地域情報(街・人・文化)
2018年4月6日更新
更新される 成熟の街[浦添市宮城・内間・仲西]
[歩いて見つけた!地域の住み心地ー20ー]浦添市は、国道58号やパイプライン通り(県道251号)などの整備とともに戦後、急速に発展した。激戦地から一大住宅地へと復興を遂げ、街としてはすでに成熟した印象の同市だが、変化している地域もある。宮城・内間・仲西エリアだ。築40年超えの建物が取り壊され、新築の物件が増えている。近隣には新たな道路が開通。不動産会社は「同エリアは生まれ変わり始めている」と語る。
築古物件 次々建て替え
ファミリー層に人気
浦添市宮城の高台にある宮城公園から街を見下ろす=写真2。
区画整理地とは違い、空き地はほとんどない。びっしりとアパートや一戸建て住宅、商業施設が建ち並び、街として成熟した印象を受ける。
だが、宮城にある(有)拓実住宅の粟国直義さんは「築40年を超える建物が取り壊され、新しい建物が建ち始めている。街が生まれ変わろうとしている」と語る。
確かに、長く住民に愛されているであろう年季の入った大型スーパーや病院の裏に、築浅のアパートやマンションが見受けられる。
宮城エリアは国道58号やパイプライン通り(県道251号)などと接するアクセスの良さや、スーパーや病院、学校の多い利便性の良さから住宅地として人気が高い。その需要は周辺の内間や仲西にも波及しており、「いずれの地域も、古い建物が取り壊され、新築物件がどんどん建っている。同地区内の小学校に通わせたいと、ここを選ぶファミリー層も多い」と語るのは同社で賃貸不動産を担当する儀間朝俊さん。儀間さんによると、新築の2LDKで家賃は8万円前後だそう。那覇市新都心と変わらないほどの家賃水準。「駐車場が2台分確保できるところであれば、この価格でもすぐ埋まる」と人気ぶりを語る。
駐車場が同地区の物件需要を左右する。「ファミリー層が多いエリアなので、2台分確保できるとグンと需要は上がる。別途、周辺で駐車場を借りるのは結構難しいので、きちんと必要分の駐車場を確保しておくことが大切」とアドバイスする。
渋滞緩和に新道路
宮城・内間・仲西は利便性が良いエリアだが、最大のネックは「渋滞。交通アクセスが良い地域だけに、あちこちで混雑が見られる」と同社の仲間優貴さんは話す。特に、国道58号の宜野湾市~浦添市間は、慢性的な渋滞が発生している。
その緩和に注目されている新道路が、3月18日に開通した、「浦添北道路」と「臨港道路浦添線」だ。浦添市西洲と宜野湾市宇地泊を結ぶ。
開通した効果を、儀間さんは「国道58号はだいぶすいている気がする。だけど今は春休み期間中なので、その影響もあると思う。新学期が始まってみないと本当の効果は分からない」と話す。また、あちこちでノロノロ運転が続くパイプライン通りにも、今年度中に新道路が開通する予定。内間のパイプラインから国道330号へとつながる「神森線=写真3」の建設が進む。人気住宅街はさらなる進化を遂げる。
商業施設が並ぶパイプライン通り(県道251号)だよ。建て替えられたばかりの築浅物件もチラホラ見えるね。
【1】宮城のパイプライン通り沿い。時間を問わず、車通りは結構多い。あちこちでノロノロ運転が続く
【2】宮城公園から、同地区を見下ろす。びっしり建物が並ぶ。古い建物と新しい建物が混在しているのがわかる
【3】神森中そばに建設中の道路「神森線」。内間のパイプライン通りから、国道330号へとつながる。断続的なパイプライン通りの渋滞緩和が期待される
エリアマップ
※撮影ポイント1~3は写真1~3の撮影地点を示す
校区
小学校は、宮城は仲西小・神森小・宮城小。内間が神森小・内間小・沢岻小。 仲西が仲西小・神森小・宮城小。中学校は、宮城が仲西中・神森中、内間が神森中。仲西が仲西中・神森中
家賃
新築だと、2LDKで8万円前後。駐車場が2台以上ある物件が人気
土地の価格
住宅地で1坪当たり50万円~60万円前後。場所が良ければ70万円台もあるそうだ
「パイプライン通り」の由来
戦後、米軍の油送管(パイプライン)が埋没されていたことからその名がついた。油送管は那覇軍港から北谷桑江ブースターステーションまで続いていたそうだ。パイプライン通り沿いの大平特別支援学校前に説明板が立っている。
浦添市宮城の賃貸物件
新築&駐車場2台確保がウリ
拓実住宅の儀間朝俊さんが薦める物件は、「浦添市宮城の新築物件グランコート玄』です。2台分の駐車場も相談可能です」と語る。
今月完成予定で間取りは2LDK。「収納もたっぷりある、ファミリー向けの物件」とアピールする。家賃は月額7万6千円。プラス5千円で二台目駐車場の相談も可能だそう。
<問い合わせ>
(有)拓実住宅
098-879-0241
※やーるんは、タイムス住宅新聞社のゆるキャラ。
編集/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1683号・2018年4月6日紙面から掲載
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この記事のキュレーター
- スタッフ
- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。