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2023年8月11日更新
付いて弾けて種散布|タチシバハギ、ナンバンアカバナアズキ|身近で見られる帰化植物⑤
文・写真/比嘉正一
海外から入ってきて、今では県内で普通に見られる「帰化植物」を紹介。前回に引き続き、今回もマメ科の植物。「タチシバハギ」と「ナンバンアカバナアズキ」を説明します。
付いて弾けて種散布
マメ科「タチシバハギ」「ナンバンアカバナアズキ」
タチシバハギ(熱帯アメリカ原産)
小葉が3枚連なった「3出複葉」
熟した莢は無数のとげがあり、服などにくっつく
戦後急速に拡大
マメ科植物のタチシバハギは、熱帯アメリカ原産で草丈は20センチ~40センチほど。花は小さなピンク色でかわいらしいです。
小葉が3枚くっついた3出複葉(さんしゅつふくよう)で、葉の中央に白い班が入っていて美しく、園芸でも使えそうなくらいです。
種子を包む莢(さや)は、無数のとげが付いています。小さな莢が連なっていますが1個ずつ取れ、ズボンや服によく付着します。指でつまんで強く引っ張らないと取り除けません。人の服や動物などにくっついて種子を散布します。県内には戦後に入ってきたにもかかわらず急速に分布を拡大し、今では県内全域で見られます。少しだけ生えているならいいのですが、はびこると厄介です。
花はタイワンツバメシジミの食草として、葉はリュウキュウミスジの食草として知られています。
ナンバンアカバナアズキ(熱帯アメリカ原産)
莢は細長く、完熟すると弾けて種を飛ばす
八重山中心に分布
同じく熱帯アメリカ原産のナンバンアカバナアズキは、奄美以南に帰化していて、路傍や荒れ地で見ることができます。
八重山諸島では普通に見ることができるのですが、沖縄本島では時々見かける程度で、群生地も少ない感じです。
葉は先に紹介したタチシバハギと同じく3出複葉ですが、小葉が細長いです。花は遠くからでも目立つ赤色で蝶(ちょう)形。莢も細長く、完熟するとパチンと弾けて種を飛ばします。つぼみにはウラナミシジミが産卵します。
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8月〜9月の公園情報
◆樹木自然観察会
8月19日(土)午前9時30分~11時
料金/1000円 定員/15人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)
同公園の散策路沿いに育つ樹木は、沖縄島南部を代表するものばかり。方言名、利用方法などを解説する。自然を学び、絶景を見て両得の観察会。
電話=098・852・4033
【名護城公園(名護市)】
◆親子でどんぐり工作
8月26日(土)午後1時30分~同3時
料金/2000円(追加は1000円)
定員/10組(子どもは7歳以上)
講師/照屋寛信氏(工房ふぁーかんだー)
県産どんぐりを使って工作。どんぐりは種類によって、形・大きさが違う。それを、工作を通して確かめる。
電話=0980・52・7434
【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆夏のチョウ類自然観察会
◆夏のチョウ類自然観察会
9月2日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/10人
講師/比嘉正一氏(学芸員)
県民の森は沖縄固有種のオキナワカラスアゲハ、リュウキュウウラナミジャノメなどの生息地です。そのほか、夏ならではの他のチョウ類も解説する。
電話=098・967・8092
【沖縄県 県民の森(恩納村)】
◆文化講座・やんばるの生物調査から「カエルの王国」
9月2日(土)午後1時30分~同3時
料金/1000円 定員/20人
講師/千木良芳範氏(元県立博物館・美術館館長)
本島北部に生息する貴重なカエルのユニークな生態を長年調査して写真に収めている研究者が「カエルの王国」と言われる北部の実体を詳しく解説する。
電話=098・967・8092
※諸事情で日時が変更になる場合があります。問い合わせ先にご確認ください。
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執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1962号・2023年8月11日紙面から掲載