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2026年1月9日更新

住宅新築の後半戦! 建物の表情をつくる「仕上げ工事」 職人と密にコミュニケーション|Aさんの家づくり 完成までの道のり⑩

マイホームの建築は人生の一大事業。住まいづくりについて皆さんのヒントになるように、建築士の具志好規さんがAさん宅完成までの流れを紹介します。(文・写真/具志好規)


工事の後半戦がスタート

建物の表情をつくる仕上げ工事

雨仕舞いを終えた建物は、表情をつくる仕上げ工事に入る。左官・塗装・内装大工・木製建具・タイル・クロス・防水・屋根・金属・キッチン・電気・衛生・空調設備・土木など多くの工種の段取りを調整しながら工事を進める。

コンクリート壁面の左官補修の様子 化粧目地も真っすぐラインが通るように仕上げていく
 
左官職人が使っていた仕上げ用のコテ さまざまな形状のコテを使用箇所に合わせて使い分けていた

まず、壁や天井面を平らにする左官補修から開始した。「伸左官興業」の宮里さんに「建物の仕上がりは左官職人の腕にかかっています」と話をすると、細かく確認しながら仕事をしてくれた。塗装工事「城間建装」の城間さんとは色ツヤの確認、塗り分け位置、外部塗装の模様など現場でも調整を行った。

内部塗装の様子 人の手が触れない天井はムラが目立たないツヤ消し、壁は汚れの付きにくい3部ツヤとした

 
RC造の塗装の重要性

塩害の激しい沖縄でRC造の建物を長持ちさせるためには、コンクリートの中性化をいかに遅らせるかが重要だ。私たちは内外部ともにコンクリート面にはペンキを塗って空気を遮断することで、耐久性を高めている。塗装はただの化粧ではなく、建物を長持ちさせるための大切な仕上げ材なのだ。しかし、塗装も経年劣化するので完成後の定期的なメンテナンスを施主にお願いしている。ペンキを塗り替えると、新築と見違えるほどきれいになり、コスパも良い。建設費が上がり、建て替えが容易にできない昨今、建物の維持管理は重要だ。
 
:天井に吸音板を貼ることで音の反響が小さくなる。  :床の木下地組みと捨て張り合板の施工状況

塗装と並行し、内装大工工事も進められる。コンクリート直仕上げの建物は音が響くので、天井に吸音板を貼って反響を小さくする対策をし、重い本棚を置く書斎は床の木下地の補強を行った。天然木のフローリングは色や模様に幅があるため、材料の選別をし、色合いの良い床材をLDKや寝室などメインの部屋で使用した。また、湿気による伸び縮みを考慮し、施工前に梱包を解いて現場の空気に馴染ませ、床材同士に若干隙間を開けて張る対策をとった。フローリングを選別する私の姿を見ていた「吉長」の内装大工の安谷屋さんとは、手間のかかる曲面や斜めの壁まわり、木材の納まりなど複雑な部分も相談しながら丁寧に工事を進める事ができた。

:床材の色味やムラをチェックして材料を選別した。  :曲面に合わせて床材を加工。手の細かい仕事だ

和室のねじれた床柱は現場で見栄えの良い向きを見て取り付けた。広く明るい洋間とは対照的に、和室は落着いた空間にするため、小さく、天井は低く少し暗い。畳も通常より一回り小さく、中に入るとスケール感を錯覚する。建物に空間の変化を生んだ。

:和室の天井高を比較。参考・編集部の伊波克朗(180センチ)。  :チャーギの床柱の向きを現場で確認して取り付けた

図面通りに工事を進めることも重要だが、設計意図を伝える現場でのコミュニケーションも良い建物造りに欠かせない要素だと考えている。


執筆者プロフィル

ぐし・よしのり
1981年、那覇市生まれ。沖縄職業能力大学校住居環境科卒、(有)チーム・ドリーム勤務。住宅・商業施設・教会や公共施設など幅広く設計に関わっている。
https://www.dream-archi.com

塗装はツヤにも種類がある。ツヤありは耐久性があり汚れにくいが、ムラが目立つ。ツヤ消しはムラが目立ちにくいが汚れやすい。適材適所で使い分けている。
毎週金曜発行・週刊タイムス住宅新聞
第2088号・2026年01月09日紙面から掲載

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