【プロがつくる庭】雄大な借景生かし 広がりと奥行き|タイムス住宅新聞社ウェブマガジン

沖縄の住宅建築情報と建築に関わる企業様をご紹介

タイムス住宅新聞ウェブマガジン

家づくりのこと

庭・garden

2023年12月29日更新

【プロがつくる庭】雄大な借景生かし 広がりと奥行き

㈲有志建設(読谷村) 施工/㈱沖縄ガーデン

雄大な借景生かし 広がりと奥行き

人が集う和洋の庭

読谷村座喜味の高台に建つ有志建設には、水平線まで望める大パノラマを借景にした和洋二つの庭がある。

敷地の奥にある和風庭園は同社の波平正勝社長の念願だった。「いつか使いたいと、取っておいた木や石をふんだんに使ってもらった」と話す。主木は樹齢100年を超えると思われる秘蔵のクロキ。砂利や巨石で山水を表現した「枯山水」の中央に鎮座する。うねるように枝を伸ばすリュウキュウマツやどっしりとした巨石も相まって、壮大さと力強さを感じさせる。


和風庭園は写真中央のクロキが主木。延段(石張りの通路)を進むと、蹲(手水鉢などがある水場)や東屋などの添景物があり、じっくり散策したくなる

同庭を手掛けた沖縄ガーデンの比嘉太地社長は「雄大な借景に囲まれているので、ダイナミックな木や石が生きる。互いの存在感を引き立てるように心掛けた」と話す。

和庭の背後は当初、フェンスで仕切る予定だったが「四つ目垣に変更し、庭と借景をなじませた」。庭の外にあるガジュマルやアコウの大木も、庭からの見え方を計算して剪定。奥行きを生んでいる。

玄関前に細長く配置された洋庭は「妻の要望」。ハーブをはじめ、多肉植物やオリーブ、コーヒーの木が茂るナチュラルガーデンだ。

二つの庭は社員の憩いの場であり、来客の目を楽しませている。

 

一番景色のよいポイントにある東屋からは180度の大パノラマで緑や水平線が広がる。重厚な本部石灰岩のテーブルセットがマッチしている
 

駐車場からまっすぐに伸びる細長いナチュラルガーデン。今後社屋内でカフェを開く予定にしており、バジルやローズマリーなどのハーブを植えている
 

奥に行くほど敷地が高くなっており、奥行きを感じさせる。ツツジやアジサイ、レイコフィルムなどの花木が四季折々の彩りを添える
 

設計・施工/㈱沖縄ガーデン 
電話=098・932・1600
 


毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞 年末年始特別号
第1982号 第2集・2023年12月29日紙面から掲載

庭・garden

タグから記事を探す

この連載の記事

この記事のキュレーター

スタッフ
出嶋佳祐

これまでに書いた記事:224

編集者
「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

TOPへ戻る