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2025年4月25日更新
[岩スポットをピックアップ]アスムイハイクス|国頭村
昔、最も身近にある大きな物体は岩だったのではないだろうか。当時や現代は巨大な岩とどのようなつながりがあるのか。今回は人と岩が関係している観光スポット3カ所を紹介。GWに遊びに行ってはいかが。
人の歴史と共にある岩
▋アスムイハイクス 国頭村
古生代の石灰岩が浸食されてできたタワー状のカルスト。孫悟空がうまれたとされる山、「花果山(かかざん)」を思わせる景観から「悟空岩」と名付けられた
※写真提供:アスムイハイクス
個性豊かな岩と琉球神話が伝わる岩山
国頭村のやんばる国立公園の特別保護地区内に広がる自然を楽しむ観光施設「アスムイハイクス」。同施設がある安須森(アスムイ)は琉球神話で最も重要な場所の一つで、沖縄最古の歴史書「中山世鑑(ちゅうざんせいかん)」によると、琉球創世の神「アマミク」がまず一番に創った場所とされている。
先人たちは、岩山の麓から頂上を仰ぎ見て参拝をする「お通し」と呼ばれる方法で王国の繁栄や航海安全などの祈りをささげていたと伝えられており、現在もこの地には60カ所以上の拝所が存在するそうだ。
2024年のリニューアルオープン時に新設された音声ガイドを聞きながら琉球神話の物語が今に伝わるやんばるの森を歩き、2億5千万年前の石灰岩のカルスト地形を眺めれば、この地の歴史や先人たちの記憶を追体験したような感覚になるだろう。
老若男女が楽しめるよう、安須森の中腹を巡るレギュラーコースのほか、ウッドデッキで舗装され、車いすや年配の方も安心のバリアフリーコースもある。

地に降り立つ神を連想させる「立神の大岩」。他にも、様々な奇岩が次々に現れる石林の森を歩く
※写真提供:アスムイハイクス

樹冠が日本最大級と言われる「ウガンガジュマル」。樹齢は200年ほど
※写真提供:アスムイハイクス

「鍋池」。ドリーネと呼ばれるカルスト地形で見られるすり鉢状のくぼ地

展望ステージから水平線を望む事でこの地にたどり着いた先人たちの姿を想像できる
アスムイハイクス
住所:国頭村宜名真1241
画像をクリックすると「アスムイハイクス」のサイトに移動します

取材/伊波克朗
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2051号・2025年4月25日紙面から掲載