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2023年6月9日更新

触れると葉が閉じる|オジギソウ(熱帯アメリカ原産)|身近で見られる帰化植物③

文・写真/比嘉正一
県内で見られる「帰化植物」を紹介します。今回は、多くの人が触って遊んだであろう「オジギソウ」を紹介。葉ばかりが注目されがちですが、実はかわいらしい花を咲かせます。


触れると葉が閉じる
オジギソウ

夜にも閉じる

オジギソウは熱帯アメリカ原産の植物です。葉に触れると閉じる姿がユニークなことから、園芸植物として鉢植えで売られています。寒さに弱く、本土では1年草として扱うことが多いですが沖縄では多年草です。こぼれ種からよく発芽し、野生化した場所では群生することがあります。

茎に毛を有し鋭いとげもあるので、取り扱いには注意が必要です。

花はピンク色で球形、美しいことから花壇にも植えられています。

触れると閉じる「刺激運動」や、夜になると葉を閉じる「睡眠運動」をする植物の代表です。運動の原因は、刺激により細胞に活動電位が起きて葉が閉じる動きが誘発されるようです。

日本では大正以前から栽培されていて、沖縄への渡来はいつ頃なのか探したのですが、見つかりませんでした。

車に付着し増加

オジギソウと属違いの植物である「オカミズオジギソウ」はインド原産です。

草のようですが、はうように生える低木です。沖縄へは復帰前後(1975年)に帰化しました。侵入当初は珍しかったのですが、種が車のタイヤなどに付着することから瞬く間に県内各地に広がりました。今では道端、空き地、公園などで普通にみることができます。

葉は羽状複葉(軸の左右に鳥の羽のように葉が連なる)で、触れるとオジギソウと同じように閉じるのですが、オジギソウに比べてかなりゆっくりです。

花は鮮やかな黄色できれいです。ミナミキチョウの食草です。



オジギソウ(熱帯アメリカ原産)
 

花はピンク色でかわいい




オジギソウの葉を閉じる前(上)と後(下)



 

オカミズオジギソウ(インド原産)


きれいな黄色い花を咲かせる



オカミズオジギソウの葉を閉じる前(上)と後(下)

 
 


6月~7月の公園情報

【名護城公園】
◆帰化植物観察会  

6月17日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/15人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)

名護城公園内には、市内が近いことから多種多様の帰化植物が生育している。入ってきた背景、自生種との関係など帰化植物ならではの勢力拡大の秘密を探る。
電話=0980・52・7477


浦添大公園】
◆帰化植物観察会  

6月24日(土)午前9時30分~同11時
料金/1000円 定員/15人(対象大人)
講師/比嘉正一氏(学芸員)

浦添大公園内は、周辺の都市化に伴い多種多様の帰化植物が生育している。入ってきた背景、自生種との関係など、帰化植物ならではの勢力拡大の秘密を探る。
電話=098・9873・0700


【沖縄県県民の森】
◆アダン根の筆作り体験 

7月1日(土)午後1時30分~同3時
料金/1500円 定員/15人(対象大人)
講師/岩田亜久梨氏(デザイナー)

アダン根をトンカチでたたいて繊維をほぐし、オリジナル筆を作る。自分で作ったアダン筆は、世界に一つ。記念の作品として残る。
電話=098・967・8092


【中城公園】
アダン根の筆作り体験  

7月8日(土)午後1時30分~同3時
料金/1500円 定員/15人(対象大人)
講師/岩田亜久梨氏(デザイナー) 
内容は左記県民の森と同様
電話=098・935・2666





比嘉正一さん
執筆者
ひが・まさかず/1956年浦添市生まれ。月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て沖縄県県民の森(恩納村)の所長、沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1953号・2023年6月9日紙面から掲載

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