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2019年11月15日更新

動線計画+自然とつながる|ママが笑顔になる家づくり[6]

文・宮城美千代(建築士)

「ゆとり」生み出す工夫
建築士仲間と、それぞれの家庭で自分と夫(あるいは妻)の家事分担はどうなっているかという話題になりました。

夫婦の家事分担、どうしてる?
互いが納得し分担するのが理想
共働き家庭では、男女半々だという人、どちらかが多くを担っている人と、割合はさまざまでした。平日の家事は専業主婦の妻が大部分を担っているという男性は、休日の家事に掃除や子どもと遊ぶことを中心に参加しているということでした。名もなき家事や家事の見える化が話題になり、盛り上がったのですが、それは私たちが家事・育児のまっただ中にいるからかもしれません。家庭事情はそれぞれ異なるので、結局、夫婦間や親子間、お互いが納得の上で分担するのが理想だということで落ち着きました。

家事を楽にする工夫
階段の位置で変わる負担
できれば毎日の家事の負担を減らし、気持ちにゆとりを持ちたいですよね。家事を楽にする工夫としてまず提案するのは、効率のいい家事動線です。

2階建て住宅を設計した際のエピソードです。2階建ての住宅でキッチンと洗濯室がフロア(階)で分かれてしまう場合、それをつなぐ階段の位置が重要になってきます。イラストAは1階キッチンと2階洗濯室の近くに階段を配置しました。Bは、リビングに面した位置に階段と吹き抜けを設けるとどうなりますか? と施主の要望を受けて作成したものです。「Bのリビング階段は格好良くなりそうで捨てがたいが、毎日の家事を考えると動線が長くて大変そうだ」と、最終的にご夫婦はAを選択なさいました。この場合は、家事動線を優先されました。

ただし、ご夫婦それぞれの感性や価値観はさまざまで、どちらを選んでも正解です。納得いくまで話し合って決めるという過程こそが大切だと、お2人を見て感じました。

授乳中に見上げた窓に満月!
リラックスできる瞬間を建築で
先に述べた、「気持ちにゆとりを」の「ゆとり」は、家事負担を少なくして生まれた「ゆとり」です。が、それだけでは面白くありません。プランを考える際は建物と外とのつながり、例えば自然を感じて「気持ちにゆとり」が生まれてくれればと思い設計します。住み手がリビングで庭を眺めながらくつろいでいる姿や、心地よい風を受けてお昼寝する姿などを想像しながら。

先日、私が想定していなかった住み手の報告がありました。子どもの授乳中に見上げた窓から満月がのぞいていたとの事。とてもうれしくなりました。忙しい毎日にリラックスできる瞬間を、建築で紡いでいけたらと思います。



平面図の赤い矢印は、家事動線を示す。Aは、1階キッチンと2階洗濯室の近くに階段を配置したことで、家事動線が短い。Bは、リビングに面して階段を配置。階段が吹き抜けとつながり開放感があるが、家事動線が長い


和室から見る庭と母屋。和室に招いたお客さまと、心地よい風を受けて話が弾む
 
高窓からのぞく満月。授乳中、月明かりに癒やされてリラックス


執筆者

みやぎ・みちよ
1972年那覇市出身。2級建築士。2012年建築設計airに入社。小1の息子と夫の3人家族。NPO法人首里まちづくり研究会に所属し、首里でまちづくり活動を実践中。
建築設計air 098-943-6487(那覇)、0980-73-2657(宮古)

毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1767号・2019年11月15日紙面から掲載

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