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2025年11月28日更新

キャンプ用品販売、耐熱琉球ガラスの普及でも活躍 沖縄の絵本作家、活動の原点となった幼少期の暮らし|家々人々[162]

11月28日(金)から30日(日)まで那覇市の県立博物館・美術館で「小さな絵本展」が開催される。作家の1人、ピカデリー沖縄さん(48)は、キャンプギア販売、耐熱琉球ガラスの普及活動でも活躍。その原点は幼少期の暮らしにあった。

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「つくる」感性を育んだ家

本名は與那嶺康貴/よなみね・やすたか。1976年、南風原町出身。98年からピカデリー沖縄で創作活動。2021年からマイピースプロジェクト主催「小さな絵本展」に参加。絵本作家としても活動を始める。沖縄ヤマハ内のキャンプギアコーナー「燈人(ともしびと)」、「耐熱琉球ガラス工房 燈人」のスタッフとしても活躍中。


■幼少期の暮らしの思い出は
両親と3きょうだいの5人家族に、叔父や祖父母が一緒に暮らした時期があり、6~8人の大家族で育ちました。叔父は建築士。自宅2階で製図や建物の模型を作る姿をよく見ていました。その部屋に入っては絵を描いたり、模型のようなものを作ったり、インテリアの本を見るのも好きでした。大工だった祖父の道具があるヤードも大好きな場所でした。引き渡し前の新築の家で一緒にくぎ拾いや掃除を手伝うと、ご褒美のおもちゃを買ってもらえた。今思えば、「つくる」ことの距離がとても近かったと感じます。

父は体育教師で青少年自然の家に勤めていた時期もあり、家族みんなアウトドア好き。小学4年生の時には叔父と一緒に1週間かけて自転車旅行もしました。いろんな経験が今の自分の活動につながっていると改めて実感します。

■創作活動のきっかけは
デザイン専門学校を出て、20歳くらいから活動を始めました。当時、沖映通りに「ピカデリー」というアートギャラリーの店があって、そこの店主にとても良くしてもらったんです。そのお店がなくなったとき、リスペクトを込めて活動名にしました。

その後は飲食店で20年ほど企画開発の仕事をし、店舗の内装からメニューデザイン、看板まで手がけました。絵本を描くようになったのは「マイピースアートプロジェクト」に参加してから。小さいころから絵本は好きでした。

初参加で描いた「帰り道」は、きいやま商店のリョーサさんがコロナ禍に作った曲の歌詞募集企画に応募した歌詞を基にしています。喜んでもらえたので、許可をいただいて絵本のテーマにしました。

■「小さな絵本展」に参加して感じることは
毎回新作を出すのが大変ですが、すごく楽しいです。実際に作品を見た来場者の様子や感想を直接聞けることは何よりのモチベーションになっています。絵本という題材がいいんでしょうね。いろんな世代の人に見てもらえて、自分では気づかなかった解釈の仕方を教えてもらえる。毎回、発見があり、貴重な機会だと感じています。

■今後の目標は?
現在は耐熱琉球ガラスの普及に力を注いでいます。コロナ禍で経営が厳しくなった工房と出合い、県内で唯一の技術を守りたいと3年前から活動を始めました。この技術を広げ、魅力を多くの人に伝えていきたい。そして「小さな絵本展」も、これからもしっかりと作品を発表し続けていけるよう頑張りたいです。



 子どものころの住まい 
RC造2階建ての家に、両親ときょうだい3人に叔父や祖父母と暮らす時期もあった。「建築士だった叔父が作業する2階でよく過ごした」


11月28日(金)から絵本展!
「小さな絵本展Vol.16」のDMデザインを担当しました。塗り重ねた黒を削り、浮き出す明るい色で光や希望を表現。中央で羽ばたく鳥のモチーフが、見る人の心に何か届けてくれるとうれしいです



 
◇    ◇    ◇
 
 
 ホッ  と空間
趣味の部屋
インテリアが大好きというピカデリー沖縄さん。自分の部屋には好きなインテリアや小物を飾っているそう。「好きなものに囲まれて過ごす時間が、リフレッシュになり、創作のエネルギーにもなっています」とにっこり。
 

取材/赤嶺初美(ライター)
毎週金曜日発行 週刊タイムス住宅新聞
第2082号・2025年11月28日紙面から掲載

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