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2024年2月23日更新

フクロモモンガは癒やし|與儀さおりさん MOOZ(モーズ)代表取締役|家々人々[142]

看護師をしながら、第一種動物取扱業を取得。沖縄では珍しいフクロモモンガ専門のブリーダーとして、昨年「MOOZ」を立ち上げた與儀さおりさん(50)。創業を機に引っ越したという事業所兼自宅を訪ね、話を聞いた。

フクロモモンガは癒やし

よぎ・さおり/1973年、浦添市出身。高校を卒業後、神奈川県の看護学校に進学。同県で看護師として長年勤める。2000年、一人娘と帰沖。看護師をしながら23年1月、第一種動物取扱業を取得し「MOOZ」を創業。フクロモモンガ専門のブリーダーとして、生体販売、ペットフード・おやつ販売、ペットホテルも担う。


■看護師の與儀さんがフクロモモンガに携わるようになったきっかけは?

幼少期に住んでいた祖母の家は、イヌ、ネコ、チャボ、ウサギなどがいたことから、もともと動物好きなんです。引っ越ししてもずっとペットがいる生活でしたが、看護師になってからはペットの世話をすることが難しく、諦めていました。

そんな中、テレビ番組でフクロモモンガを見て、興味を持ったんです。調べたら県内ブリーダーのウェブサイトがあったので、しばらく悩んだ後、4年前にオス1匹を迎え入れました。小動物としては寿命が長く、人に懐くし、鳴き声や臭いもほとんどない。そのかわいさに魅了され、メスも1匹追加したんです。その後、赤ちゃんが生まれたのをきっかけにブリーダーという仕事に興味を持つようになりました。

実は40代半ばで病気を患い、看護師の仕事をずっと続けることに不安を感じていたんです。歳を重ねてもできる好きな仕事として、フクロモモンガのブリーダーになろうと考えました。
 
現在の住まい
娘と2人暮らし。天井や間取りの広い外国人向け住宅を自宅兼事業所として入居。フクロモモンガ専用のスペースでは現在、30匹を飼育している。


■フクロモモンガとの出合いが人生にも影響したんですね

フクロモモンガと、たくさんの人との出合いが今につながっていると感謝しています。

ブリーダーとして生体を販売するには、第一種動物取扱業の販売資格を取得する必要があります。実務経験などの要件がありますが、看護師を辞めるわけにはいかないので、フクロモモンガを購入したブリーダーさんの協力のもと、学ばせてもらいました。

その方がたまたま廃業を検討されていて、私が独立する際、育てていたフクロモモンガや道具などを譲ってくださったんです。また、勤めている病院の患者さんが、事業所兼自宅として使える賃貸住宅を持っていて、驚くほどタイミングが重なりました。

そしておととし引っ越し。間取りや天井が広く、飼育スペースもしっかり構えることができました。


■今後の目標は?

フクロモモンガの魅力を多くの人に知ってもらいたい。そして、フクロモモンガの診察ができる動物病院や獣医師を増やすのが目標です。

現在は、フクロモモンガを診てくれる獣医師がすごく少ない。安心して飼える環境をつくっていきたいです。


健康観察が日課
 
フクロモモンガの健康状態をよく観察し、チェックして、記録するのが毎日の日課。県にも定期報告届出書を提出しています。

フクロモモンガの健康維持のため、餌の配合にもとてもこだわっています。おやつも数種類あるのですが、フクロモモンガは性格も好みもいろいろで、個性がある。だからこそ、飼っていてすごく面白いと思います。
 
◇    ◇    ◇
 
 ホッ と空間
モモンズ部屋で触れ合う

フクロモモンガのファンを増やしたいが、引き渡し時は寂しくて複雑な気持ちになると笑う與儀さん。「フクロモモンガを飼育する『モモンズ部屋』で世話をしながら過ごす時間がすごく癒やされます」と目を細める。

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第1990号・2024年2月23日紙面から掲載

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