家づくり
2026年2月6日更新
住宅新築も大詰め 駐車場や植栽などの「外構工事」 一部は家主が施工も|Aさんの家づくり 完成までの道のり⑪
マイホームの建築は人生の一大事業。住まいづくりについて皆さんのヒントになるように、建築士の具志好規さんがAさん宅完成までの流れを紹介します。(文・写真/具志好規)

仕上げ工事を終えて建物が形になる
完成までラストスパート
建物の外周りでは駐車場やアプローチ、ブロック壁、フェンスや砂利敷きなどの外構工事が進む。坪庭を囲むブロック壁は光を取り込みながら外からの視線を遮り、強い風から植物を守る役割もある。壁面の一部に花ブロックを使い、表情を持たせることで圧迫感を和らげる工夫もした。砂利敷きの施工前に、防草シートを敷きたいとAさんから要望があり、自身で購入して施工する事で予算を抑えた。
玄関のアプローチの階段やスロープ、駐車場やブロック壁など外構工事に入ると工事もいよいよ終盤、完成が見えてくる

坪庭のブロック壁。外からの視線を遮りつつ圧迫感のない高さに抑え、穴あきの花ブロックを使い表情をもたせた
また、予算調整で引き渡し後の施工となった植栽は「南国の沖縄らしい見せる庭を造りましょう」と樹種や庭のイメージ写真を共有した。園芸店などを見て回ったAさんは、スケッチを描いてこの家に合う庭のイメージを膨らませていた。どんな庭に仕上がるのか楽しみにしている。
屋根の鋼板ぶきはコンクリートスラブの上に断熱材を敷いて防水シートを貼り、その上から鋼板で覆う外断熱の工法だ。外断熱はスラブの下に断熱材を張る内断熱工法と比べて断熱性能が高い。沖縄の夏場は上からの日射量が多いので、屋根の外断熱は特に効果的だ。鋼板ぶきは見栄えも良く、コンクリートを保護し、建物の長寿命化にも繋(つな)がる一石二鳥の仕上げである。
屋根工事を担当した「光城工業」の職人たちは現場に合わせた細やかな加工をしながら「普通の屋根より少し手間はかかるけどきれいな屋根になりそうだね」と笑顔で作業をしていた。職人の言葉通り迫力ある屋根が仕上がった。

左:断熱材の上にアスファルトシートを貼り、防水する
右:屋根材の鉄板を手作業で折り曲げてつないでいく

トップライトや棟に合わせて加工した鉄板を取り付けて屋根をふき終えた。建物を覆う迫力ある大きな屋根が仕上がった
現場での造作作業が落ち着くと、建具や設備機器などの取り付けに入る。木製建具は「幸地木工所」の幸地哲也代表と寸法や素材・金物も細かく調整し、建物に合わせた一点ものの建具が取り付けられた。キッチンや照明器具、手洗いや便器などの設置が終わり、ついに建物が形になった。

左:工場で造ってきた木製建具を現場に取り付けていく
右:電球色の照明が白い壁や天井の色を変化させる
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照明が表情を変える
照明を点(つ)けると建物の表情が一変する。一般的な天井照明でただ明るくするだけでなく、壁の照明や間接照明など光を分散する事で、明るくしたり暗くしたり、利用する場面に応じて使い分けができるようにした。夜の雰囲気を感じてもらおうと夕方にAさん家族を現場に呼んだ。「少し暗めでムーディーになるのも良いですね。ここを点けたらどう見えるかな?」と楽しそうにいろいろ試していた。

Aさん家族が建物の夜景を見に来た。「本当に僕がここに住んでもいいのかな」とAさんがボソッとつぶやいていた
仕上げ工事の時期、Aさんの義父が現場をよく見に来ていた。「皆(みんな)丁寧な仕事をしていて、見るのも飽きないね」と親族皆がAさんの家の完成を心待ちにしていた。
執筆者プロフィル

ぐし・よしのり
1981年、那覇市生まれ。沖縄職業能力大学校住居環境科卒、(有)チーム・ドリーム勤務。住宅・商業施設・教会や公共施設など幅広く設計に関わっている。
https://www.dream-archi.com
仕上げ工事の終盤の時期は、現場の追い込みで施工の相談や調整に追われ頭を悩ませることも多いが、それ以上に建物が日々仕上がっていく様子が楽しみだ。
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毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2092号・2026年2月6日紙面から掲載











