勾配天井で伸びやかなLDK バイク用のガレージも 夫妻の好みが詰まった白い平屋|(株)レクトホーム [お住まい拝見]|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

お住まい拝見

お住まい拝見

2023年3月17日更新

勾配天井で伸びやかなLDK バイク用のガレージも 夫妻の好みが詰まった白い平屋|(株)レクトホーム [お住まい拝見]

[廊下省き広さ確保]
廊下をできるだけ設けず、LDKから各部屋に直接出入りできるよう工夫したHさん宅。コンパクトな動線は室内の広がりと、家事をしながらでも子どもたちの様子が分かる視界の良さにつながっている。

LDKの天井高は最高3.5メートル。勾配天井となっており、写真右手の高窓から自然光が差し込む。「床の無垢(むく)材になじむよう、木調やライトグレーの家具にした」と夫人
LDKの天井高は最高3.5メートル。勾配天井となっており、写真右手の高窓から自然光が差し込む。「床の無垢(むく)材になじむよう、木調やライトグレーの家具にした」と夫人


夫婦の好みで彩る

Hさん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

シンプルな外観とは対照的に、室内はHさん夫婦の好みが満載。例えば、玄関の床は素焼き風のタイル、壁のニッチ(小物を置くくぼみ)にはドライフラワーなどを飾っている。夫人は「南欧風のカフェを参考に、玄関から温かい雰囲気が漂うことを意識した」と笑う。

玄関を抜けると、高窓から自然光が差し込む開放的なLDKが広がる。「室内の明るさを特に気にした」と話す夫人は、LDKの仕上げ材にもこだわった。先に家を建てた姉の家を参考にして、床には光を反射しやすい無垢(むく)材、壁には白のクロスを使うなど、自然光を室内全体に行き届くよう工夫した。さらに、LDKに隣接するウッドデッキは、夫人が「使いたかった」という花ブロックで目隠し。「隣家からの視線も気にならないので、カーテンは開けっ放し。LDKがより広く感じられる」

また、キッチンからの視界も重視した。「以前住んでいたアパートは壁付けのキッチンで、振り返らないと子どもたちの様子が見えなかった。だから対面キッチンにすることは決めていた」と夫人。そのため、子ども室をキッチンに対面させ、家事をしながらでも様子が分かるようにした。

子ども室は可動式の壁で仕切ることができ、将来は2部屋として使えるなどライフスタイルの変化にも対応している。

バイクを止めているガレージ。「仕事の後でも早朝でも、好きな時にバイクいじりを楽しめる」とHさん
バイクを止めているガレージ。「仕事の後でも早朝でも、好きな時にバイクいじりを楽しめる」とHさん
 

玄関からでもガレージに行き来できる。動線上にはシューズインクロークがあるため、玄関はいつでもすっきり

玄関からでもガレージに行き来できる。動線上にはシューズインクロークがあるため、玄関はいつでもすっきり


玄関。壁にはアーチ型のニッチやすりガラスの室内窓など夫人こだわりのインテリアが訪れた人を温かく迎える

玄関。壁にはアーチ型のニッチやすりガラスの室内窓など夫人こだわりのインテリアが訪れた人を温かく迎える

 

写真右手の花ブロックの内側はポーチとウッドデッキ。Hさん夫婦は「帰宅する際、ポーチにある照明が花ブロックを照らすのが見え、陰影がきれい」と話す
写真右手の花ブロックの内側はポーチとウッドデッキ。Hさん夫婦は「帰宅する際、ポーチにある照明が花ブロックを照らすのが見え、陰影がきれい」と話す


念願のバイクガレージ

子どもの学校区で土地を購入し、家造りを開始。見学会に足を運ぶ中で、「シンプルな外観と、相談しやすさ」が決め手となった建設会社に依頼した。

間取りやデザインは妻に任せっきりだったと話すHさんだが、「バイクガレージは絶対に譲れなかった」。以前は住んでいたアパートから距離がある実家にバイクを止めていたため、好きな時間にメンテナンスできなかった。「でも今は帰宅して、すぐにバイクいじりができる。故障や劣化の原因になる雨も気にしないで済むのでうれしい」と満足感をにじませた。

夫人は「アーチ型の出入り口、すりガラスの室内窓など、さりげなくかわいい部分も気に入っている。プランナーとやりとりを重ねて、要望は伝えきれた。そのおかげで、後悔なく家造りができた」と笑った。

ダイニングテーブルを照らすペンダントライトは夫人が取り付けたもの。写真右手にあるアーチ型や三角形の出入り口も夫人のこだわり
ダイニングテーブルを照らすペンダントライトは夫人が取り付けたもの。写真右手にあるアーチ型や三角形の出入り口も夫人のこだわり
 

トイレの床はへリンボーン柄に。ここにも夫人こだわりの照明を取り付けている
トイレの床はへリンボーン柄に。ここにも夫人こだわりの照明を取り付けている
 

キッチン。床材は油などの汚れがついても掃除しやすいタイルを使っている
キッチン。床材は油などの汚れがついても掃除しやすいタイルを使っている
 

掃き出し窓外のウッドデッキからも日差しを取り込む。LDKとつなげて、より開放的な空間に

掃き出し窓外のウッドデッキからも日差しを取り込む。LDKとつなげて、より開放的な空間に

ウオークインクローゼット。乾燥機のある脱衣室に近く「収納がラク」と夫人
ウオークインクローゼット。乾燥機のある脱衣室に近く「収納がラク」と夫人


ここがポイント
勾配天井で明るく

Hさん宅の西側には住宅があり、南側は現在空き地になっている。レクトホームのプランナー・稲福伸之さんは「南側に住宅が建っても、採光が確保できるよう計画。LDKは高いところで3・5メートルの勾配天井にして、高窓を設けた。自然光を取り入れながら、開放的な空間になっている」と話す。

間取りは、LDKから各部屋に直接行き来できるよう計画。「LDKを囲むように部屋を配置し、廊下をできるだけ省いた。その分、一つ一つの部屋を広く取れるし、小さいお子さんの様子がどこからでも分かる」

LDKに隣接する半屋外空間にも工夫が光る。上部から日差しを取り込めるよう、ウッドデッキを覆う軒に天窓を設置。さらに、隣家との間の目隠し壁には花ブロックを使うことで、「明るさだけではなく、通風とプライバシーも確保できるようにした」と稲福さん。

また、夫婦の趣味を引き立たせる工夫も重要だった。その一つが照明。例えば、夫人こだわりのペンダントライトをLDKのアクセントにするため、他の照明は小型の埋め込み式にした。バイクガレージにはスポットライトを設け、「バイクを外から見たときお店に陳列されているかようにした。天井や壁も黒を基調にしてバイクショップの雰囲気を演出した」。
 

キッチンの対面にある子ども室。LDKとつなげると約27帖の空間になり、遊ぶ子どもの様子も分かる
キッチンの対面にある子ども室。LDKとつなげると約27帖の空間になり、遊ぶ子どもの様子も分かる


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:246.97平方メートル(約74.7坪)
一階床面積:103.47平方メートル(約31.3坪)
建ぺい率:41.89%(許容50%)
容積率:59.6%(許容150%)
用途地域:第一種低層住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
担当:(株)レクトホーム 稲福伸之
構造:一級建築士事務所 e-craft
施工:(株)レクトホーム
電気:友電社
水道:スイケン

問い合わせ
(株)レクトホーム
電話=098・975・5592
https://rectohome.jp/
 


撮影/矢嶋健吾 文・市森知
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1941号・2023年3月17日紙面から掲載

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る