庭・garden
2024年1月5日更新
【プロがつくる庭】山深い森の枯山水 20年で新たな庭も
Tさん宅(浦添市) 施工/金勢造園
山深い森の枯山水 20年で新たな庭も
5色の玉砂利で明るく
最奥の大きな山から滝が流れ、水は石橋の下を通ってつくばいまで広がる―。そんな自然を石で表現した「枯山水」があるのはTさん宅だ。
高低差をつけた石組みが庭全体に立体感を出し、水の代わりに敷かれた5色の玉砂利が明るい印象を足している。クロキやゲッキツといった植栽の奥には、敷地外に生える背の高いマツも見え、奥行きも感じる。加えて、随所に生えたコケが山深い森のような長い年月を感じさせる。
それもそのはず、この庭が造られたのは20年前。植物好きな妻のKさんからの依頼を受け、金勢造園の知念政徳さんが手がけたものだ。「室内からの眺めを意識したほか、通路となる飛び石を縁石の内側にまで置いて手入れもしやすくした」と知念さんは話す。
その後、木のせん定などの管理を任せていたこともあり、Kさんは今年、駐車場の空きスペースへの庭造りも依頼。知念さんは、フクギや、大きく曲がったマメ科の木など、既存の樹木も活用しながら整えていった。
Kさんは「これからも今の雰囲気を保てるよう手入れしつつ、植物の小さな変化を楽しんでいきたい」と、花が咲き、新たな緑が芽吹く春を待ち遠しそうに話した。
右奥に枯山水、中央につくばいがある。20年前は地面に芝生が敷かれていたが、今は管理しやすいよう一部が石張りになっている
新たに設けた駐車場の庭。中央のマメ科の木が、大きくうねりながら右手に枝を伸ばす
枯山水。正面奥の大きな石から、5色の玉砂利が敷かれた地面まで、水が流れるイメージで石が組まれている
つくばい。手水鉢に置かれたカメの置き物が、かわいらしいアクセントになっている
設計・施工/金勢造園
電話=098・946・7800
取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1983号 2024年1月5日紙面から掲載
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- 出嶋佳祐
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編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。