの販売を中心にさまざまな事業を展開しながら、防災にも力を入れる(有)仲本プロパン。代表取締役専務の仲本豊さん(54)は「ガスで発電できるなど、ガスが災害に強いことを広めたい」と話す。
災害に強いガス広めたい
仲本 豊 さん
(有)仲本プロパン 代表取締役専務
-なぜガス業界に?
当社は父が立ち上げた会社なんです。兄が引き継いだ後、私も加わり法人化。もともとガスしかやっていなかったのですが、今は灯油、コインランドリー、賃貸管理など、幅広く手掛けています。
-防災にも力を入れている
研修で東日本大震災の被災地を訪れて、地元のガス屋から被災時の話を聞いた時、「沖縄に津波が来たら」と想像し、危機感を感じました。
住まいも勤め先も埋め立て地にあるし、何かできることがないかと考え、まずは防災士の資格を取得。自治会でも毎日、会員に防災情報の発信をしています。
会社では、全てのお客さんに対して、これまで1本だったボンベ固定用の鎖を2本に増やし、水害でも流されないよう対策しました。
また、プロパンガスを燃料として電気も作れます。もちろんガス火も使えるので、災害時や停電時は、発電機をつないで電気を使いながら、ガス火で煮炊きができます。
私も7年前、その設備を自社物件のアパートに県内でいち早く導入しました。最近では、住宅用ボンベを発電機やガス機器につなぐための道具類をまとめた「防災ガスBOX」を自作するなど、普及に努めています。
-心掛けていることは?
お客さんの目線に立って、何が必要か考えること。職業柄、家の中で作業するので、気付くことがたくさんあります。ガス屋や防災士として対応するほか、その他の困りごとも解決するため、電気工事士の資格を取りましたし、消防設備士の資格も取る予定。
今後もお客さんとのゆんたくを大切にし、ガスが災害に強いことも広めたいです。
防災士が2人
訪問先でアドバイス
防災への取り組みに力を入れる仲本プロパンには、2人の防災士がいる。一人は仲本専務。もう一人は、その仲本専務から「自分の命を守るための知識や知恵を持ち、それを広めてもらいたい」と勧められ、今年4月に資格を取得した仲本歩さん。歩さんは「お客さんの家を訪れた時に、『タンスの前に布団を敷くのは危ないよ』など、防災のアドバイスもしている」と知識を生かして活動する。
また、昨年には、仲本専務がりゅうせき系列の販売店などに声をかけ、資格を持つ4人で防災士クラブを発足。仲本専務は「今後は同業者や高圧ガス保安協会などの枠を超え、ガス業界を挙げて、安心・安全な暮らしに貢献できれば」と話した。
防災士証の写真(いずれも仲本専務提供)
〈プロフィル〉なかもと・ゆたか/1967年、那覇市生まれ。専門学校卒業後、県外で就職。27歳で沖縄に戻る。その後、父から兄が引き継いだ仲本プロパンに入社。96年に法人化し、代表取締役専務に。「誰かの役に立つなら」と、献血はこれまで257回してきた(8月6日時点)。
◆(有)仲本プロパン 豊見城市豊崎1-19 電話098-891-6200
第1861号・2021年9月3日紙面から掲載