【ひと】木造建築の常識変えたい|秦康展さん (株)エッジ代表取締役|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

企業・ひとの取り組み

2020年10月30日更新

【ひと】木造建築の常識変えたい|秦康展さん (株)エッジ代表取締役

2015年に(株)エッジを創業し、ツーバイフォー工法による木造建築事業をはじめ、不動産事業も手掛ける秦康展さん(54)。「住宅だけでなく公共・商業施設での木造の普及を図り、木造建築の常識を変えたい」と熱く語る。

企業・ひとの取り組み

タグから記事を探す

自社工場でパネル製造


秦 康展さん
(株)エッジ 代表取締役


-主な事業内容は?
ツーバイフォー工法による木造建築の意匠・構造設計、建築施工の他、沖縄で唯一、自社工場によるツーバイフォーのパネル製造も行っています。

このような製造拠点がなかった沖縄に当社工場ができたことで、多層階住宅や商業施設など沖縄における木造建築の可能性が広がり、業界からも注目を集めています。

また、不動産仲介ネットワーク「センチュリー21」の加盟店として、不動産の売買、仲介業務も手掛けています。


-木造建築の需要が沖縄でも高まっていますね。
ツーバイフォーは耐震、耐火、省エネなどの性能が高く、躯体の重量軽減による基礎工事のコスト削減、工期の大幅な短縮などメリットがたくさんあります。

県外では住宅だけでなく、多くの商業施設が木造で建築されており、沖縄でも多様な木造建築を増やしていきたい。シロアリ被害を心配する人もいますが、しっかり対策し、10年保証も付けています。


-心掛けていることは?
代表になるとあれもこれもとやりたくなりますが、やらないことを決めることを大事にしています。当社ではツーバイフォーに特化し、それを強化していく。それ以外はやらないと決めています。

創業時からの社員も多く、みんな家族同然。仕事に誇りを持ち、楽しく働けるように環境を整えることも大事な役目と考えています。


-今後の目標は?
沖縄にまだない木造建築や、木造では難しいと思われているものにチャレンジしていきたい。沖縄における木造建築の常識を変えていきたいと思っています。


地震、火事に強い木造
大空間確保で施設にも


沖縄でツーバイフォー工法による木造住宅や商業施設を手掛けてきた秦代表は、「デザインの多様性や工期、コスト面で特に喜ばれている」と胸を張る。自社工場で製造したパネルを現地で組み立てるので、「ある商業施設は3日間の現場施工で組み上げた。工期が短いと天候の影響を受けにくく、工程にズレも起きにくい」と利点を話す。

ツーバイフォーで施工した県外他社の事例に、20メートル×34メートルの大空間が広がる倉庫がある。「当工法だと天井クレーンを天井に直接取り付けられるため、クレーン用の柱が不要となり、壁際もフラットに使えます。木造の倉庫や工場など、当社で施工実績を増やしていきたい」と意欲を見せた。


ツーバイフォー工法による、天井クレーン付きの倉庫
 


はた・やすのぶ/1966年、京都出身。大阪モード学園卒。アパレル業界で10年勤務後、大阪の不動産会社に転職。45歳のとき、転勤で沖縄へ。3年後、勤務先の倒産を機に独立。不動産業、建築業を手掛ける(株)エッジを立ち上げる。趣味はゴルフ
◆(株)エッジ 与那原町字東浜92-1 電話 098-882-0039

 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1817号・2020年10月30日紙面から掲載

企業・ひとの取り組み

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
週刊タイムス住宅新聞編集部

これまでに書いた記事:2395

沖縄の住宅、建築、住まいのことを発信します。

TOPへ戻る