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2023年12月8日更新

話題の天然着色料|バタフライピー・ムラサキソシンカ|身近で見られる帰化植物⑨

文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる帰化植物を解説。今回は、花に特徴がある「バタフライピー」と「ムラサキソシンカ」を紹介します。


話題の天然着色料
「バタフライピー」「ムラサキソシンカ」

 
バタフライピー(東南アジア原産)
バタフライピーの花。水に溶け、青色の染料になる


バタフライピーで着色したゼリー。レモンなどの酸を加えるとピンク色になる

 

酸で色が変化

食用として近年、注目を集めている「バタフライピー」はマメ科の帰化植物です。東南アジアが原産で、2~5メートルあまりに成長するつる性多年生草本で、葉は奇数の羽状複葉。花は春から秋にかけて咲き、青~青紫色の蝶型で群れ咲きします。

花は青色で、水に溶けてキレイに発色するので天然の着色料としても用いられています。そこにレモンなどの酸を加えるとピンク色になります。レモンティーに用いたり、2色ゼリーなどを作って楽しむのも良いですね。県内でもバタフライピーを用いたさまざまな食品が販売されており、話題の植物です。
 


バタフライピーの葉は、先端に小葉が付く「奇数羽根状複葉」


 

ムラサキソシンカ(中国~東南アジア原産)


ムラサキソシンカの花。ランのように大きくて美しい


葉の形は、別名「羊蹄木」の由来となっている

 
ラン似の花咲かす

マメ科のムラサキソシンカは、中国から東南アジア原産の植物です。高さ4~10メートルほどに成長し、花は直系10センチほどにもなります。赤紫色でランに似た美しい花を咲かせることから公園、庭園、街路樹として幅広く植えられ、県内でも身近に見ることができます。

葉は羊の蹄(ひづめ)のように先端で二つに分かれていて、愛らしい形をしています。

花の最盛期は春で晩秋にも咲くことがあります。仲間には花色の薄いフイリソシンカや、大型で甘い香りのするオオバナソシンカがあります。
 


 

12月~2024年1月の公園情報


【中城公園(中城村)】
◆園芸教室「接ぎ木体験」 

12月16日(土)午後1時30分~同3時
料金/1500円 定員/10人(対象大人)

講師/比嘉正一氏(学芸員)

接ぎ木の基礎的な内容や資材類を講義した後に、実際に接ぎ木をする。接ぎ木をした鉢植えは持ち帰りできる。

(電話=098-935-2666)



【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆文化講座「海を渡るチョウ・アサギマダラの話」

12月23日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円

講師/比嘉正一氏(学芸員)

旅をするチョウ・アサギマダラは、どのようなきっかけで調査が始まったのか、方法、調査結果などを解説する。晩秋はまさに沖縄に飛来の時期。最新の結果も併せて報告する。

(電話=098-967-8092)


【平和創造の森公園(糸満市)】
◆有用植物自然観察会

1月13日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円

講師/比嘉正一氏(学芸員)

平和創造の森公園の自然の楽しみ方について園内を散策しながら解説します。散策路沿いの有用植物は、少し前まで生活の中で使われていたものばかり。方言名、利用などを解説する。

(電話=098-852-4033)


【名護城公園(名護市)】
◆サクラ自然観察会

1月20日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/10人(対象大人)

講師/比嘉正一氏(学芸員) 

名護の「サクラ」について説明した後、生育地を視察し今年の開花の状態を解説。ともに活きる生物たちも観察し解説する。

(電話=0980-52-7434)

※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事

毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1979号・2023年12月8日紙面から掲載

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