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2025年3月21日更新

家や塀をセルフチェック|動画やサイトで手軽に|そろそろ補修・改修

東日本大震災から14年。その後もさまざまな災害が発生し、建物の倒壊などで多くの被害者が出た。我が家に安心して住み続けるためには、現在の状態を知ることが大切だ。そこで、自分の家やブロック塀の耐久性などをセルフチェックできる動画やサイトを紹介する。



家や塀をセルフチェック
動画やサイトで手軽に
東日本大震災から14年。その後もさまざまな災害が発生し、建物の倒壊などで多くの被害者が出た。我が家に安心して住み続けるためには、現在の状態を知ることが大切だ。そこで、自分の家やブロック塀の耐久性などをセルフチェックできる動画やサイトを紹介する。


 CB塀の構造と名称 

コンクリートブロック塀は、部材ごとにさまざまな名称がある。また建築基準法で、塀の高さは2.2メートル以下、塀の長さが3.4メートル以下ごとに控え壁を設けることなどが定められている
 

調査では「危険」が半数 

自宅のコンクリートブロック(CB)塀が倒壊して人や物に損害を与えてしまった場合、所有者または管理者の責任となる。自分や地域の安全のためにも、所有者や管理者がしっかり維持管理することが重要だ。

しっかり建っているように見える塀でも、危険なものは少なくない。県が2022年度~24年度に既存CB塀を調査した際は、54件中「危険」と判断された塀が約5割だった。「危険」とされた要因は「高さ、厚さ、控え壁、基礎の条件で法令に適合しない」「石垣の上の塀」「鉄筋コンクリートの基礎でない」「鉄筋間隔が広い、たて筋がない」などが挙げられている。

 

県が解説動画作成 

CB塀の危険性は、自分で簡易的にチェックすることができる。(一社)全国建築コンクリートブロック工業会が配布している「ブロック塀の診断カルテ」=下図=に沿って塀の高さや厚みを測ったり、傾きやひび割れなどをチェックしていく。
 
(一社)全国建築コンクリートブロック工業会が、一般の人でもCB塀の安全性をチェックできるよう配布している「ブロック塀の診断カルテ」


また沖縄県と県建築設計サポートセンターは、同カルテを使ったセルフチェックの解説動画を作成し、2月末からユーチューブでの配信を始めた。「下げ振り」という道具を使って傾きを調べる方法や、安全に配慮しながらぐらつきを調べるやり方などを分かりやすく解説している。県土木建築部建築指導課の担当者は「災害時に備えたチェックリストです。ぜひご活用ください」と呼び掛けた。


 沖縄県が作成「コンクリートブロック塀 調査マニュアル」沖縄県が作成「コンクリートブロック塀 調査マニュアル」 
 
コンクリートブロック塀のセルフチェックの解説動画。県土木建築部建築指導課と県建築設計サポートセンターが製作し、2月25日からユーチューブで配信を始めた。上図の「診断カルテ」に沿ってチェックしていく


ただし、同診断は見える部分を主体的に判定した簡易的なもの。正確性を求める場合や、判定結果が思わしくなかった場合は、建築士かブロック塀診断士による診断を受けることをすすめる。

また沖縄県では、3300円で築20年以上のブロック塀を調査する事業を行う。24年度分は終了したが、25年度も実施する予定。決まり次第、沖縄県建築指導課のホームページで告知される。


※上記動画やカルテは
●沖縄県のホームページ(https://www.pref.okinawa.lg.jp/machizukuri/kenchiku/1023167/1013440/1032469.html

●県建築設計サポートセンターのホームページ
https://www.okiken.asia/)などから見ることができる。

 

10の質問に答えるだけ

本紙で「インスペクションで解明 住まいのミステリー」(今号7面)を連載しているインスペクション・パートナーズは、建物の健康状態をインターネット上で気軽にチェックできる「建物の健康タイプ診断」サイトを公開している。


 インスペクション・パートナーズ提供「建物の健康タイプ診断」 

築年数や建物の規模、気になる状態やメンテナンス状況など10の質問に答えるだけで大まかな建物の状態が分かる

Q1
Q2




Q6
Q7






すべての質問に回答すると、建物の状態や年齢をはじめ、資産性や耐震性、劣化耐性など五つの傾向が分かる。メンテナンスのアドバイスも掲載している
 
築年数や規模、気になる劣化症状や建物のメンテナンス状況など、10の質問に回答すると、大まかな建物の状態や「健康年齢」などが分かる。インスペクション・パートナーズの下地鉄郎さんは「同サイトで気軽に今の状態をチェックすることで、メンテナンスの意識を高め、空き家対策にもつながればと思っている」と話した。
 

※上記のサイトは
https://inspection-partners.jp/diagnosis/見ることができる。

 

取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2046号・2025年03月21日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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