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2021年7月30日更新

[沖縄・お住まい拝見]中2階に子ども室 下に倉|間+impression

[子に目届く造り でもメリハリ]
「キッチンから子ども室まで目が届く」「でも居室ごとのメリハリがほしい」「アウトドア用品の収納は必須」などの希望を凝縮した、中2階建て+大収納の「倉」がある大城邸を訪ねた。

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リビングから8段上がった中2階に子ども室がある。子ども室の下はアウトドア用品などを収納する「蔵」。7・5畳ある。写真右奥の白い扉と中央に見える和室側から出入りできる
リビングから8段上がった中2階に子ども室がある。子ども室の下はアウトドア用品などを収納する「倉」。7・5畳ある。写真右奥の白い扉と中央に見える和室側から出入りできる


高低差を収納や遊びに

大城さん宅
 RC造/自由設計/家族4人 


大城さん(28)の希望は「中2階建て」。「家族に目が届くオープンな平屋がいい。でも、メリハリや遊びがある造りにしたかった」

完成見学会をめぐり、中2階建てを得意とする建築士に出合った。「まさにどストライクだった!」と依頼した。

新居は希望通り、LDKから子ども室、さらには庭まで見通せる一体的な造り。4歳と1歳の子どもたちは「内外でクタクタになるまで遊んで、ぐっすり寝てくれます」と夫人(28)。

目は届くが、単調なワンフロアではない。部分的に変えた天井高や床高が、居室ごとの個性となっている。

例えば和室。天井高は2・3メートル。広さは2・5畳。包まれるような狭さが心地よい。

8段上がった中2階には子ども室がある。奥には秘密基地のようなロフトスペースもあり、アスレチックのような楽しい空間だ。

子ども室の下は、大容量の収納「倉」。趣味のアウトドア用品などをしまっている。「機能的だし、遊びもある。希望通り!」と満足げに語る。

南側の庭まで見渡せ、開放感のあるLDK
南側の庭まで見渡せ、開放感のあるLDK

中2階の子ども室。奥にはロフトがある。二部屋に仕切れる造り
中2階の子ども室。奥にはロフトがある。二部屋に仕切れる造り

子ども室の下は7.5畳の大収納「蔵」。趣味のアウトドア用品などをしまっている。「ゆくゆくは本棚を置いて書庫にしたい」と大城さん
子ども室の下は7.5畳の大収納「倉」。趣味のアウトドア用品などをしまっている。「ゆくゆくは本棚を置いて書庫にしたい」と大城さん

外観。写真右側の高くなった部分に中2階の子ども室がある外観。写真右側の高くなった部分に中2階の子ども室がある



洗濯動線10歩以内

西側にトイレや浴室、キッチンなど水回りがまとまる。「家事動線もすごく良い。前の家と比べて、かなり時短になっている」と大城さん。

特に洗濯動線は「洗う・干す(洗濯乾燥機を備える室内物干し場)、しまう(ファミリークローゼット)」が10歩以内の距離。

表の空間は動きを付け、裏は動作を極力少なく。メリハリを付け、楽しくて快適な住まいをかなえた。

ダイニング側からキッチンを見る。アイランド型で左右から出入りできる。キッチン背面に水回りがまとまる
ダイニング側からキッチンを見る。アイランド型で左右から出入りできる。キッチン背面に水回りがまとまる
 

住居南側には広々とした芝庭がある。家族でトランポリンをしたり自転車などで遊ぶ
住居南側には広々とした芝庭がある。家族でトランポリンをしたり自転車などで遊ぶ
 

浴室。あえて浴槽は設置しなかった。隣接するバスコートのおかげでいつでも窓を開けられ、「乾きも早い」

浴室。あえて浴槽は設置しなかった。隣接するバスコートのおかげでいつでも窓を開けられ、「乾きも早い」
 

洗濯・乾燥機のある室内物干し場(上写真)から、家族の衣服をしまうファミリークローゼット(下写真)まで10歩以内洗濯・乾燥機のある室内物干し場(上写真)から、家族の衣服をしまうファミリークローゼット(下写真)まで10歩以内

洗濯・乾燥機のある室内物干し場(上写真)から、家族の衣服をしまうファミリークローゼット(下写真)まで10歩以内
 


ここがポイント
LDKと洗濯動線を分断

大城邸を設計した間+インプレッションの儀間徹さんは、「中2階+倉」という造りを得意としている。実に「依頼の9割以上がこの造り」と話す。

家族の顔が見える一体的な住まいに高低差をつけ、程よい距離感をプラスする。「1メートル以上床高が違えば、顔が見えても別のフロアにいる感覚になる。それに上階が少しくらい散らかっていても気にならない」。さらに下部は大収納として余すことなく活用する。

大城邸はその造りに加え、LDKと洗濯動線をしっかり分けたことも特徴。西側に室内物干し場やファミリークローゼットなどをまとめて、LDKから見えないよう扉で分断。「LDKはスッキリするし、家事動線も短くなる。一石二鳥」

内装は、白を基調とした。建具や造作家具もタモ材など明るい色味の木を使用。「壁はクロスでなく、塗装で仕上げている。破れや剥がれがなく、カラーも豊富で家の雰囲気に合わせて選べる。施工に手間はかかるが、長持ちするのですすめている」と儀間さんは話した。



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども2人
敷地面積:408平方メートル(123.4坪)
1階床面積:90.38平方メートル(27.3坪)
カーポート床面積:29.61平方メートル(8.95坪)
建ぺい率:32.63%(許容55%)
容積率:24.24%(許容127%)
用途地域:第一種低層住居専用地域+
     第一種中高層住居専用地域
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
設計:間+impression 儀間徹
構造:(有)建築設計庵 長間大輔
施工:(有)大和建設 大城博哲
電気:神谷電設 神谷信吾
水道:フタバ設備工業(株) 上原基志
キッチン:(有)ファイン 比嘉美奈子

問い合わせ
 間+impression
  電話098・892・3635
  http://ma-impression.com/


撮影/矢嶋健吾 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1856号・2021年7月30日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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