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2023年3月24日更新
学生による多様な提案|第26回卒業設計作品選奨[主催/日本建築家協会 沖縄支部]
日本建築家協会(JIA)沖縄支部は3月18日、建築を学ぶ学生による卒業設計の中から優れた作品を選ぶ「第26回卒業設計作品選奨」を開催。我如古和樹さん(琉球大学4年)の作品「響きのアンソロジー」を最優秀賞に選出した。
今回の受賞者(前列)と審査員(後列)
最優秀賞は我如古さん
建築系の工業高校、専門学校、大学に所属する学生の卒業設計から優れた作品を選ぶ「第26回卒業設計作品選奨」。今回の応募総数は10点。数は少なめだったが、返還される米軍基地のフェンスをあえて残して記憶を継承するという提案や、巡業可能な仮設劇場などバラエティーに富んでいた。
その中から最優秀賞に選ばれたのは、琉球大学の我如古和樹さんの「響きのアンソロジー」。広場や劇場、図書館などが一体となった複合施設だ。
1階は「都市空間の要素が強い広場」で、最上階は「個人の要素が強い展望台」。その間に図書館や美術館などがある。「バラバラなものを一つにまとめ、空間と人々の活動が響き合う建築を目指した」。また、各空間はロシアの画家で抽象絵画の先駆者、ワシリ・カンディンスキーの絵画を参考に構成した。
審査委員長の根路銘剛次さんは、我如古さんの作品を「実際に立体で建てられる提案。『形』の力が全面に押し出されていて、とてもパワフルな作品」と評価した。我如古さんは今年6月に開かれる全国大会に出場する。
「レベル上がっている」
総評として「全体的にレベルが上がっているのを感じた。テーマ設定から、リサーチ、建築に至るストーリーづくりなども綿密に行われていて、どの学生も自分なりの軸をしっかり持っている」と根路銘委員長は評価。しかし、「それを空間に落とし込むという部分がまだ弱い。そこをブラッシュアップしていってもらいたい」と期待を込めた。 最優秀賞作品|我如古和樹さん(琉球大学4年)|「響きのアンソロジー」
最優秀賞を受賞した我如古和樹さんの作品。広場や美術館や図書館、展望台などを内包した複合施設
受賞作品一覧
【最優秀賞】
◆我如古和樹さん(琉球大学4年)
「響きのアンソロジー」
【優秀賞】
◆上間涼太郎さん(琉球大学4年)
「断面的微空間構築法」
◆宮城正平さん(専修学校インターナショナルデザインアカデミー3年)
「記憶建築」
◆西田朱李さん、屋良南都さん(沖縄職業能力開発大学校2年)
「金武観音寺×旧金武ガーデン」
◆當山寛源さん(美里工業高校3年)
「保育園」
【佳作】
◆糸数海音さん(琉球大学4年)
「旅するお笑い劇場」
◆池原蓮さん(美里工業高校3年)
「幼稚園」
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1942号・2023年3月24日紙面から掲載