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2024年2月23日更新

DIY加え理想の空間に|築44年の一戸建てを購入|築44年 RC造 改修|こだわリノベ

「思い切りDIYしたい」と考えていた山内浩一郎さん(49)。築44年の一戸建てを購入し、リノベーション。全面的にDIYを取り入れ、「やりたいことが全部できた」住まいとなった。

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リノベーション前
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押し入れだったスペース(右奥)は、オープンな収納に造り替えた。家族のお気に入りが並んでいる
押し入れだったスペース(右奥)は、オープンな収納に造り替えた。家族のお気に入りが並んでいる
 


 改修前の希望 
和室をすべて洋室に。DIYをしたい。インテリアに植物を取り入れたい。


自由度の高い中古に引かれて

ホームセンターに勤めている山内さん。マイホームを考えたときに、頭に浮かんだのは中古住宅の購入・改修だった。「思い切りDIYをしたい。形の決まった新築よりも、自由度が高そう」と考えたからだ。

もともと植物が好きで、アパートでも多くの鉢植え植物を育てていた。庭付き、地元周辺で物件を探していたものの、コレだ! という物件になかなか巡り合えなかった。探し始めて10年、ネットでたまたま実家の裏の家が販売されていることを知った。「『隣の土地は借金してでも買え』ということわざもある。すぐに購入を決めました。この辺りは分譲住宅地で実家と造りは同じ。築年数がたっていて傷みはあったけれど、実家をイメージして大丈夫だろうと思った。前の住人は知人で大工さん。迷いは無かった」

設計はDIYリフォームを手がけ、「勤務先の建材を使いたい」という思いをくんでくれた事務所に依頼した。「打ち合わせで、子どもとのコミュニケーションのために階段の入り口を変えた方がいいと提案され、想像以上の発想にさすがプロだなと感動しました」

カントリー風のキッチンは、れんが調の壁と木が温かみのある雰囲気だ

カントリー風のキッチンは、れんが調の壁と木が温かみのある雰囲気だ


リノベーション前


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鮮やかな壁が目をひく玄関。好きな植物をモチーフにした壁紙にした
 

10年かけて物件を探した山内さん。「なかなか物件は出ず、出てもすぐに売れる。条件を明確にしておくことは大事」と話す
10年かけて物件を探した山内さん。「なかなか物件は出ず、出てもすぐに売れる。条件を明確にしておくことは大事」と話す
 

2階の個室の壁面は、子どもも一緒に家族でDIY塗装した(山内さん提供)

2階の個室の壁面は、子どもも一緒に家族でDIY塗装した(山内さん提供)

 

部屋ごとに雰囲気変え

山内さん宅は2階建て。1階にLDKと水回り、2階に個室がある。面白いのは、部屋ごとに雰囲気が違うことだ。「仕事でインテリアやリフォームに関わっているので、興味のあるテイストを試したかった」と山内さん。植物をモチーフにしたリビングダイニング、カントリー調のキッチン、武骨でスタイリッシュなバーカウンター…。それぞれの部屋を、丹精込めて育てた植物が彩る。

山内さんは壁や木材の塗装、棚の造作、デッキテラスなどをDIY。2階の子どもの個室は、家族で一緒に塗装した。「時には真夜中まで壁を塗っていたことも。いい思い出になりました」

住宅が完成して2年。「こうしておけばと感じるところがないんですよ」と満足げだ。コロナが落ち着いてからは、模合(もあい)メンバーや仕事仲間など人を呼ぶ機会が増えた。来客を手料理でもてなし、植物を眺めながらお酒を飲むのは、アパート時代にはできなかった楽しみだ。いずれ庭にコーヒーを植え、収穫した豆でコーヒーを…と夢は膨らむ。

リノベーション前

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コンクリート打ち放し調の壁紙とアイアン製の家具がスタイリッシュな雰囲気。山内さんが造作した棚には、来客をもてなすために用意した泡盛がずらりと並ぶ
コンクリート打ち放し調の壁紙とアイアン製の家具がスタイリッシュな雰囲気。山内さんが造作した棚には、来客をもてなすために用意した泡盛がずらりと並ぶ
 

DIYで手作りしたテラスや庭を、鉢植えの植物が彩る。時には県外の植物仲間が遊びに来て、庭を眺めながら植物談義で盛り上がるDIYで手作りしたテラスや庭を、鉢植えの植物が彩る。時には県外の植物仲間が遊びに来て、庭を眺めながら植物談義で盛り上がる
 

リノベーション前

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トイレの壁は漆喰風の塗料でDIY。面によって塗り方を変えた

トイレの壁は漆喰風の塗料でDIY。面によって塗り方を変えた

 

2階の寝室の壁は特殊塗装で、植物をイメージしたオリジナルの壁面だ2階の寝室の壁は特殊塗装で、植物をイメージしたオリジナルの壁面だ



 改修のポイント 
壁式構造で間取りの変更に制限があったが、キッチン移動し階段の上り口を変更。

 

LDKをつなげて広々と

2階建ての物件は、1、2階ともほぼ和室で細かく区切られた造り。壁式構造で間取りの変更に制限があった。設計を手がけた吉川潤一さんは、「できる範囲で間取りを変更することに。キッチンを移動し、隣接する部屋をリビングダイニングに変更。キッチンとリビングダイニングの間の構造壁は残しつつ、引き戸を取り払うことで、つながりのあるLDKとなりました」と説明する。

また、階段の上り口の向きを北東側から南西側に作り替えて子どもや家族の帰宅時にキッチンやリビングダイニング近くを通る動線に。家族がコミュニケーションしやすくなっている。来客は玄関からLDKを通らずにバーカウンターのある部屋へ行くことができ、来客時に家族も来客も気兼ねなく過ごせる。

トイレやバスルーム、洗濯室やクローゼットなど、家事動線はコンパクトにまとめて家事のしやすさに配慮した。

内装は「いろいろなテイストを試したい」という山内さんの要望に応え、壁紙や特殊塗装を使用し、部屋に合わせて照明を変えて遊びのあるインテリアに。当初、バーカウンターのある部屋はコンクリート打ち放しを希望していたが、構造的に難しかったため、打ち放し風の壁紙で思い描くイメージに近づけた。キッチンもレンガ風の壁紙がアクセントになっている。「リノベーションは既存の建物を活かしてコストを抑え、その分内装にこだわれるのがメリット」

山内さん宅は全面的にDIYを取り入れているが、吉川さんは可能な範囲でDIYを取り入れることを勧めている。「家づくりの楽しさに触れられ、家への愛着が増します」


[DATA]
家族構成:3人
1階床面積:75㎡(約22.7坪)
2階床面積:25㎡(約7.6坪)
駆体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
設計・施工/CL planning(トーエイ建設産業)吉川潤一、沼田圭介


[問い合わせ先]
CL planning(トーエイ建設産業)
電話=098・998・1518


撮影/桑村ヒロシ 取材/栄野川里奈子
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1990号・2024年2月23日紙面から掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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