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2023年3月3日更新
今月は「ローゼル」|赤色美しく独特の酸味[見て食べて楽しむ野草⑫]
文・写真/比嘉正一(県営中城公園所長)
今月は「ローゼル」赤色美しく独特の酸味
収穫したローゼルの果実。外側の赤い苞(ほう)とガクを煮出して使う
アオイ科、アフリカ北西部原産。熱帯の植物なので寒さに弱いが、沖縄では良く育つ
苞とガクを使う
ローゼルは1年草で、高さ1・5メートル前後に成長し、深く切れ込んだ葉を無数につけます。枝先からはオクラの花に似たクリーム色の花を咲かせます。ローゼルの果実を包む赤い苞(ほう)と、ガクが肥厚(ひこう)したら収穫します。収穫したら生のまま、密閉できる袋や用器に入れて冷凍庫で保管します。また、ガクを取り外して室内で乾燥してから保管してもよいです。
煮出して砂糖を加えてジャム、ゼリー、シロップを作ると色もキレイです。炭酸水と割って飲んでもおいしいです。ジャムは赤く、イチゴジャムに似た見た目です。クラッカーにのせて食べると、特有の酸味が口いっぱいに広がり、おいしいです。ゼリーはホイップクリームをのせて食べたら、絶品でした。
数年前、私がローゼルを栽培した際の記録を紹介します。
3月17日 種まき。
4月24日 発芽した苗を鉢植えにする。
5月13日 成長したので大きな鉢に植え替える。
8月9日 大きな鉢、もしくは畑に植える。
8月17日 施肥や水やりを行うと順調に育つ。
10月23日 開花始まる。
11月8日 結実が始まり、赤いガクが肥大する。
12月13日 収穫する。
赤葉のローゼルは、葉も食べられる
煮出したローゼルを寒天で固めた。ルビー色で美しい
赤葉も食用に
ローゼルは赤葉の品種もあり、観賞用だけでなく葉を食用としても利用します。生葉をサラダに使うと酸味があり、華やかになります。また、塩漬けやジュースにしても楽しめます。資料によると赤色色素はアントシアニンで抗酸化作用があり、活性酸素の生成を抑制し、ノドの炎症を抑える効果が期待できると言われています。ローゼルのジャムを包んだポーポー。独特の酸味が甘い皮にマッチしておいしい
ローゼルゼリー。酸っぱいのが苦手な人は、ホイップクリームをたっぷりのせるのがおすすめ
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3月の公園情報
【浦添大公園】◆食べられる野草の観察と野草料理の試食会
日時/3月4日(土)午後1時30分~同4時
集合場所/浦添大公園旧管理事務所前
料金/2千円 定員/15人(大人対象)
講師/比嘉正一氏 (学芸員)
園内を散策しながら食べられる春の野草、有毒植物の観察を行う。観察会終了後は、あらかじめ調理した野草料理の試食もある。
電話=098・873・0700
【中城公園】
◆盆景づくり体験
日時/3月12日(日)午後1時30分~同3時
場所/中城公園「会議室」
料金/2千円 定員/10人(大人対象)
講師/仲田実氏(沖縄有用植物研究会理事)
身近にある材料で盆景を作る。枯れ木にコケをはり、小さな植物を植え、自然をつくる。飾ると生活に潤いをもたらす。
電話=098・935・2666
【コザ運動公園】
◆文化講座・海の危険生物「海遊びの新常識」
日時/3月18日(土)午前9時30分~同11時
場所/コザ運動公園会議室
料金/500円(資料込み) 定員/30人(小学生以上対象)
講師/新城安哲氏(元県保健所職員)
危険生物の種類と生態について解説し、被害の応急処置について説明する。
電話=098・932・0777
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執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1939号・2023年3月3日紙面から掲載