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2021年12月17日更新

【沖縄】安全で快適な浴室づくり|介護を支える 住まいの工夫⑧

介護が必要な人も、介護をする人も、安心して安全に暮らせる住まいの整え方を紹介するコーナー。今回は理学療法士の井岡有子さんが「浴室」についてアドバイスします。

介護を支える住まいの工夫 

安全で快適な浴室づくり

転倒事故が多い浴室

転倒など事故が起きやすい入浴は在宅介護をしている家族にとって負担や不安も大きい。

理学療法士の井岡有子さんは「最初からしっかり対策する重度障がい者より、一人で入浴できる人や家族一人の介助で入浴する場合に事故は起きやすい」と指摘する。

安全で快適な浴室づくりは、「要介護者の状態や住まいの環境に合わせて対策を取ることが大事。理学療法士や作業療法士などに相談してほしい」とした上で、浴室の事故で最も多い転倒を防ぐため、「床は滑りにくい床材に変えるか、滑り止めマットを敷く、福祉用具のしっかりとしたシャワーチェアを使う、適切な位置に手すりを設置することが大切」と話す。また、入り口を引き戸かアコーディオン式にすれば、スペースが確保でき介助もしやすくなる。

沖縄ではシャワー浴で立ったまま洗うという人も少なくないが、「転倒事故につながりやすく、介助者がいても、裸の要介護者はつかむところがなくて一緒に転倒しやすい。シャワーチェアを使用して」と注意する。

シャワーチェアは「しっかりとした重さがあり、脚の部分がぬれた床でも滑らず安定する福祉用具」が安心だ。座面の中央にくぼみがあるタイプは、要介護者本人が座ったままでデリケートゾーンを洗いやすく、入浴中に排せつの失敗があったときの対応もしやすくなる。

また、シャワーチェアに座れば足湯をしながら入浴できる。「お湯を張った大きめの洗面器やフットバスに足を入れれば、体がしっかり温まる。肌寒くなるこれからの季節は、入浴前、浴室の壁や床に熱いお湯のシャワーを掛けて室温を温めるのもコツ」とアドバイスする。


浴槽にも手すりを

要介護者が浴槽を利用する場合は、浴槽をまたぐときに体を支える手すりがポイントとなる。「浴槽の底が洗い場より深い場合、浴槽に入るときと出るときでまたぐ高さが違うので、不安定になりやすい。体から遠くなる壁の手すりより、浴槽にふちがあると体を手元で支えられて安心」と井岡さん。浴槽にネジで取り付けるタイプの取っ手は後で取り外すことも可能だ。この場合も「要介護者の身体状況に合わせて設置することが重要。理学療法士や作業療法士に相談してほしい」と呼び掛ける。

「一つ用具があることで自分でできるようになれば、生きる張り合いにつながる。事故をきっかけに介護度が悪化するケースは多い。安心して入浴できる環境作りは早めに対応してほしい」と呼び掛ける。



転倒防止の床や手すり

浴室やトイレの出入り口が内開きの扉だと、要介護者が室内で転倒した際、扉が開けられずに救出が難しくなる。また、介護がしやすいスペース確保のためにも、引き戸か蛇腹式の扉に。
床は滑りにくい床材に変更するか滑り止めマットを敷き、福祉用シャワーチェアを使用する。手すりは要介護者の状態に合わせ、適切な位置に設置するのが大事だ。理学療法士や作業療法士に相談しよう


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Hさんのケース
脳梗塞の後遺症で半身不随となった義母を在宅介護中。義母の入浴は家族で介助しながら行っています。浴室の介護リフォームでは、床を滑りにくい床材に変え、浴槽を取り外し、義母がシャワーチェアに座った状態で介助がしやすいスペースを確保しました。引き戸で仕切ってこれまでなかった脱衣所も設けたので、服の着脱や体を拭いたりするとき、家族にとってもすごく便利になりました。

義母はとても寒がりなので、冬場の入浴前は浴室全体に熱いシャワーを掛けて室温を温め、入浴中は、お湯を張ったフットバスに足を入れ、体が冷えないようにしています。また、片手は問題なく使えるので、デリケートゾーンは義母自身に洗ってもらうようにしています。

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いおか・ゆうこ/医療法人おもと会訪問リハビリぎのわんおもと園 理学療法士


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1876号・2021年12月17日紙面から掲載

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