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2021年12月31日更新

【プロがつくる庭】<年末年始特別編>|金勢造園

プロがつくった庭を取り上げるシリーズの年末年始特別編。今回は、二つの和風庭園を紹介する。

築山巡る飛び石
庭つなぎ奥行き


高低差を際立たせ立体感

立派な庭に長生き決意

東西に長細い敷地の新垣さん宅。西側の玄関脇や、東側の山手にも庭はあるが、メインとなるのは敷地の中央。黒い海石と白い山石で縁取られた築山の頂上では、背の高いクロキとともに海石が立てて据えられている。一方、その周りは、サンダンカやリュウノヒゲなど低い植栽。金勢造園の知念政徳さんは「高いものと低いものの差を強調し、立体感を出した」と話す。

その築山の中を巡るように配されているのは白い飛び石。色のアクセントになっているだけでなく、飛び石の先が石貼りの通路に続いているようにも見える。「敷地の形状に沿って、飛び石から、通路の先にある東側の庭、さらにその奥の山へと視線をつなげることで奥行きを演出した」と知念さん。新垣さんは「すごく広く感じて、最初は『自分のおうちかね?』と思いました」と笑顔を見せる。

また、飛び石は、手入れの際に庭の隅々まで手が届くようにするための工夫でもある。ほかにも、リュウノヒゲで築山の土を覆って雑草が生えにくくするなど管理のしやすさにも配慮。

新垣さんは「こんな立派な庭ができて、わが家のフンシ(家の守り神)も喜んでいるはず。私も長生きしなきゃ」とフンシ同様に喜んでいる。


敷地中央にある主庭。築山の中を通る飛び石が左奥の通路まで続いているように見え、奥行きを感じる

玄関脇の庭。左手の建物側にも石や植栽を設け、直線的だった犬走りに変化をつけた

東側の庭。奥にある山の緑が借景となっている。新垣さんは「上等な庭で、朝夕の水まきがとても楽しい」

石貼りの通路。通り道として日常的に使う場所は、飛び石ではなく石貼りにすることで、足元を気にせず歩けるようにした

設計・施工/金勢造園
☎098・946・7800
https://www.mapion.co.jp/


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1878号・2021年12月31日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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