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2026年1月16日更新

介護する人・される人、地域住民の笑顔があふれる 沖縄・浦添市で月一回開催のイベントに行ってみた|介護を支える 住まいの工夫(53)

昨年12月、経塚ゆいまーるセンターで「ちょーじか結いまーる市場」が開催された。会場は介護が必要な人や支える人、元気な地域住民も自然に交わる温かな空気に包まれ、参加者の笑顔があふれていた。

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交流から心身の健康へ
地域でつながり地域で暮らす


地域に誰もが集える場


「浦添市地域包括支援センターさっとん」の生活支援コーディネーター、玉那覇姫香さん(右)と浦添市経塚児童センター館長の石川寛人さん

「ちょーじか結いまーる市場」は、浦添市地域包括支援センター「さっとん」、経塚児童センター、浦添中学校区保健福祉センター、経塚自治会が「地域をもっと元気にしたい」「それぞれの取り組みを地域へ還元したい」と、4者協働イベントとして月に1回、開催している。

イベントの根底にあるのは「誰一人取り残さない」地域づくりだ。会場には、食・健康・遊びをテーマに多彩なブースが並び、子どもから高齢者まで、立ち寄った人が思い思いの時間を過ごす。

血圧測定や健康チェックができるブースを担当するのが浦添市地域包括支援センターさっとん。相談というほど構えたものではなく、「最近どうですか」「コーヒーいかがですか?」といった会話から始まるやりとりが、この場ならではの特徴だ。

生活支援コーディネーター(社会福祉士)の玉那覇姫香さんは「介護予防を広く地域住民に知ってもらうこと」、「セルフチェックなどを通して、自分の体や心に関心を向けるきっかけをつくり、生きがいや健康寿命の延伸につなげること」、そして「地域住民と顔の見える関係を構築し、困ったときの相談先を知るきっかけをつくることの三つの目的がある」と語る。実際にイベントを通して信頼関係ができ、医療や生活など必要な支援につながった事例もあり、手応えを感じていると話す。

脳卒中で右半身に後遺症がある玉城佑直さん(74)も、会場までシニアカーを運転し、毎回参加している。「ここで顔見知りが増え、いろんな人から声を掛けられる。外出する楽しみができた」と笑顔。

子どもたちが披露した手話ソングに目を細めていた男性は、「子どもたちにしまくとぅばを指導したら、お礼にと合唱してくれたことがあり、感動で胸が熱くなった。地域を通して心の交流ができることがうれしい」と喜んだ。


自然で気軽に、が大事

勉強中のしまくとぅばの司会で盛り上げた経塚児童センターの石川寛人館長は「子どもも高齢者も、ありのまま、自然のままで交流できるそんな地域にしたい」と力強い。

今後の目標について、玉那覇さんは「気軽に立ち寄れる場所として続けていくことが何より大切」と話す。特別な用事がなくても来られる場があり、人とつながり、必要なときに支援へとつながっていく。その積み重ねが、在宅介護を支える力になるとした。

地域で暮らし続けたいと願う人すべてをそっと支える居場所となっている「ちょーじか結いまーる市場」。共生社会を築くヒントがそこにある。


 自然と生まれるつながり「ちょーじか結いまーる市場」

健康体操

毎月第1日曜、経塚ゆいまーるセンターで開催される「ちょーじか結いまーる市場」。毎回、地域の大勢の人でにぎわう。健康体操の時間には、障がいの有無に関わらず老若男女が楽しそうに体を動かしていた

健康相談

浦添市地域包括支援センターさっとんが担当する健康相談コーナー。血圧を測りながらスタッフとにこやかに談笑していた70代の女性は、「ここに来ると、おいしい野菜やいい情報が得られる。
アロママッサージや健康体操もいいですよ」と笑顔を見せる

野菜売り場

地域の人々が育てた新鮮野菜が並ぶコーナーは大人気。もともとこの市場も、「経塚朝市実行委員」がセンター前で新鮮野菜を販売していたのが始まりだった

合唱

恒例の「しまくとぅば歌声喫茶」では、那覇市の「げんき学童」が特別出演。しまくとぅばにした童謡を手話コーラスで披露した。最後は会場全員でカチャーシーを踊り、大いに盛り上がった
 
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第2089号・2026年1月16日紙面から掲載

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