白基調のモダン空間|築36年の戸建てでセカンドライフ充実|2世帯住宅 1階を全面改修|こだわリノベ|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

こだわリノベ

2024年3月1日更新

白基調のモダン空間|築36年の戸建てでセカンドライフ充実|2世帯住宅 1階を全面改修|こだわリノベ

Fさん宅は完全分離型の2世帯住宅。両親が暮らしていた1階への住み替えに伴い、夫婦でセカンドライフを満喫できる空間へとリノベーションした。夫人が好きな白を基調に「ホテルのような空間で、開放的に過ごせています」と喜ぶ。

リノベーション前
        ▼

1階のLDK。元は庭に面した和室だった。夫人が好きな白を基調に、床をタイル張りに。家具や家電をモノトーンでまとめ、シンプルで洗練された空間へ生まれ変わった。キッチンの背面収納は、引き戸で目隠し
 


 改築前のお悩み 
「和室中心の空間。道路や隣家からの視線が気になり、カーテンが開けづらい」


趣味、暮らし充実

築36年になる2世帯住宅の1階をリノベーションしたFさん宅は、白を基調に、家具や家電をモノトーンで統一。床と壁の一部にタイルを使い、ホテルのような雰囲気だ。「白のインテリアが好きで、スッキリとした空間にしたかった」と夫人。畳間中心の和風な空間が、モダンで洗練された空間に生まれ変わった。

道路や隣家に面した塀が低く、「道行く人と目が合い、隣家も気になって窓やカーテンが開けづらい」環境も、改善したかった。リノベーションでは塀を高くして、植栽の手入れが大変だった庭はテラスに変えた。「周囲からの視線、音も気にならなくなった。リビングからテラスを眺めるのがお気に入り」とFさん。テラスは愛犬の遊び場、趣味で楽しむテニスの練習の場として活躍している。

リノベーション前

        ▼


リビング。新設した白壁が隣家を目隠し。鉢植えを置いたデッキスペースが、空間に広がりを生む。写真左手の洋室は、引き戸を閉めれば個室に
 

白一色の玄関。入り口正面にあたる壁は波模様のタイル仕上げ。照明で浮かび上がる陰影が、インテリアのアクセントに。リノベ前、玄関の正面は二間続きの和室で、壁で仕切ってLDKに変えた


リノベーション前

和風の玄関。深いひさしがあり、庭とオープンにつながっていた
         ▼


玄関ポーチは新たに屋根を設け、雨天時の出入りが楽に。庭との間を壁で仕切り防犯性も高まった
 

 

気兼ねなく過ごせる

 

両親と暮らすため、24年前に購入した中古住宅(当時、築8年)。1階に親世帯、2階にFさん一家が暮らしていた。子どもたちは独立。父の他界、母の施設入所を受け、「まだ元気に動ける60代のうちにセカンドライフを楽しめる家を造ろう」と、1階への住み替えとリノベを決めた。

 

夫婦それぞれの部屋を設け、日頃の家事や、持ち帰った仕事も楽に、気兼ねなくできる。夫人は「お仏壇も白で造作してもらい、理想の空間ができました」と、にこやかに話した。


 

Fさんがリノベを選んだ理由

建物が完全分離型の2世帯住宅なので、私たちが1階に移れば、2階は息子たちが使えます。以前に新聞で、ホテルのようにすてきな空間へリノベーションした記事を見ていたので、私たちが望む空間がリノベーションで実現できると考えました。


 

リノベーション前

リノベ前は木主体のLDK。西側にあって暗い

         ▼


夫人の部屋。大好きな白の家具でまとめ、スッキリシンプルに。ベッド正面には、ウオークインクローゼットがある
 

トイレもモノトーンのしつらえ。壁の波模様のタイルがアクセントに


リノベーション前

      ▼

水回りは位置を変えず、白基調の爽やかな雰囲気に。浴室はシャワーだけに変えて、掃除も楽に



 Fさん宅 リノベのカギ 
「外塀の高さを上げて道路と隣家から目隠し。テラスとデッキの新設で、開放的なLDKを実現」

 

高塀とデッキでゆとり

Fさん宅の一番の課題は、道路や隣家からの視線や音が気になり、窓やカーテンが開けづらかったこと。光と風が取り込める東側に、広いLDKを配置するプランを提案したデザイナーの糸洲芳彦さんは、境界線の塀の高さを上げ、デザイン性を高めることで、プライバシーの確保と空間の有効活用の両立を図った。

まず道路のある南側は、既存の塀にブロックを積み増しして1.8メートルの高さに。「玄関ポーチは庭との間を壁で仕切り、屋根を設置。防犯性を高めながら、雨でも駐車場へぬれずに行き来できるようにしました」と糸洲さん。手入れに困っていた庭の木々は撤去して、テラスに変更。一角に植栽スペースを設けた。

隣家が近接する東側の塀は、高さ2.2メートルに。安全性を考慮し、鉄骨を組んでサイディングボードを固定する工法をとった。これにより「建物から塀までのスペースをデッキにし、LDKとフラットにつなげることで室内外が一体的になり、空間に奥行きと開放感が生まれた」。

室内は、必要な居室を納めるため東側に1メートル増築。セカンドライフを楽しめるよう、家事や暮らしのストレス軽減とバリアフリーに配慮した。具体的には、日々のルーティンが異なる夫妻のライフスタイルを踏まえ、個室をそれぞれ用意。どちらの部屋も水回りと行き来しやすい配置にした。キッチンは、背面収納を引き戸で目隠ししスッキリ。サイドに夫人のデスクスペースも設けた。


[DATA]
家族構成:夫婦
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:36年
1階施工面積:99.17平方メートル(約30坪)
工期:4カ月
設計・施工:(有)エバデザイン


[問い合わせ先]
(有)エバデザイン
電話 098・878・5008
https://www.evah-d.com/


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1991号・2024年3月1日紙面から掲載

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2416

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る