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2026年1月16日更新

【プロがつくる庭】軽トラの荷台に和の庭を作れ! 沖縄の造園会社の若手が競う県大会 金賞を取ったチームは?

軽トラの荷台に小さな庭を造って完成度を競う「第9回県造園技能競技大会」(主催・日本造園組合連合会 沖縄県支部)が2025年11月29日、那覇地域職業訓練センターの駐車場で開かれた。審査の結果、末吉園㈱の普天間元さんと又吉洸史朗さんのチームが金賞と県知事賞に輝いた。


 第9回県造園技能競技大会から 

軽トラガーデンで若手が技術を競う


支給資材・植物使う

同大会は若手の育成を目的に実施されている。2人1チームで、県内六つの造園会社から5チームが参加。課題は、支給された石や竹、植物を使って作庭することに加え、「四つ目垣」を指定図面通り作って使うこと。

審査委員長を務めた日本造園組合連合会沖縄県支部の仲村弘喜支部長は「今大会は、荷台と運転席を隔てるベニヤ板以外、ほぼ支給品を使ってもらった。同じ資材・植物で勝負したからこそ、それぞれの会社のカラーが顕著に表れていて、順位を付けるのはとても難しかった。入賞作品は、かなりの僅差だった」と話す。また「出場者も、それぞれの作品を見て『こんな使い方もできるのか』と勉強になったと思う」と総評した。

審査の結果、末吉園㈱の普天間元さんと又吉洸史朗さんが造った庭が金賞と県知事賞に輝いた。課題の四つ目垣だけでなく、竹を割って作った「大津垣」を奥に設置し、庭の印象を引き締めた。仲村支部長は「二つの竹垣のバランスが良かった。シンプルにまとめつつ、奥行きも感じられるところを評価した」と話した。

普天間さんは「指定された資材・植物を使って、自分たちの庭を表現するのに苦慮した。今回、金賞をいただけてとても光栄」と述べ、又吉さんは「四つ目垣の製作で、竹を切る角度と結束に苦労した。だが、庭造りの楽しさや造園業の素晴らしさを改めて感じられた」と語った。



 末吉園 普天間元さん・又吉洸史朗さん 

(審査講評)手前の四つ目垣と奥の大津垣のバランスが良い。大津垣が外のごちゃついた景色をシャットアウトしていて、庭が引き立っている。植栽や石組みもすっきりまとまっていてムダがない。


(普天間さん=右)限られた時間と指定された資材・植物を使って、いかに自分たちのつくりたい庭を表現するかで苦労しました。この大会で造園業に興味を持ってもらえたら大変うれしいです。この経験を生かして技能を磨き、精進していきたいです
(又吉さん=左)植栽や石組みなど、いろいろな作業工程がありましたが、その中でも四つ目垣の竹を切る角度と結束のところで苦労しました。今回の大会で庭づくりの楽しさや造園業の素晴らしさを改めて感じました



 ナカムラ造園土木 磯崎藤也さん・比嘉鷹也さん 

(審査講評)中央の水鉢がポイント。5チームの中で、唯一「水場」を設けていて、清涼感や趣を感じられた。木々や石、竹垣のバランスもよい。ただ直立の植栽だけでなく、斜幹も入れるとより動きが出る


 塩浜園芸・西里造園 塩浜康起さん・西里直樹さん 

(審査講評)ベニヤ板にしっくいを塗ったひと手間と、赤瓦が沖縄らしさを演出している。ただ、低木が少ないため足元が寂しい印象。低木を増やすと奥深さが増すだろう


 豊造園 眞榮里大善さん・眞榮里一善さん 

(審査講評)ゴロタ石(割栗石)をふんだんに使って、岩山のような雰囲気を演出しているのは面白い。後ろの竹垣にもう少し工夫が欲しかった。竹垣の密度を上げて遮へいすると、庭の印象が引き締まると思う

難しいのは「植栽」

仲村支部長は「実は、庭づくりにおいて一番難しいのは『植栽』」と話す。今大会でも、「四つ目垣の精度は全体的に高かった」としながら、「植栽のバランスについてはまだ甘さが感じられた。低木が少なくて足元が寂しい感じだったり、まっすぐな高木だけで構成しているために、自然の趣が感じられなかったり。1本、斜幹の木を入れるだけで、庭の雰囲気は一変する。それは造園の経験を積むことで磨かれていくと思う」と話す。

「年々、庭造りの機会は減ってきている。造園の技術を継承していくためにも、技を磨く機会を積極的に設けたい」と語った。



平成造園の豊平彩さん、板山佳代さんの作品。こけむした雰囲気を表現している


取材/東江菜穂
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2089号・2025年01月16日紙面から掲載

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東江菜穂

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編集者
週刊タイムス住宅新聞、編集部に属する。やーるんの中の人。普段、社内では言えないことをやーるんに託している。極度の方向音痴のため「南側の窓」「北側のドア」と言われても理解するまでに時間を要する。図面をにらみながら「どっちよ」「意味わからん」「知らんし」とぼやきながら原稿を書いている。

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