伸び伸び遊べる家|築33年 実家2階を全面改修し2世帯住宅に|こだわリノベ|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

第9回こども絵画コンクール

お住まい拝見

こだわリノベ

2024年7月5日更新

伸び伸び遊べる家|築33年 実家2階を全面改修し2世帯住宅に|こだわリノベ

「飛んだり跳ねたり、子どもたちが伸び伸び遊べる家が欲しかった」。実家の2階をリノベーションし、家族4人で暮らすMさん(35)一家。木のぬくもりあふれる広いリビングでは多彩な遊びが可能。1階で暮らす両親や友人を招いて、交流も楽しむ。

リノベーション前
2階のLDK。リノベ前(上写真)は壁で仕切られた2部屋だった。床はアンティーク調の床材、天井の張りやキッチンも木目調で統一し、木のぬくもりを感じる空間に。アイランドキッチンは、親子で料理を楽しめるよう、長さと通路幅にこだわった


リノベーション前
現在キッチンがあるのは和室(子ども部屋)だった場所。自然光がたっぷり入る腰窓はそのまま生かした
キッチンからリビングを見る。現在は広々と使っているリビングだが、将来は窓際にスタディーカウンターを設ける計画



 改修前のお悩み 
アパートでは、階下に気兼ねして遊びを制限。実家2階は、仕切られた個室ばかり


家族のつながり密に

南国リゾートをイメージした室内はアンティーク調の木目で統一され、温かみを感じる。「家族が長時間、一緒に過ごせるように」と、広くとったLDKでは、4歳の長女が元気いっぱい駆け回る。「アパートでは階下への音を気にして、『走らないで』『静かに』と言ってばかり。それが辛かった」と、Mさん夫妻は振り返る。

築33年になる実家の2階をフルリノベーションした、2LDKのマイホーム。リノベを決めた理由は、「娘が伸び伸び遊べる家を、一日でも早く手に入れたかったから。完成までの期間と費用を比較すると、新築よりリノベがベストでした」とMさん。

LDKとは対照的に、寝室と子ども部屋は寝るだけに特化してミニマムに。LDKから水回りを抜けて個室に向かう造りは、「浴室や洗面所から娘に呼ばれても、すぐに対応できて便利」と夫人(35)。

玄関脇には、バーベキューや水遊びを楽しむバルコニーもある。「リビングからも様子が見えるので安心」と笑顔。



リノベーションで、完全分離型の2世帯住宅にするにあたり、鉄骨造の外階段を新設。1階親世帯の玄関との動線を分けてプライバシーを保ちつつ、1階からも2階からも庭の緑が楽しめる配置に

造る過程も楽しく

実家の2階は個室が4室あり、Mさんきょうだいが巣立った後は、両親が寝室、書斎として使っていた。両親に相談し、「生活ペースを守って干渉しないなら、自由にやりなさい」と承諾を得た。

インテリアにもこだわり、リノベでおしゃれな2世帯住宅を手がける建築会社に設計を依頼。「インテリアコーディネーターがついて親身に提案してくれて、心強かった。夫婦で夜な夜な建材選び。造る過程も楽しかった」と夫人。

次女が生まれ、1階の親世帯との交流もより密に。「必要なときに手助けしてくれるのが、本当にありがたい。子どもたちの成長に合わせて家に必要なものを考え、足していくのも楽しみ」と話した。


リノベーション前

正面右端に勝手口があり、壁の向こうはベランダ。壁を取り払い玄関を増築した

リビングから玄関ホールを見る。正面の掃き出し窓からバルコニーへ直接出入りできる。ガラス越しにバルコニーで過ごす家族の様子もうかがえる

 

リノベーション前

リノベ前は和室(子ども室)。掃き出し窓からベランダへ出られた


子ども部屋。現在は家族の寝室として活用。将来2部屋に仕切れるよう、出入り口、窓、照明を設けている。廊下の突き当たりは寝室

 

リノベーション前

リノベ前(上写真)の廊下に当たるスペースに設けたウオークインクローゼット。大胆な花柄のアクセントクロスが目をひく壁紙の前は、アイロンをかけたり、洗濯物をたたんだりするのに重宝する家事台。内階段のあった部分は床を張ってふさぎ、洗面室(下写真)と浴室を配置した
 

洗面所。LDKと個室をつなぐ廊下の、一角に設けられている。強度を損なわない範囲で構造壁の一部を抜いて開口部を設け、LDKと行き来できるようにした



 Mさん宅のリノベのカギ 

「壊せない構造壁を生かし、公私の空間を区分け。家族が集うLDKを広くし個室は最小限に」

 

公私の空間を水回りでつなぐ

2階には両親の寝室、子ども部屋(和室)など4部屋があった。内階段西側の壁が構造上、壊せない壁だったため、間取り変更を伴うリノベーションが難しい造り。空間構成を決めるカギは、必要な部屋の広さに優先順位をつけることだった。

Mさん夫妻は将来のライフプランを見据え、「リビングを広く、個室は必要最低限で」と希望。そこで設計を担当した田場裕さんは、構造壁を境にLDKとプライベート空間を東西で区分け。「建物を支える力に影響がない範囲で構造壁に開口を設け、公私の空間を行き来できるプランを提案しました」と説明する。



玄関はベランダに増築。鉄骨製の外階段は手すりの材質にもこだわった
 

リノベ前の和室の外に見えていたベランダは、タイル張りのバルコニーに改装。バーベキューやプール遊びを楽しむ


1階の親世帯とは室内で行き来せず、玄関も別に設ける完全分離型の2世帯住宅に。内階段はふさいで床を張り、そこに洗面室と浴室を配置。リビングから個室へ向かう動線上に、水回りとウオークインクローゼットをまとめることで、スムーズな家事・生活動線を確保した。

2階の新たな玄関は、南側のベランダを利用して増築。鉄骨製の外階段も新設した。玄関東側のスペースはタイル張りのバルコニーへリニューアル。玄関を通って室内から行き来できるようにした。

LDKは木の温かみを感じられる空間。床材もキッチンも古材風の木目で統一。「天井高を確保するため梁(はり)を露出させましたが、木目調のクロスを張り、統一感のある雰囲気に仕上げました」。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
躯体構造:鉄筋コンクリート造築
年  数:33年
2階施工面積:82.33平方メートル(約25坪)
工  期:6カ月
設計・施工:(株)佐平建設 田場裕


[問い合わせ先]
(株)佐平建設
電話:098-851-8352
https://otona-re.com/


↓画像をクリック


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2009号・2024年07月05日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2298

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る