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2024年4月12日更新

主役は緑のタイル|築約30年のマンションを改修|こだわリノベ

インテリアコーディネーター・新崎奈々子さん宅は、中古マンションを購入し自分でプランニングした。空間の主役は「絶対に使いたかった」という緑のタイル。キッチン背面のタイルを“見せ場”にし、そのほかの居室の配置を決めた。


中央にあった和室をなくし、LDKを広く確保。キッチン背面のタイルは新崎さんが「どうしても使いたかった」と話す。他の内装はシンプルにすることで、グリーンのタイルが映えている


リノベーション前

リノベ前のキッチンは個室で壁付けだった。
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対面式に変更し、背面のタイルを見せる造りに。冷蔵庫や電子レンジなどは奥のパントリーに収納している。タイルの上部には棚を設置し、お気に入りの雑貨や植物を飾って楽しむ


 改築前のお悩み 
・キッチンが個室になっている
・部屋数が多くリビングが狭い



キッチンにお気に入りを集結

玄関から奥に長い造りのマンションは多いが、新崎邸は左右に長い造り。「マンションで横長の造りってあまりない。壁や床はボロボロだったけど『ここだ!』と思って購入した」と新崎奈々子さん。夫妻の実家に近い立地も決め手だった。

家作りをする前から決めていたのが「キッチンにグリーンのタイルを使いたい」ということ。「タイルの見せ方を考えて、個室だったキッチンの場所を移動した」。リビング・ダイニングと対面にし、背面にタイルを使った。タイル上部には雑貨や植物を飾る棚も設け「お気に入りを集結させた。好きなものに囲まれて、キッチンにいる時間が楽しい」と目を細める。

冷蔵庫や電子レンジなどは、“見せ場”を邪魔しないようパントリーに収納。食器やごみ箱などは目立たないカウンター下部に納めている。



リビングでくつろぐく子ども達。三つ並ぶ掃き出し窓から光がたっぷり入る。「マンションで、こんな横長の造りは結構珍しい。購入の決め手となった」と新崎さん


リノベーション前

以前は和室が住居の中央にあった。和室の奥にも洋室が2部屋あり、空間が細切れになっていた
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キッチンからリビング・ダイニングを見る。夫の「大きめなテレビを置きたい」という要望から、奥の個室を少し狭くしてリビングを広く取った


こだわりの洗面台

もともとは4LDKだったが「LDKを大きくしたかった」ことから、2LDKに変更。小学5年と2年の息子たちはダイニングで宿題をし、疲れたらリビングのラグにごろり。そのそばで2歳の長女がおもちゃを広げて遊ぶ。夫の定位置はLDKの一角にあるデスクスペースだ。「私はキッチンに居ることが多い。皆、LDKのどこかで思い思いに過ごしている」

一方で個室は最小限。東側の洋室はファミリークローゼットと新崎さんの書斎を兼ねる。寝床を確保するため夫が二段ベッドをDIYした。

「もう一つ、こだわったのが洗面台。脱衣室の中にあったのだけど、小さくて空間も窮屈だった」ことから表に出した。大きな洗面ボウルと鏡、そしてたっぷりの収納があり「すごく使いやすい」。

インテリアコーディネーターとして10年以上、家作りに携わってきた新崎さん。「大切なのは取捨選択。こだわりたいところをしっかり選ぶことが、予算内で理想の家を実現するカギ」と話した。



 

ゆったり使える洗面台がほしい、ということで造作した。リビングと玄関の間にあり、帰宅後の手洗いもスムーズ。壁には好きなアートを飾って楽しんでいる

 

洋室にある二段ベッドは、夫がDIYした。個室は最小限の広さにした上、新崎さんの書斎とファミリークローゼットを兼ねることからベッドを置ける空間が限られている。空間に合わせて手作りした二段ベッドのおかげで家族皆で枕を並べられている
 

カラーリングがおしゃれなトイレ。床用のクッションフロアを壁にも貼ってモダンな雰囲気に



 新崎さん宅 リノベのカギ 

見せ場(キッチンと洗面台)に予算を集中。その他はシンプルにしてコストダウン

 

見せ場をつくる

新崎邸はマンションで、主要構造部に関わらないリノベーションだったため、インテリアコーディネーターの新崎奈々子さんが手がけた。「グリーンのタイルを使うキッチンが空間の見せ場。そのほかはシンプルにしている」と自邸リノベのポイントを説明する。

「見せ場を作ることで、予算を掛けるべきところがはっきりする。わが家で予算を掛けたのはタイルと、造作した洗面化粧台くらい。そのほかの場所は、既製品やそこまでグレードの高くないアイテムを使ってコストバランスを取っている」と話す。

タイルの見せ方を考えて、キッチンの配置を変更した。マンションだと、給排水管などの観点から水回りの移動は難しいと思われがちだが、「大きく移動させなければ変更できるケースは多い。移動可能な範囲を確認することが大切」と説明する。

新崎邸では、洗面台の位置も移動している。「もともとは脱衣室の中にあったけど、広い化粧台がほしかったので外に出して造作した。おかげで脱衣室も広くなった」と話す。第二の見せ場でもある洗面台の壁は写真やアートを飾れるスポットにしている。「日々、目にする場所だからテンションが上がるものを飾って楽しんでいる」。

また、既存の壁を取り壊して4LDKから2LDKと間取りを大きく変更したものの「新たな壁をあまり造っていないので、予算にはあまり影響はしていない」。壁を造らず、LDKを広くしたことで「家族に目が届くし、子どもたちものびのび遊べている」と話した。


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:約30年
居室面積:73平方メートル(約22坪)
工期:5カ月
設計:くらしdesignUS 新崎奈々子
施工:(株)KIN木


[問い合わせ先]
くらしdesignUS
インスタグラム
@NANAKO_INTERIOR


撮影/矢嶋健吾 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1997号・2024年4月12日紙面から掲載

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この記事のキュレーター

スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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