企業・ひとの取り組み
2024年10月25日更新
古民家で紡ぐ心身の調和|比嘉さやかさん(Yoga House 陽だまり主宰)|家々人々[150]
沖縄市の静かな集落にある古民家でヨガ教室「陽だまり」を開く比嘉さやかさん(38)。7年前、ずっと空き家だった祖母の家を友人らの手を借り、ヨガのしやすい広々空間へと改装。そんな自慢の空間で話を聞いた。
古民家で紡ぐ心身の調和
ひがさやか/1985年、沖縄市生まれ。北谷町育ち。大学を卒業後、父の営む総合結婚式場に就職。式場閉鎖で他のブライダル業に勤めるが、父が病に倒れ、介護のために退職。その後、役所や一般企業を経て、32歳で脱サラ。ハワイで資格を取得し、ヨガインストラクターとして活動を開始。2018年、空き家だった祖母の家をリフォームしてヨガ教室「陽だまり」を開設した。■幼少期の暮らしは?
庭をはだしで歩くのが好きでした。両親は健康に関心が高く、父はよく瞑想(めいそう)していました。食事にも気を使い、添加物の多い食品は避けていたので、高校まで一度もカップ麺を食べたことがありません。そんな環境が、私の価値観や生き方に影響を与えているように感じます。
■なぜヨガ指導者に?
10年間、会社勤めをしていたのですが、自分に合わないと感じました。そこで健康に良く、人にも貢献できる仕事としてヨガを選びました。仕事と両立しながら学び、ハワイで資格を取得。最初は場所を借りて指導していましたが、祖母の空き家をリフォームしてヨガ教室を始めました。教室は7年目になりますが、生徒の変化を見るのがやりがいです。ストレスで眠れなかった人が、ヨガで眠れるようになったり、前向きになったりする姿を見るとうれしくなります。
また「おばあちゃんの家に来たみたい」と言われるのも、とてもうれしいです。リラックスした雰囲気の中で心と体をケアできる場所になっているんだと実感しています。
■心身の健康のために、ご自身が取り入れていることは?
舌磨きやセサミオイルでのうがい、オイルマッサージなどアーユルヴェーダのセルフケアをしています。質の良い睡眠とヨガも健康維持に大切です。毎朝、火で沸かした白湯を飲んでいますが、簡単なので皆さんにもおすすめです。温度は各自の体質で違うのですが、一杯の白湯が消化力を整え、習慣にすれば味の感じ方で自分の体調を知るバロメーターにもなりますよ。
■新しいことにも挑戦しているそうですね?
今年から、ヨガやアーユルヴェーダの哲学とSNSマーケティングを組み合わせたオンライン講座を始めました。
心身の健康とビジネススキルの両方をサポートし、自分らしく自由に豊かな人生を創造する人たちのコミュニティーを目指しています。
■今後の目標は?
自分らしく生きることを実践し続けること。「自由」と「楽しい」を大切に、挑戦し続けたいです。
自分がそういう生き方をすることで、周りの人たちにも影響を与え、一人一人が自分らしい道を見つけられるようにできたら。ヨガと新しい取り組みを通じて、多くの人々の心と体の健康をサポートしていきたいです。
子どものころの住まい
両親と姉の4人家族で育った。広い庭をはだしで歩くことが好きだった。自宅裏には父がさまざまな野菜や果樹を栽培していて、食卓に並ぶことも多く、日頃から瞑想をするなど、健康や食事への関心が高かった。
オンライン講座も開始
ヨガの精神性について講座を試験的に行ったとき、参加者の多くが仕事の悩みを抱えていることに気づきました。SNSマーケティングを学んでいたこともあって、今年、心身の健康とビジネススキルの両方をサポートできるオンライン講座「カノアヴィレッジ」も始めました。「心身の健康の土台づくり」をテーマに取り組んでいます。
◇ ◇ ◇
ホッ と空間
祖母の家でヨガ
教室は、建築士の友人たちと一緒に、週末を利用して2、3カ月かけ改装した祖母の家。ヨガがしやすいよう、畳の間のふすまを取り払い、大きな空間を作った。「皆さんの良い気に包まれ癒やされる」と比嘉さん。
祖母の家でヨガ
取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2025号・2024年10月25日紙面から掲載