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2021年7月2日更新

[沖縄・お住まい拝見]デザイン壁で楽しく|建築空間アボット

[隣家近接でも視線気にせず]
南部の住宅地にあるSさん(38)宅は、プライバシーと防犯性を重視した、スタイリッシュな平屋。マスブロックを使った目隠し壁のおかげで、「気兼ねなく過ごせる」と喜ぶ。

リズミカルに並ぶマスブロックの目隠し壁が印象的な1階のLDK。光と風を取り込みながら、外からの視線をゆるやかに遮る。キッチン背後にはクロークと水回りがまとまり、家事動線もスムーズ
リズミカルに並ぶマスブロックの目隠し壁が印象的な1階のLDK。光と風を取り込みながら、外からの視線をゆるやかに遮る。キッチン背後にはクロークと水回りがまとまり、家事動線もスムーズ


好きな色でシンプルに

Sさん宅
 RC造/自由設計/家族5人 

杉板で模様づけした打ち放しの壁が印象的な外観。「好きな家があって、そこと同じ雰囲気に仕上げてもらったんです。黒と白、グレーが好きなので、サッシや小物の色までこだわりました」とSさん。

玄関を入ってひときわ目を引くのは、リビングの大開口に面したコートに設けた、マスブロックの壁だ。幅約6・4メートル、アートのようにデザインされた白壁が、西日と隣家の視線を程よく和らげる。

「家族みんなでソファに集まって、ワイワイ過ごすのが毎日の楽しみ。間接照明で温かみがあり、落ち着ける空間なので、家飲みが楽しくなりました」

リビング東側には、和室と子ども室が並ぶ。「防犯とプライバシーを考えて、個室は掃き出しにせず、すりガラスのはめ込み窓とルーバーを組み合わせました。光も風も入るので快適です」

オープンにつながる3部屋は、引き戸で仕切れば個室に。「子どもがまだ9歳、4歳、2歳なので、個室が必要な年になるまでは、ひと部屋を私がサロンとして使う計画。だから、白が基調の爽やかな空間にしました」と夫人(38)。家族の年齢に合わせて、フレキシブルに空間を活用する。

和室からLDKを見る。チークの床にコンクリート打ち放しの壁で、シンプルかつスタイリッシュな空間。コートに面した開口部は、中央をはめ込み窓にして、額縁に切り取られた絵画のように見せる効果を狙った。LDは傾斜屋根にして3連の高窓を配置。テレビ上部の横長窓からも光が入り、明るい
和室からLDKを見る。チークの床にコンクリート打ち放しの壁で、シンプルかつスタイリッシュな空間。コートに面した開口部は、中央をはめ込み窓にして、額縁に切り取られた絵画のように見せる効果を狙った。LDは傾斜屋根にして3連の高窓を配置。テレビ上部の横長窓からも光が入り、明るい

ダイニングとキッチン。シックなグレーのキッチンは、調理がしやすいようにアイランド型に
ダイニングとキッチン。シックなグレーのキッチンは、調理がしやすいようにアイランド型に


物置かずスッキリ

長男の小学校入学を前に、土地探しから始めた家づくり。実家近くの住宅地に土地が見つかり、完成見学会に参加して気に入った建築士に、設計を依頼した。

「親身になって話を聞いてくれた。より生活しやすいアイデアを提案してもらえて、ありがたかった」とSさん。

物は置かない主義。家族の収納は、キッチン背後のクロークにまとめ、水回りも機能性重視でコンパクトに収めた。「好みの空間ができて大満足。コロナが落ち着いたら、身内や友達を招いて楽しみたい」と、笑顔を浮かべた。

リビングから和室、子ども室を見る。仕切り戸を開ければLDと一体的に使え、広々。部屋で遊ぶ子どもの様子にも目が届く。LDとの仕切りはガラスの引き戸なので閉めても圧迫感がなく、光も届く。コンクリートのピーコン穴を生かして、壁面に小物を飾れる棚も設けた
リビングから和室、子ども室を見る。仕切り戸を開ければLDと一体的に使え、広々。部屋で遊ぶ子どもの様子にも目が届く。LDとの仕切りはガラスの引き戸なので閉めても圧迫感がなく、光も届く。コンクリートのピーコン穴を生かして、壁面に小物を飾れる棚も設けた
 

コートのマスブロックとグレーチング。マスブロックは、外側に向かって隙間が狭くなる立体的な造り。グレーチングは植物をつるして飾るにも便利

コートのマスブロックとグレーチング。マスブロックは、外側に向かって隙間が狭くなる立体的な造り。グレーチングは植物をつるして飾るにも便利
 

子ども室と和室はひと続き。引き戸を閉めれば、それぞれ個室に。手前の部屋の開口部は、すりガラスのはめ込み窓のルーバー窓を組みわせになっている子ども室と和室はひと続き。引き戸を閉めれば、それぞれ個室に。手前の部屋の開口部は、すりガラスのはめ込み窓のルーバー窓を組みわせになっている

家族の衣類を収めるクローク。キッチンの背後にあり、洗濯室、物干し(写真右奥)、浴室へも行き来できるから、洗濯から収納まで楽にできる
家族の衣類を収めるクローク。キッチンの背後にあり、洗濯室、物干し(写真右奥)、浴室へも行き来できるから、洗濯から収納まで楽にできる



ここがポイント
窓とコートで伸び伸び

北側に前面道路があり、三方を住宅に囲まれた敷地。Sさんが重視したプライバシーと防犯、スタイリッシュなデザインを実現するため、建築士の當山茂さんは、高窓とコート、目隠し壁を活用した設計を提案した。

隣家の庭、リビングと相対するLDKの採光は、西側に設けた3連の高窓と、幅約6・4メートルの大開口が担う。大開口の先にはコートを設け、壁にマスブロック、天井には、重量の軽いグラスファイバー製のグレーチングを使うことで、デザイン的にみせながら、視線を遮った。

「西日は敬遠されがちですが、外に向かって隙間が狭まる造りのマスブロックを使い、立体的な光の演出が楽しめるようにしました」と當山さん。

駐車場に面したLDK北側の壁には、玄関までつながる横長の高窓を設け、車のライトの光が分かるように工夫。「屋根の荷重を支える2面の壁を30センチと厚くすることで、コーナーまで抜いたロングスパンの開口部ができました」

壁づけのテレビボードは、やんちゃ盛りの子どもたちが乗っても大丈夫なように、コンクリートでしつらえた。構造上の梁(はり)も生かしてテレビボードの上下には間接照明を仕込んだ。

生活動線にも配慮。雨天時の駐車場からの出入りを考慮して、シューズクロークに引き戸の勝手口を設け、ひさしを延ばした。勝手口前に車を横付けできるから、雨にぬれずに室内へスムーズに移動できる。

杉板で模様付けしたコンクリート打ち放しの壁で、スタイリッシュな印象に仕上げた外観。幅約4.35メートルの横長窓が程よいアクセントに
杉板で模様付けしたコンクリート打ち放しの壁で、スタイリッシュな印象に仕上げた外観。幅約4.35メートルの横長窓が程よいアクセントに
 

玄関までつながる高窓(建築士提供)

玄関までつながる高窓(建築士提供)



[DATA]
家族構成:夫婦、子ども3人
敷地面積:253.57平方メートル(76.84坪)
1階床面積:106.49平方メートル(32.27坪)
建ぺい率:44.18%(許容50%)
容積率:34.4%(許容100%)
用途地域:第一種住居専用地域
躯体構造:壁式鉄筋コンクリート造
設計:建築空間アボット 當山茂
施工:(株)孝建設 西野義孝、西野哲博
構造:(有)建築設計 庵 長間大輔
電気:(有)中原電設 仲村直也、高良弘二
水道:(有)ライフ工業 我喜屋奨
キッチン:沖縄協同ガス(株) 新垣泰司
建具:野崎木工(株) 野崎達夫

問い合わせ
 建築空間アボット
  電話098・937・7334
  http://abbot-touyama.boy.jp/


撮影/矢嶋健吾 取材/比嘉千賀子(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1852号・2021年7月2日紙面から掲載

この記事のキュレーター

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比嘉千賀子

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編集者
住まいと暮らしの情報紙「タイムス住宅新聞」元担当記者。猫好き、ロック好きな1児の母。「住まいから笑顔とHAPPYを広げたい!」主婦&母親としての視点を大切にしながら、沖縄での快適な住まいづくり、楽しい暮らしをサポートする情報を取材・発信しています。

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