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2018年6月15日更新

緑の中の2世帯住宅|久友設計(株)

[お住まい拝見・ガレージ付きでシンプルに]うるま市石川、背後に森が広がる静かな土地に、ガレージのある独立型の2世帯住宅を建てた30代のIさん。シンプルさにこだわり、外観も間取りもスッキリだ。


北側の外観。中央にある石調タイル張りのヒンプンを挟んで、両側に設けられた屋根付きガレージの奥に住宅がある。親世帯=写真右側=は平屋建て、Iさん世帯は2階建てだ
 

集いにぎやかに

Iさん宅
RC造/自由設計/家族5人

玄関を別々に設けた完全独立型の2世帯住宅。中央にある石調タイル張りのヒンプンを抜けて西側の親世帯、東側にあるIさん宅へ向かう。
玄関を開けると、リビングの掃き出し窓越しに見える森の緑に心が和む。「緑のある静かな場所が好き。父親と一緒に地元で土地を探していたら、ここが見つかって。広さもあるから、希望していた平屋建ての2世帯住宅ができると購入しました」とIさん。
子どもが増えることも想定して、Iさん宅は2階建てに。1階はLDKと和室、水回り、2階に寝室と子ども室がある。
シンプルでモダンな雰囲気が好み。内装には特にこだわった。リビングの間接照明が、Iさんが探し回って選んだ石調タイルの壁に影を落とす。「家がリラックスできるから、早く帰宅するようになりましたね」。
夫人のお気に入りは対面式キッチン。「音楽を聞きながら料理をするのが楽しい。和室や庭で遊んでいる娘にも目が届くので、安心です」。
南側にある広い庭は、両世帯の共有スペース。共働きのため、まめに手入れをしなくて済むよう人工芝を一面に敷き詰めた。「虫も寄ってこないし、転んでも痛くないので、娘も外遊びさせやすいです」。
2歳の長女は、庭でボール遊びやプール遊びを楽しみながら、隣で暮らす祖父母に手を振るのが楽しみだという。

 

将来は賃貸も想定

「長男なので、家を建てるなら2世帯住宅と決めていた」とIさん。土地が見つかったタイミングで、自分のイメージに近い住宅を建てていた建築士事務所に設計を依頼した。
「将来、親世帯のスペースを賃貸に出すこともイメージして、完全独立型にしました」。
家を建ててから、家族の行き来も増えた。「おじいちゃんの家にいとこたちがよく泊まりに来るので、娘も楽しそう。だいぶにぎやかになりました」。
子どもたちが集まると、庭でサッカーをしたり活発に走り回る。「庭に遊具も置いて、遊び場を整えていきたい。娘の成長に合わせて、少しずつ手を加えていければ」。家族の絆はますます深まりそうだ。



Iさん世帯。1階のLDKは、掃き出し窓の外に見える森の借景が、開放感を生む。リラックスできるようにと、天井を掘り込んで間接照明に。ダークブラウンでまとめたキッチンと石調タイルの壁(写真左手)でモダンな雰囲気を演出


LDKに隣接する6畳の和室。扉付き収納は、将来、親世帯から仏壇を移動して置くことができるようにしつらえている



ここがポイント
造成なしでコスト減

敷地は南側に森が広がり、北側にある前面道路にL字で接する旗ざお地。設計を手掛けた建築士の久田友一さんは、南側の豊かな緑を借景として取り込めるよう親世帯・子世帯を東西に配置し、南に大きく開くプランを提案。親世帯は平屋建てだが、子世帯は家族の変化に対応できるよう2階建てとした。
完全独立型の2世帯住宅だが、南側にある庭を両世帯で共有。庭に面して設けた深い庇(ひさし)のテラスが、リビングをより開放的な空間にしている。
北側にはIさんが希望した屋根付きガレージを配し、その奥に住宅を据えた。「ガレージは建物全体と重なる構造壁として配置。東西に細長い住宅を支え、災害時には避難場所になります」と久田さん。ガレージ奥の壁にスリットを入れることで、風と光を程よく取り込む。
コストダウンの工夫も光る。最も気を使ったのは敷地の勾配処理。敷地は北から南へ緩やかに傾斜し、東側は隣地との間に約3メートルの高低差があったことから、造成工事費を抑えることが課題になった。まず南北の傾斜は、南側のテラスを庭から1メートル弱上げて設ける造りにすることで盛り土を不要に。「東側の高低差は、擁壁を設けずに済むよう法面(のりめん)処理しました」=断面図参照。
1階は、両世帯同じような間取りにし、施工の簡素化を図った。子世帯の2階は子ども部屋のみ天井高を上げて片流れ屋根にして、ロフトを設置。寝室北側は片流れ屋根と同じ傾斜の壁を設けてベランダとして活用。道路からの視線を遮りながら、コストダウンにもつなげた。



両世帯で共有する人工芝張りの広い庭は、集う子どもたちの格好の遊び場。手前がIさん宅。自然の傾斜を生かし、庭より住宅が1メートル弱高くなっているため、階段から上り下りする


Iさん宅へのアプローチと玄関。アプローチはガレージの壁(写真右側)と住宅の外壁に囲まれた空間になっている


天井高最大3.8メートル、ロフトを設けた子ども室。将来、2部屋に仕切れるよう出入り口は二つ用意した







[DATA]

家族構成 :夫婦、子ども1人(子世帯)
      父、母(親世帯)
敷地面積 :756.26平方メートル(228.76坪)
1階床面積:134.18平方メートル(40.59坪)
車庫床面積:74.68平方メートル(22.59坪)
2 階床面積:46.87平方メートル(14.18坪)
建ぺい率 :32.07%(許容50%)
容積率  :27.05%(許容100%)
用途地域 :未指定
躯体構造 :壁式鉄筋コンクリート造
設 計  :久友設計(株) 久田友一、平良晋
構 造  :(株)田中構造設計
施 工  :たすくホーム(株)
電 気  :(有)平良電器店工事部
水 道  :(株)明正電設


[問い合わせ先]

久友設計(株)
098-974-4327
http://www.hisatomo-p.com


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撮影/比嘉秀明 ライター/比嘉千賀子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1693号・2018年6月15日紙面から掲載

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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