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2022年8月5日更新
【沖縄】見て食べて楽しむ野草⑤|今月は「アキノノゲシ」
文・写真/比嘉正一(県営中城公園 所長)
今月は「アキノノゲシ」
ニガナ似の味と食感
【方言名】
方言名/ウサジヌミミ
キク科で琉球列島の各島に分布。多年草で土壌を選ばず、どこにでも生育。上写真の大きさくらいが、柔らかくて食べるのに適している。
独特の苦みを楽しむ
キク科の「アキノノゲシ」は、土壌を選ばずよく生え、強健です。畑や花壇、路傍、荒れ地、原野やプランターなどどこにでも生育し、放っておくと根が肥大化していくので引き抜くのに苦労します。秋から冬にかけて、タンポポのような黄色い花を咲かせます。種子もタンポポの綿毛に似ていて、熟すと強い風に飛ばされます。葉をちぎると白い汁が出て、なめると苦いです。
春先に成長する新葉の方が柔らかく、えぐみも少なくて食べやすいですが、年中採取して食べることができます。細かく切って水洗いし、固く絞ってから使えば、えぐみがやわらぎ食べやすくなります。
アキノノゲシは、同じキク科のンジャナバー(ニガナ)に似た味と食感なので、白あえにしたりボロボロジューシーなどに入れるとおいしいです。
方言名は「ウサジヌミミ」。その名の通りウサギの大好物で、家庭や学校でウサギを飼育している子どもたちは、採取してエサにしていました。
ンジャナバー(ニガナ)に似ているので白あえにしてもおいしい
アキノノゲシの花。タンポポに似ている
アキノノゲシの種。綿毛に付き、風に乗って飛んでいく
ボロボロジューシー
【材料】
アキノノゲシの葉、ご飯、塩麹(こうじ)
【作り方】
1.ご飯に水を加えて中火で煮て、とろとろになったら塩麹を加える。
2.アキノノゲシの葉を好みの大きさに刻んで1に加えて2~v分火を通して出来上がり。
アキノノゲシのごま和え
【材料】
アキノノゲシの新葉、市販のごま和(あ)えの素
【作り方】
1.アキノノゲシの新葉を千切りにして、1~2回水洗いして固く絞る。
2.1の葉にごま和えの素を混ぜて完成!
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8月の公園情報
【中城公園】
どんぐりの工作教室
日時/8月6日(土)午後1時30分~同3時
場所/中城公園「会議室」
料金/2000円(材料費込み、追加は1000円)
定員/保護者・子ども10組(7歳以上)
講師/照屋寛信氏(工房ふぁーかんだー)
※どんぐりを使って工作します。どんぐりの種類や、形・大きさの違いを確かめます。木々の枝やどんぐりで世界に一つだけのどんぐり工作品を作ります。
中城公園/電話=098・935・2666
【名護城公園】
どんぐりの工作教室
日時/8月20日(土)午後1時30分~同3時
場所/名護城公園「学習室」
料金/2000円(材料費込み、追加は1000円)
定員/保護者・子ども10組(7歳以上)
講師/照屋寛信氏(工房ふぁーかんだー)
※中城公園と同じ。
名護城公園/電話=0980・52・7434
【コザ運動公園】
アダン根の筆づくり
日時/8月13日(土)午前9時30分~同11時
場所/コザ運動公園「会議室」
定員/ペア10組 料金/1500円(資料込み)
講師/岩田亜久梨氏(デザイナー)
※アダン根をたたいて繊維をほぐし、オリジナル筆を作ります。作ったアダン筆に墨汁をしみこませ、半紙に書道や絵を描きます。自分で作ったアダン筆は、世界に一つです。繰り返し使え、記念の作品として残ります。
コザ運動公園/電話=098・932・0777
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執筆者
ひが・まさかず/1956年生まれ 月刊誌「緑と生活」、東南植物楽園勤務を経て現職。沖縄昆虫同好会会長、NPO法人沖縄有用植物研究会理事
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第1909号・2022年8月5日紙面から掲載