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2025年5月16日更新

【人物紹介】心地良い暮らしにこだわる|T home(株)棚原 彰悟 さん[ひと]

設計事務所や建築会社で経験を積み、2022年に独立して「T home」を企業した棚原彰悟さん(34)。「心地良い暮らしができる家づくりについて自分なりに考えた結果、木造の住宅や湿度の調整にたどり着いた。沖縄の住宅はジメジメして当たり前という意識を変えていきたい」と力を込めた。

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住宅機能も時代に合わせ進化


T home 株式会社
代表取締役
棚原 彰悟 さん


〈プロフィル〉
たなはら・しょうご/1990年 北中城村出身。一級建築士・インテリアコーディネーター。沖縄職業能力開発大学校を卒業し、設計事務所、建築会社を経て2022年にT home株式会社を設立。最近の楽しみは5歳の子どもと一緒にゲームをすること。

◆T home株式会社
 北中城村安谷屋1956-14 電話080・3957・7974
 https://at-thome.jp



―なぜ建築士に?

父の職業が大工で、私も将来家を造りたいから大工になりたいと思っていました。ですが、父から「家は大工が造っているが、アイデアは設計士が作っている」と教わりました。小学生だった私は初めて建築士という職業を知り、「父が建てる住宅を設計したい」という夢を持つようになりました。

現在、私の会社に父も在籍しています。46年間大工だった父は家を建てる工程を一通り経験しており、私が迷っている時にも大工の視点から的確に答えてくれる、とても頼りになる存在です。

―家づくりのこだわりは

こだわりは主に二つあり、一つは「心地良い暮らしができる家づくり」です。理想の住宅を考える上でたどり着いたのが木造住宅。前職の研修で東京の木造住宅を視察したのですが、外断熱のおかげで冬場にもかかわらず室内は半袖で過ごせる事に感動しました。これほど心地良い空間がつくれるなら、シロアリや台風、湿気対策などをしっかりと行えば、沖縄でも快適に住める木造住宅を造れるのではないかと考えました。

木造住宅はRC(鉄筋コンクリート)造と比較してコストを抑えやすく、住宅の機能面に費用を回せるのもメリット。年中快適に暮らせる高機能住宅には断熱性の他に耐久性などさまざまな特徴がありますが、私たちは「湿度の調整」を大切にしています。沖縄は高温多湿な環境のため、ジメジメしていて当たり前と思っている方が多い。私は除湿、温度調節、空気清浄ができる換気システムの取り付けを勧めています。適切に湿度と温度が管理された室内はとても住み心地が良く、湿度と温度が変わるだけで、ここまで変わるのかを体感してほしいです。

もう一つは「こうしておけば良かったを減らしたい」です。成長に合わせてライフスタイルは変わっていきます。現在考える完成形を作り込んでしまうと、新しく加える余地がなくなってしまいます。施主の未来を想像し、その上であえてつくり過ぎない事で拡張性のある住宅になると思います。

―今後の目標は

これからも住宅の設計をメインに携わりたい。施主の夢や思いを聞き、一緒に理想の住まいを考えて、造っていくのが何よりのやりがいです。ご相談いただいた時から完成後の暮らしまで幸せが続くようにサポートしていきたいです。


T homeは給気も換気も機械で行う「第1種換気 外気処理換気システム」を推奨。一般的な換気方式である第3種換気(自然給気・機械排気)と異なり、温度や湿度などが調節された空気が室内に流れる


セミナーを不定期で開催
新事務所もまもなく完成

過去のセミナーの様子。「分かりやすくを意識しています」と棚原さん

「セミナーでは、高温多湿な沖縄では対策が欠かせない湿気のことや、木造とコンクリート造の違いなどをこれから家を建てようとしている方に向けて丁寧に説明しています」と棚原さん。興味があれば気軽に問い合わせしてほしいとのこと。

現在新しい事務所を北中城村に造っており、まもなく完成予定。棚原さんは「これまではセミナーの会場をあらかじめ抑えてから開催するしかなかったが、事務所が移転により大きくなった事で、少人数ならいつでも開催できるようになった。新たな場所でより良い家づくりのサービスを提供していきたい」と意気込んだ。
 
取材/伊波克朗
毎週金曜日発行「週刊タイムス住宅新聞」
第2054号・2025年5月16日紙面から掲載

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