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2023年5月26日更新

[建築科がある工業高校⑥]名護商工高校(名護市)|人気高い建築科 資格取得に注力

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は「建築科」を特集。県内で建築科を有する五つの工業高校に授業内容や進路状況を聞いた。


人気高い建築科 資格取得に注力

名護商工高校(名護市)

名護商工高校(建築科)は

◆2022年度に「電建システム科・建築技術コース」が独立してできた。定員は倍の40人になったが、23年は志願者が定員を超えた。
◆生徒のほとんどが北部在住。

※オープンスクールは9月8日(金)。10月13日(金)、14日(土)の商工祭でも校内を見ることができる
昨年の進路状況(建築技術コース)/就職先は、㈱太名嘉組、㈱屋部土建、㈱大城組、㈱丸和、三晃金属工業(東京)、など。進学先は沖縄国際大学、沖縄職業能力開発大学校、千葉工業大学、日本文理大学、第一工科大学、西日本工業大学など



名護商工高校は、2022年度に「建築科」ができた。定員は従来(電建システム科・建築技術コース)の倍の40人になったが、23年度は定員を超える志願があった。「学校としても驚いています。建築科は、就職にも進学にも有利な資格がいろいろ取れるので、人気が高いようです」と同科の江洲篤実先生は話す。

「全員、卒業までに一つ以上は資格を取らせる」と、授業以外の講習にも力を入れる。「今までは教師がお尻をたたいて勉強させる感じでしたが、近年は生徒自身が積極的に資格取得に取り組んでいる。国家資格である2級建築施工管理技士補や2級土木施工管理技士補に合格する生徒も珍しくない」と話す。意識の高まりから「昨年は就職・進学希望者の決定率はともに100%だった」。ちなみに、昨年度の電建システム科の就職・進学の割合は半々だった。

溶接などで作った焼却炉(右)やテーブル(上)など、生徒が作った備品も多い。「自分が作ったものが役立っているのがうれしい」と電建システム科の仲地さん溶接などで作った焼却炉(右)やテーブル(上)など、生徒が作った備品も多い。「自分が作ったものが役立っているのがうれしい」と電建システム科の仲地さん溶接などで作った焼却炉(上写真)やテーブル(下写真)など、生徒が作った備品も多い。「自分が作ったものが役立っているのがうれしい」と電建システム科の仲地さん


商業系の授業も選べる

生徒のほとんどが北部在住。地元企業からの求人があったり、地域のつながりも強い。

また、「商工高校」のため「選択科目では、商業系や情報系の授業(ビジネス基礎・韓国語・中国語・など)を選ぶこともできる」。商業系の科には女生徒が多く、体育や数学の授業は合同で行うことも。電建システム科3年の崎山ひなたさんは「女子が少ないことはあまり気にならない」と話す。

部活目当てで入学する生徒もいる。電建システム科3年の比嘉理喜さんは「ボクシング部があるから入学した。将来も地元で働きながらボクシングを続けたいので、就職にも有利そうな建築系の学科に入学した」と話した。

 

わが校のココがイイ!

電建システム科・建築技術コース3年 (後列左から時計回りに)仲地諒太さん、比嘉理喜(りき)さん、大城怜雅(りょうが)さん、崎山ひなたさん、岸本翔龍さん
電建システム科・建築技術コース3年
(後列左から時計回りに)仲地諒太さん、比嘉理喜(りき)さん、大城怜雅(りょうが)さん、崎山ひなたさん、岸本翔龍さん


◆名護商工の建築技術コースを選んだ理由
(仲地)将来は、建設や土木などの会社に就職したい。建築科だと就職先の選択肢が広がると思って選んだ。
(大城)名護高校と迷った。でも、建物の造りを見るのが好きで、将来は設計の仕事がしたい。名護商工なら実技が学べて資格が取れるので、近道だと思った。

◆大変なこと、面白いこと
(崎山)普通教科と、建築の専門教科の授業が半々である。専門教科の設計や木工などの手を動かす授業は楽しいけど、測量は苦手。計算が難しい。
(比嘉)専門教科は課題が多い。特別な道具やCADソフトが必要だったりするので学校でやらないといけない。部活もやっているので時間のやりくりが大変。
(岸本)ものづくりが楽しい。椅子などを作ったが、完成すると達成感がある。木を切ったり削ったりする機械は、最初は怖かったけど使っているうちに慣れる。

◆将来の夢
(大城)大学進学も考えている。資格取得は、就職だけでなく進学にも有利。2級土木施工管理技士補などの資格を取ったが、もっと挑戦したい。


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撮影・取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1951号・2023年5月26日紙面から掲載

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