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2023年7月28日更新

[専門技術者育てる工業高校⑤]美里工業設備工業科(沖縄市)|職人招いて授業 資格取得もサポート

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は、インフラ整備の技術者を目指す「土木科」、配管や空調に関わる「設備科」、家具や内装を学ぶ「インテリア科」を取り上げる。それぞれの科がある5校に授業内容や進路状況を聞いた。


職人招いて授業 資格取得もサポート



美里工業高校(設備工業科)は

◆本島中部出身の生徒がほとんど。多くの生徒が部活もやっている。
◆卒業後は就職希望の生徒が多いため、現場で活躍する職人を招き実践的な授業も積極的に行っている。
◆資格や検定ごとに担当の先生がいて、生徒をサポートしている。

※定員は40人。オープンキャンパスは9月22日(金)
過去3年間の進路状況/就職先は(株)九電工、新日本空調(株)、(株)菱熱、西原工事(株)、東テク(株)、沖縄プラント工業(株)、(株)琉豊総合設備など。進学先は、沖縄国際大学など。


美里工業の設備工業科は、給排水や空調など建物の設備に関することを幅広く学ぶ。「生徒の6~7割が卒業後、就職を希望している。現場で使える実践的な授業と資格取得に力を入れている」と同科の宮城司先生。

ベテランの職人「ものづくりマイスター」や民間企業の職人を招いて「ダクト(風道)製作の実技指導をしていただいたり、授業では見ることができない特殊なステンレスの配管の加工を見せてもらったり。実務を学べる機会をつくるようにしている」。

職員数が多いのも同校の強み。「設備の先生は、機械系、電気系、建築系などの経験もあり、それぞれの専門知識を生かして生徒をサポートしている」と説明する。

さらに「資格や技能検定ごとに担当の先生がいて、学びをバックアップする。卒業するまでに三~四つは資格を取ってもらいたい。一昨年は七つ資格を取った生徒もいて、県外の大手企業に就職した」。

同科への求人は多く、「設備の資格を持つ生徒を指定する企業もある」と話す。

設備系施工の技能を競うコンテストにも積極的に参加している。写真は配管コンテストの様子。課題図面に添って材料を切断・接続して、制限時間内に仕上げる
設備系施工の技能を競うコンテストにも積極的に参加している。写真は配管コンテストの様子。課題図面に添って材料を切断・接続して、制限時間内に仕上げる


多彩な工具・機械使い実習

生徒は各学年40人前後いることから、「実習の授業は4班に分けて行っている」。例えば1班は空調、2班は電気、3班は配管、4班は衛生(排水)とし、ローテーションすることで各実習が10人以下でできるように工夫している。 

「設備工業科は配管や空調をはじめ、溶接や測量、電気などの実習もある。いろいろな工具や機械を使ってものづくりをしてみたい生徒にとって、とてもやりがいがある学科だと思う」と話した。

 

わが校のココがイイ!


設備工業科3年(左から時計回りに)
大屋慶太朗さん、諸喜田優和(ゆうと)さん、友寄麗央さん、川上海音(みおん)さん


◆美里工業の設備工業科を選んだ理由
(諸喜田)他の学科よりも取れる資格が多いし、就職率も高かったから。

(友寄)親戚が水道関係の仕事をしている。配管を組んでいるところなどを見て、楽しそうだなと思った。

◆大変なこと、面白いこと
(川上)実習の授業は、時間内に課題が終わらなければ、放課後などにやらないといけない。僕は空手部に入っているから部活との両立が大変。

(大屋)じっと座って勉強するのが苦手だから、実習の時間が多いのが楽しい。危険な工具や機械を使うときは怖さもあるけれど、やっぱり楽しい方が勝つ。

(友寄)専門的な授業が多いけれど、先生方がゆっくり教えてくれるから大丈夫。

◆将来の夢
(川上)自分で、設備関係の会社を経営すること!

(諸喜田)入学時から卒業後は就職しようと思っていた。だから就職に有利な2級管工事施工管理技士補の資格を取った。内地で就職して経験を積みたい。

(友寄)親戚の会社に入って、美里工業で学んだことを生かしたい。

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撮影・取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1960号・2023年7月28日紙面から掲載

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