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2023年8月25日更新

竹林と連続 広々LDK|築40年一戸建て 分断されたLDKを一つに|RC造 2階建て 全面改修|こだわリノベ

築17年で購入し、22年間暮らしてきた家をリノベーションしたKさん(62)。特徴的な金属製スクリーンによって西日による暑さが軽減されたほか、収納で分断されていたLDKは大きな一つの空間となり、お気に入りの竹林も楽しみやすくなった。

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LDK。高さ2.3メートル、幅5.7メートルの大開口から竹林が見える。Kさんは「窓を開ければ風が抜けるし、つくばいの水音や、鳥のさえずりなども聞こえる。気持ちのいい空間です」と話す(矢嶋健吾撮影)
LDK。高さ2.3メートル、幅5.7メートルの大開口から竹林が見える。Kさんは「窓を開ければ風が抜けるし、つくばいの水音や、鳥のさえずりなども聞こえる。気持ちのいい空間です」と話す
リノベーション前


 改築前のお悩み 
西日による熱で室内が暑い。収納でLDKが分断されて不便


サウナで生活激変

Kさん宅は築40年ほどの2階建て。外観は不思議な形の金属製スクリーンが随所に見られ、西側は全面がそれで覆われている。強い西日を遮るためのもので、Kさんは「このおかげで室内が暑くならないんです」と話す。

和モダンな玄関を抜けると広々としたLDK。壁には妻の好きな世界各地の布地が飾られ、大きな窓の向こうにはKさんお気に入りの竹林が見える。窓を開ければLDKと一体化するぬれ縁は「風が気持ちよく、庭を眺めながら食事をとったり、ごろんと寝転んだりと、リビングの一部になっています」とKさん。妻は「キッチンからは、この竹林も、西側の坪庭も両方楽しめるんですよ」と加える。

庭との距離が常に近い暮らしに満足しているようだ。

リノベーション前

南庭から見たLDK。左上の天井を欠き込んだ部分にはトップライトがあり、以前は廊下のためだけの明かり取りだったが、今はLDK全体に光を届ける。左奥のキッチン天井にはクーラーが設けられていて、「20年以上暑さに耐えてきたけど、今はとても快適です」と妻南庭から見たLDK。左上の天井を欠き込んだ部分にはトップライトがあり、以前は廊下のためだけの明かり取りだったが、今はLDK全体に光を届ける。左奥のキッチン天井にはクーラーが設けられていて、「20年以上暑さに耐えてきたけど、今はとても快適です」と妻


リノベーション前


西側から見た外観。建物に当たる西日を遮るため、さびにくい金属板を加工したスクリーン「フラクタル日よけ」で西側全面が覆われている。風は通るが、台風のような強風を和らげることもできる。建築士の照屋さんは「軽くて薄くて丈夫な素材を選んで、外壁面に設置した」と話す

近くから見たフラクタル日よけ近くから見たフラクタル日よけ

 

還暦後の人生楽しむ

長年、西日による暑さに悩んでいたKさん。「特にリビングは日没後も暑く、壁は触ると熱を感じるほどでした」

そこで知り合いの建築士に相談したところ、西日対策とともに、収納の位置を変えて暮らしやすくする提案を受けた。Kさんは「不便には感じていたが、建築士に指摘されるまで、LDKを分断していた収納が原因とは分からなかった。竹林を生かしつつ、還暦を迎えたこれからの人生を楽しめる家にしたい」と思い、リノベを決めた。

そんなKさんの要望の一つがサウナ。今ではランニングをして、サウナで汗をかき、バスコートで坪庭を眺めながら外気浴するのが日課になっているという。妻は「キッチンがバスコートの隣なので、ビールも取りやすいようですよ」と笑顔を見せる。Kさんは「生活が激変した。もっと早くやればよかった」と人生を楽しんでいる。


 Kさんがリノベを選んだ理由 
最初は西日による暑さをなんとかしたくて知り合いの建築士に相談しました。すると「西日もだが、収納の位置や洗面脱衣室の間取りなどにも問題がある」とのこと。家全体を良くする方法をプロ目線で知ることができたため、2階は間取りを変えずに窓の変更などをしながら、1階を中心に大きくリノベすることにしました。



 

 リノベのポイント 

特徴的な形の金属製スクリーンで西日を遮り、建物の蓄熱を防止。収納を移設し、LDKを一つの広い空間にした。

 

スクリーンで西日遮断

擁壁の上に建ち、西日をまともに受けるKさん宅。西日対策の相談を受けた建築士の照屋寛公さんは「コンクリート造の建物を確認すると、ヒビなどは見られなかったが、西日で蓄熱していた。また、収納でLDKが分断されていたり、洗面室の壁が斜めになっていたりと使いにくい間取りでもあった」と話す。

そのため照屋さんはまず、収納を北側に移設=平面図黄色部分。廊下部分もまとめて、広いLDKにした。「Kさんがこの家を購入するきっかけにもなった庭の竹林をより楽しめるように」と、LDKの南側全体を窓にし、ぬれ縁も設置。ぬれ縁は和室やセカンドリビングともつなげ、移動しやすくした。

洗面室や浴室は面積を広げ、サウナも導入。物干し場だった場所は緑豊かなバスコートとし、サウナの後すぐに外気浴ができるようにした。

西日に対しては、特徴的な形の金属製スクリーンを採用した。西側全面に設け、強烈な日差しを遮り日陰を作ることで、建物に熱がたまらないようにした。「台風時には強風を抑えつつ飛来物も防げる。台風のたびに鉢植えを片付ける手間も減らせる」

道路から玄関へのアプローチは向きを変更。照屋さんは「ウエルカムポーチを設け、そこにKさんが育てる鉢植えを並べることで、来客を心地よく迎えられるようにした」と説明する。

 

リノベーション前

駐車場。玄関までの動線を変えたほか、照明も追加。植物の影が天井に出てラグジュアリーな雰囲気

駐車場。玄関までの動線を変えたほか、照明も追加。植物の影が天井に出てラグジュアリーな雰囲気

玄関。金色の天井に赤と黒の格子が映え、和モダンな印象
玄関。金色の天井に赤と黒の格子が映え、和モダンな印象


リノベーション前

バスコート。奥のサウナから、浴室で水浴びして、外気浴するまでの動線がスムーズ。Kさんは「サウナが日課になってから、夜も深く眠れるようになった」と話す。金属製スクリーンは、日よけだけでなく目隠しにもなっている
バスコート。奥のサウナから、浴室で水浴びして、外気浴するまでの動線がスムーズ。Kさんは「サウナが日課になってから、夜も深く眠れるようになった」と話す。金属製スクリーンは、日よけだけでなく目隠しにもなっている


リノベーション前



竹林が目を引く南庭。別の場所にあったつくばいなどを一カ所にまとめ、造り直した。セカンドリビング、LDK、和室をつなぐぬれ縁について「はだしで庭の近くに行けるのがいい。見る場所によって印象も変わる」とKさん。ぬれ縁はアルミ+樹脂板でできており、メンテナンスが不要

竹林が目を引く南庭。別の場所にあったつくばいなどを一カ所にまとめ、造り直した。セカンドリビング、LDK、和室をつなぐぬれ縁について「はだしで庭の近くに行けるのがいい。見る場所によって印象も変わる」とKさん。ぬれ縁はアルミ+樹脂板でできており、メンテナンスが不要



[DATA]
家族構成: 夫婦、子ども1人
1階施工面積:80平方メートル(約24.2坪)
2階施工面積:25平方メートル(約7.5坪)
躯体構造:鉄筋コンクリート造
築年数:約40年
工期:約10カ月
設計:建築アトリエ・トレッペン 照屋寛公、スタッフ(桃原真紀、橘木純次)
施工:(有)新都開発 宮城太一
電気:(株)山川電気 上原紀幸
水道:(有)広設備工業 金城治
キッチン:(株)共立創建 東江しのぶ
造園:末吉園(株) 普天間直利


[問い合わせ先]
建築アトリエ・トレッペン
電話=098・859・0710
http://www.treppen.jp/


撮影/矢嶋健吾 取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1964号・2023年8月25日紙面から掲載

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出嶋佳祐

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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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