[専門技術者育てる工業高校⑥]浦添工業インテリア科(浦添市)|官民、OBと連携 木工の技術向上|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

特集・企画

2023年7月28日更新

[専門技術者育てる工業高校⑥]浦添工業インテリア科(浦添市)|官民、OBと連携 木工の技術向上

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は、インフラ整備の技術者を目指す「土木科」、配管や空調に関わる「設備科」、家具や内装を学ぶ「インテリア科」を取り上げる。それぞれの科がある5校に授業内容や進路状況を聞いた。


官民、OBと連携 木工の技術向上



浦添工業高校(インテリア科)は

◆県内唯一の学科で、家具づくりや住環境などについて学べる。
◆今年は官民、OBと連携して、使い手を意識した製品づくりに取り組んでいる。実習以外に木工の技術を磨く機会も設けている。
◆技能以外にも、「2級建築施工管理技士補」など資格取得にも注力。

※インテリア科の定員は40人。オープンキャンパスは10月14日(土)に浦工祭と合わせて開催される。
過去3年間の進路状況/就職先は、金秀建設、太名嘉組、屋部土建、藤田建築設計事務所、天童木工(山形県)など。進学先は琉球大学、県職業能力開発大学校、沖縄国際大学、福岡大学など。


浦添工業は県内で唯一、「インテリア科」を持ち、木工家具の製作や住環境はもちろん、陶芸、金工、ガラス工芸といったものづくりも学べる。その中でも木工製品づくりに力を入れており、全国大会などで最優秀賞をはじめ、入賞する生徒を輩出。同科の仲座鉄也先生は「今年は実習以外にも、官民やOBと連携して使い手を意識した製品づくりに企画の段階から携わるなど、実践に近いかたちで技術を磨いています」と話す。

3月には日本トランスオーシャン航空(JTA)とコラボし、2種類のコースターを製作。機内で販売し、すぐに売り切れたという。「打ち合わせも生徒が行い、使う材料などを提案。試作品を何パターンも作り、見た目や手触りなど製品の質にこだわっていた。こういった経験はモチベーションにもつながるはず」。ほかにも、浦添市役所から依頼があったベンチ一体型のテーブルを作ったり、OBからの支援を受けて同校の講壇も製作している。

そんな多彩な製作ができるのは木工の大型機械が充実しているため。「機械での加工に加えて、ノミやカンナなどで微調整することで精度の高いものづくりができる」と仲座先生。

同科のOBが材料費を出して、3年生が製作している講壇
同科のOBが材料費を出して、3年生が製作している講壇

JTAとコラボし製作したコースター。琉球松に青と赤の樹脂を組み合わせているJTAとコラボし製作したコースター。琉球松に青と赤の樹脂を組み合わせている


資格取得で進路の間口広く

同科の進路状況は進学と就職が半々。近年は技能面だけではなく、空間づくりや建築の資格取得にも力を入れている。「本年度は同科から初めて、就職に有利になる2級建築施工管理技士補の合格者が出た。インテリアを中心にしながらも、建築業界全体を視野に入れ、進路の選択肢を増やしていきたい」と話した。

 

わが校のココがイイ!


インテリア科(左から)
3年 冨永怜実(れいみい)さん、1年 石光空汰さん、安室魁飛(かいと)さん、渡久平大地さん


◆浦添工業のインテリア科を選んだ理由
(冨永)オープンスクールの際、木工を体験したことがきっかけで進学しました。

(石光)中学生の頃からペン入れや小さな棚などを自作していたため、インテリア科を希望しました。

(渡久平)父親が建築関係の仕事をしていこともあり、小さい頃からものづくりに興味がありました。

◆面白い授業、大変なこと
(石光)木などものづくりの基本となる材料の特徴について知れるのが楽しい。知識だけではなく、実習で実際に手を動かして感覚的に学べるのもいい。

(安室)ノミやカンナを使った実習が楽しいです。友だちとお互いに教え合いながら、木工の技能試験に合格するのが今の目標です。

◆将来の夢
(冨永)就職するか進学するかはまだはっきりしていないですが、ものづくりに関わりたいのは確かです。ものづくりコンテストの九州大会に出た経験などインテリア科で培ったことがしっかり将来につながるよう、進路を決めたいです。


関連記事
[建築科がある工業高校①]「暮らし」を造る3学科 土木科・設備科・インテリア科
[建築科がある工業高校②]沖縄工業高校土木科(那覇市)
[建築科がある工業高校③]美来工科高校土木工学科(沖縄市)
[建築科がある工業高校④]南部工業高校設備工学コース(八重瀬町)
[建築科がある工業高校⑤]美里工業高校設備工業科(沖縄市)


撮影・取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1960号・2023年7月28日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2157

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る