[建築科がある工業高校②]南部工業高校(八重瀬町)|小人数が強み 就職志向が強い|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

スペシャルコンテンツ

特集・企画

2023年5月26日更新

[建築科がある工業高校②]南部工業高校(八重瀬町)|小人数が強み 就職志向が強い

ものづくりの知識と技術を磨ける工業高校には、さまざまな学科がある。今回は「建築科」を特集。県内で建築科を有する五つの工業高校に授業内容や進路状況を聞いた。


小人数が強み 就職志向が強い

南部工業高校(建築設備科・建築デザインコース)

南部工業高校(建築設備科・建築デザインコース)は

◆全校生徒で約230人。県内の工業高校の中で随一の少人数。
◆住まいづくりの知識や技術を磨く「建築設備科」の中に、建築デザインコース(20人)と設備工学コース(20人)がある。この2コースが同一学級で学び、交流授業もある

※オープンスクールは7月11日(火)。9月12日(火)
過去3年間の進路状況/就職先は㈱ワイテック福岡、金城キク建設、南成建設、桂城建設(東京都)など。進学先は久留米工業大学(福岡県)、東海工業専門学校(愛知県)、沖縄職業能力開発大学校など。



沖縄本島内の工業高校の中で、もっとも少人数なのが南部工業高校だ。

1学年3クラス(機械科、電気科、建築設備科)で、3学年合わせても約230人。建築設備科の花城安隆先生は、「先生も生徒も互いの顔が分かり、一人一人しっかり関わることができるのが強みです」と話す。

建築設備科は、建築の設計・施工・デザインなどを学ぶ「建築デザインコース(20人)」と、建物の給排水や空調など設備について学ぶ「設備工学コース(20人)」に分かれる。「普通科目などは一緒に学ぶほか交流授業もある。そのため、建築を学びながら設備についても少し触れられます」。

建築デザインコースは2017年度に新設された。他校のように、もともと建築系の学科があった上での名称変更や定員変更ではなく、完全なる新設のため「測量の機材とか製図用のCADソフトなどは、比較的新しいものが入っています」

建築デザインコースの溶接の授業。同コースの喜舎場さんは「実習は危険な道具を扱うことも多いけど、やりがいがある」と話す
建築デザインコースの溶接の授業。同コースの喜舎場さんは「実習は危険な道具を扱うことも多いけど、やりがいがある」と話す

意欲的に資格取得&大会参加

生徒は就職志向が強め。就職と進学の希望者は8対2。将来を考えて「積極的に資格取得にも取り組んでいるし、ものづくり系の大会で好成績を残している生徒もいます。その際にも、少人数なので個別指導が受けやすい。やる気次第で力を伸ばすことができる」と話す。

建築設備科・建築デザインコース2年の桃原健昇聖さんは「中学のときは勉強が苦手だったけど、今は楽しい。将来の夢である建築士に近づいていると思うと、実習だけでなく座学も頑張れる」と笑顔で話した。

 

わが校のココがイイ!

建築デザインコース2年(左から) 島袋航さん、喜舎場龍樹さん、桃原健昇聖(けんせい)さん
建築デザインコース2年(左から)
島袋航さん、喜舎場龍樹さん、桃原健昇聖(けんせい)さん


◆南部工業の建築設備科・建築デザインコースを選んだ理由
(喜舎場)将来は大工になりたい。だから工業高校で基礎を学んで、技を身につけたいと思った。

◆大変なこと、面白いこと
(喜舎場)木工とか、製図とか友達と教え合いながら作っていく過程が楽しい。
(桃原)体を動かす授業が多いので腰がきつい(笑)。
(島袋)溶接とか測量とか、今までやったことのないことができて面白い。

◆将来の夢
(桃原)幅広い知識を持った建築士になるために1年に一つは資格を取ると決めている。今は建築大工3級に挑戦中。中学の時は勉強が嫌いだったけど、今は目標があるから頑張れる。進学先は、『友達が行くから』ではなく自分の将来を考えて決めた方が良い。高校生活の充実度が変わる!
(島袋)建築系の仕事をしたい、くらいで具体的な職業はまだ模索中。でも、ものづくりが好きだから授業は楽しい。学びながら自分の進む道を決めたい。


関連記事[建築科がある工業高校①]沖縄の工業高校で増える建築科 5校の特色を紹介(カリキュラムや魅力)
[建築科がある工業高校③]沖縄工業高校(那覇市)
[建築科がある工業高校④]浦添工業高校(浦添市)
[建築科がある工業高校⑤]美里工業高校(沖縄市)
[建築科がある工業高校⑥]名護商工高校(名護市)


撮影・取材/東江菜穂、出嶋佳祐、市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1951号・2023年5月26日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2128

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る