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お住まい拝見

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2019年3月22日更新

光・風・気満ちる家|(有)門一級建築士事務所

[お住まい拝見 |変形地を最大限に生かす]前面道路から奥まっている上に多角形。変形した敷地を最大限に生かしたUさん(43)宅は、南風と陽光がたっぷり入り、穏やかな気持ちで過ごせる空間だ。

吹き抜けになった1階のLDK。大きな高窓から見える空が、開放感を高める。中庭を挟んで設けた和室は離れのようで、程よい距離感
 

いつも家族向き合って

Uさん宅
RC造/自由設計/家族7人
首里の住宅密集地。細長い進入路の先に、赤瓦が印象的な2階建てのUさん宅がある。

玄関の正面には、落ち着いたたたずまいの和室。穏やかな光が注ぐ中庭を挟んだ奥に、吹き抜けになった開放的なLDKが広がる。南西面に設けられた大きな高窓から見える空。「子どもたちが寝た後、ダイニングテーブルで夜空や月を見ながら夫婦でのんびり過ごす時間が楽しみ」とUさん。

キッチンに立つと、西側に接する学習室、中庭越しに和室までが見渡せる。寝室と子ども室がある2階も吹き抜けでつながっているから、「家族がどこにいても分かるし、顔を見合わせて会話ができるのがいいですね」と夫人(38)。キッチンから家事室、水回りへと回遊でき、「家事もしやすい。収納も持ち物を踏まえて造作してもらったので十分」。


中庭からキッチンを見る。東側(写真右手)の掃き出し窓の外にウッドデッキと庭が広がる。左手の壁の奥に学習室がある
 


LDK西側に設けた家族の勉強室。LDKに向かって視界が開け、背後を壁にすることで安心感が得られるよう設計されている
 

水盤がある中庭では、9歳の長女を筆頭に子どもたちがワイワイ水遊び。友人たちを招いてバーベキューを楽しむことも。Uさんは、「実家で子どもの頃から家族でバーベキューをしていたので、それができるスペースは家づくりで外せなかった。窓を開け放って、人目を気にせず自由に過ごせる場所も欲しかったので、理想的な空間です」。



木製ルーバーから南風が吹き抜ける中庭の水盤。子どもたちの遊び場に
 

琉球風水取り入れ
独身時代のUさんが1人暮らしで住み心地の良さを感じ、現在の職場にも近い首里で土地探し。同時に夫人は、琉球風水士・横川明子さんのもとで琉球風水を学び、「私たちにとってどういう暮らし、空間が心地いいのかがはっきり分かりました」。

設計は、沖縄の気候風土に合ったシンプルで暮らしやすい家づくりに定評がある建築士に依頼。「いつでも親身に話を聞いてくれて、住んだ後もサポート、相談に乗ってくださるので安心」と信頼を寄せる。

土地選び、設計段階から横川さんにも関わってもらって完成した理想の家。「小さい子もいて毎日バタバタしている中でも、穏やかな気持ちでいられるのはこの家だから」と夫人。2月には5人目も生まれ、「引っ越してから、めでたいこと続き。いいご縁が広がっていく家になれば」とほほ笑んだ。



客間として使っている和室。地窓にして隣家からの目線を遮り、間接照明で落ち着いたたたずまいに


空をイメージした天井が楽しい2階の子ども室。将来は3部屋に仕切れるように窓と出入り口を配置


坪庭の窓から差し込む陽光で明るい浴室。プライバシーに配慮しつつ、光と緑を感じられる空間に
 

ここがポイント
凹凸、回遊性でゆとり
北西の前面道路から奥まった場所にある旗ざお地で、北・東・西側には隣家が近接するUさん宅。しかも敷地の形状もいびつな多角形。設計を手掛けた建築士の金城司さんは、「余すことなく敷地を活用できるよう建物にいかにうまく凹凸をつけ、そこにどういう用途を持たせるかを重視して設計しました」と説明する。

敷地に立ったとき、一番心地よく感じられた場所にLDKを据え、南西に開くことで陽光と風を十分に取り込めるよう工夫。南端にある和室とLDKの間に中庭を置くことで、周囲からの視線を遮りながら、1、2階ともに南西面に大きな窓を設けることが可能に。前面道路からのアプローチが細長く、閉塞感があるため「玄関を入った後に中庭に視線が抜けることで、開放感が得られるようにしました」。

中庭はLDKに合わせて和室より東側にせり出しているため、東の隅に水盤を配置。南西側を木製ルーバーにしたことで、心地よい南風がLDKに届く。「水音と風が通り抜けることで起こる気化熱が、室内に涼を呼び込みます」。

もう一つのポイントは回遊動線。玄関周りの収納、和室からLDK、勉強室、キッチンと水回りなどが、回遊できる造りになっている。「行き止まりのない動線だと、家事や生活がスムーズ。人の動きで空気も流れるためよどみがなく、五感で心地よく感じられます」

外観。手前にある細長い進入路は駐車スペース兼子どもの遊び場



[DATA]
家 族 構 成:夫婦、子ども5人
敷 地 面 積:267.21平方メートル(80.83坪)
1階床面積:121.49平方メートル(17.96坪)
2階床面積:59.38平方メートル(36.75坪)
建 ぺ い 率:45.11%(許容50%)
容 積 率:61.89%(許容100%)
用 途 地 域:第一種低層住居専用地域
躯 体 構 造:壁式鉄筋コンクリート造
設         計:(有)門一級建築士事務所 金城司、與儀拓也(現STUDIO CLAMP)

構   造:建築設計 明
施   工:(株)金城組
電   気:(株)新共電気工業
水   道:(株)設備技研
琉球風水アドバイス:横川明子




[問い合わせ先]
(有)門一級建築士事務所
 098‐888‐2401
http://www.jo1q.com


撮影/高野生優(フォトアートたかの) 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1733号・2019年3月22日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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