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2020年11月27日更新

大家族でも生活感出さず|NDアーキテクトン

[6人の子に目届くスッキリ空間|お住まい拝見]小学5年生から0歳まで6人の子がいるNさん(36)夫妻。「生活感のない、スタイリッシュな空間が好き」と、表に物を出さずクールなインテリアを楽しむ。すっきりした造りは家族に目が届き、見た目と機能性を両立している。


Nさん宅のLDK。打ちっ放しの天井や壁と、ヘリンボーン張りの床がスタイリッシュな印象。大きな窓の外はバーベキューテラス。3・3メートルある深い軒の下、家族や親戚、友人たちとバーベキューを楽しむ。「雨天決行できるのがお気に入り」とNさん
 

美しさ保つ家事動線

Nさん宅
 RC造|自由設計|家族8人 

スタイリッシュなNさん宅。その源は、打ちっ放しの壁や天井、フローリング材を斜めに張り合わせた「ヘリンボーン」の床。そこに、サッシや照明の黒が効いている。バーベキューテラスへつながる窓は、中央部をはめ込み式にしてサッシのラインを減らした。「思いっきり、見た目にこだわりました」とNさん。


キッチン側からリビング・ダイニングを見る。対面式のキッチンからは室内はもちろん、庭にまで目が届く

クールな印象を生活感のなさで際立てる。モノを表に出さず、おしゃれなインテリアを楽しむ。それを、小学5年生から0歳まで6人の子育てをしながら実現しているから驚きだ。

「いずれ子どもは巣立つ。だから僕らの好み全開で家造りしました。本当は全面、土間床にしたかったくらい」。夫人も「私は生活感の無い空間が好き。雑多にならないよう心がけています」と話す。

キッチン脇にはパントリー、ランドリールーム隣にはファミリークローゼットなど専用の収納部屋を設け、表に出るモノを極力少なくしている。

キッチンは吊(つ)り収納も排除。見通しが良く、庭で遊んでいる子どもたちにまで目が届く。さらにキッチン背後の「ランドリールームを開けておけば、料理中も入浴している子どもたちの様子が分かるんです」。安心して家事ができる動線も、すっきり感を保つのに一役買っている。


洗濯物干し場や洗濯機、乾燥機のあるランドリールーム。洗面室を兼ねる。奥が脱衣室で、バスルームへと続く
 

ガレージを書斎に

恩納村の実家に同居していたが、子どもが増え、親が所有する隣地に新居を建てることにした。親から紹介された建築士事務所は、洗練された空間造りを得意としていて「僕の好みとぴったり合った。スムーズに話が進んだ」。

土間床は子どもの安全面を考えて諦めたものの、「書斎にやりたいことを詰め込みました」。バイクガレージとして作ってもらったが、「今はバイクが無いので、書斎にして趣味の植物を楽しんでいます」。全面コンクリートの空間に黒アイアンの家具がなじみ、“男の隠れ家”という雰囲気だ。

ヘリンボーンの床は夫人の希望。おかげでコンクリートの空間にビンテージ感が生まれた。

好きなものに囲まれて、家族との時間を過ごす。まさに理想の住まいだ。


バイクガレージだが、今はデスクや椅子を置いてNさんの書斎として使っている。土間床と黒アイアンの家具がマッチした男前空間だ 


ここがポイント
空間に“緩急”付け居心地良く

単に「生活感のない家」を造るのは簡単だ。だが、毎日の「暮らしやすさ」を抜きに家造りはできない。NDアーキテクトンの建築士、比嘉実美さんは「経験上、家全体を打ちっ放しの無彩色な空間にするより、メリハリを付けた方が、クールな印象が引き立つ」と話す。同社は洗練された住まいを得意とし、打ちっ放しも数多く手掛けてきた。

Nさんも全面グレーの空間を希望していたが「打ちっ放しはLDKなどの“公”空間にとどめました。子ども室には遊び心のある壁紙を、水回りは清潔感のある白壁にして気持ちよく過ごせるようにしています」と話す。プライベートな空間はコンクリート感を薄めてリラックスした雰囲気にした。その“緩急”が、LDKをよりスタイリッシュに感じさせる。


子ども室前の廊下。壁が本棚を兼ねていることから、ここに座って本を読んだり遊び場となっている


子ども室は間仕切りが用意されていて、開ければ一部屋に、閉めれば3部屋に分けることができる

外観もシャープな造りにしつつ冷たい雰囲気にならないよう配慮。「ジンベエザメの大きな口やエラをイメージしてデザインしています。生物的なディティールを入れることで、無機質にならないようにしました」。どこか優しさを感じられる外観に、Nさんが手塩にかけた植物がなじんでいる。


外観。ジンベエザメをイメージした。建築士は「生物的な造形により、建物への愛着が増すようにしました」と話す

また、「生活感のなさ」を保てるよう家事動線も効率化を図った。洗濯機と乾燥機のあるランドリールームには洗濯干し場も設置。そのすぐ隣にはファミリークローゼットやリネンルームを配した。さらにキッチンの横にはパントリーを設け、短い導線でモノを収納できるように配慮した。


玄関は、庭に面したはめ込み式の窓(写真左側)から光が注ぎ、明るく開放感いっぱい


Nさんが育てた植栽が彩るアプローチ、その先は天井や壁にスリットの入った半屋外空間のポーチ


[DATA]
家族構成:夫婦、子ども6人
敷地面積:498.90平方メートル(約150坪)
1階床面積:195.02平方メートル(約59坪)
建ぺい率:無し
容積量:39.08%(許容200%)
用途地域:未指定地域(集落用域)
躯体構造:鉄筋コンクリート壁式構造
設計:(株)NDアーキテクトン 比嘉実美
構造:e-Green 石嶺好人
施工:総合建設業山光建設 當山光勇
電気:南電気 與儀實
水道:(有)名設 喜瀬真栄
キッチン:(有)トーヨー建材 粟国利枝子

問い合わせ
 NDアーキテクトン
 電話098・958・3522
 http://www.nd-arkhitekton.com


撮影/比嘉秀明 取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1821号・2020年11月27日紙面から掲載

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スタッフ
東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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