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2023年9月22日更新

不動産の日特集2023③・沖縄県宅地建物取引業協会 会長インタビュー|研修手厚く 人材育成 安全な取引を徹底

今年59年目を迎えた(公社)沖縄県宅地建物取引業協会(以下、県宅建業協会)。渡久地政彦会長がインタビューに応じ、「法律などが矢継ぎ早に変わる実務環境において、学びの場をより手厚くし安全な不動産取引を徹底するのは必須。沖縄が抱える問題も行政や地域と連携し、解決していく」と意気込みを語った。

 沖縄県宅地建物取引業協会 会長インタビュー 

渡久地 政彦(とぐち・まさひこ)
1957年、那覇市出身。(公社)沖縄県宅地建物取引業協会会長。(株)オクト管理代表。不動産業を営み27年。業界発展と会員の資質向上に奔走中

―昨年の県宅建業協会の活動を振り返って

宅地建物取引業(不動産業)は関連する法律や制度が多いうえに、改正するのも早い業界。情報はなによりも大切です。昨年は新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも、研修会などの形式を工夫し、情報を共有しました。

事業の要である消費者保護のため、会員のスキルアップは必須です。「法定研修会」や「実務研修会」はオンラインと対面のハイブリッド形式で行い、参加人数は例年の倍以上に。また、消費者が取引や契約について学べる「消費者講座」や、大家を対象とした「家主セミナー」なども開催しました。

研修会やセミナーなどは撮影し、アーカイブ化。協会のHPで公開することで、離島など遠方に住む消費者や会員との情報格差が広がらないようにしています。

 自治体・関連団体と連携 笑顔あふれる社会の実現  

―県内の不動産を取り巻く状況は

不動産取引は宅地や商業地など依然として活発ですが、放置されている空き家が多い。活用されないままだと老朽化して、倒壊などトラブルの元になります。

そのため、自治体と提携して「空き家バンク事業」を展開。権利関係が複雑だったり、所有者不明だったりする空き家をスムーズに活用できる体制を整えています。各地域に精通している宅建業者が相談を受け、活用方法を提案。大家の収益化を図りつつ、地域の活性化にも尽力しています。

また課題として、経済的な理由から入居を断られる高齢者や生活保護者の住宅支援がある。民間団体だけでは難しいため、行政や関連団体、地域と関係を密にし、問題解決につなげていきます。


昨年、ハイブリッド形式で行われた「実務研修会」の様子。ほかにも、「不動産相談員研修会」「法定研修会」「地域研修会」などを開催

―今後の目標は?

今年4月から民法改正により財産管理制度などが創設されました。遺産分割について新しいルールが導入され、来年には「相続登記の申請」が義務化されるなど、実務に関わる規定が矢継ぎ早に変化。各種研修会を手厚くし、会員の資質をより高めることは不可欠です。また、消費者が抱える問題やトラブルに専門相談員が対面でアドバイスする「無料相談」も県内5カ所で受付中。希望者は左囲みの電話番号から予約を。実家の相続など消費者の悩みや不動産トラブルにしっかり対応していきます。

協会が目指すのは「全ての関係者が笑顔の溢れる地域社会の実現」です。会員1530社(2023年8月現在)で構成される公益社団法人として、消費者に安心安全な不動産取引を提供できるよう、取り組んでまいります。


 あすは不動産フェアも 
県宅建業協会では9月23日の不動産の日にちなみ、毎年不動産フェアを開催している。今年はラジオ沖縄とコラボし、パレット久茂地で公開生放送。また、電話による無料相談を実施する。連絡先は下参照。



4年前の公開生放送の様子。「リスナーの不動産相談に答え、ラジオを通して県民に『不動産の日』を広く周知していきたい」と事務局担当者


昨年の電話による無料相談の様子。当日の午後1時から受け付けている
 

無料電話相談を受付
不動産取引に関する疑問を抱いていたり、トラブルで困っていませんか? 宅建業協会の不動産相談員が公正・中立な立場からアドバイス。必要に応じて専門機関や相談窓口への紹介も行います。利用希望者は下記の電話番号へ!

☎098-861-3402


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取材/市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1968号・2022年9月22日紙面から掲載

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