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2024年1月5日更新

【プロがつくる庭】花なくても華やか 亜熱帯感が漂う庭

福原さん宅(本島南部) 施工/(有)繁樹園

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花なくても華やか 亜熱帯感が漂う庭

観葉植物を地植え

建物と塀に囲まれたパティオ。その一角から亜熱帯の空気が漂ってくる。「せっかく沖縄でつくるんだから、南国リゾートの雰囲気にしたかった」と話す福原さん宅の庭だ。

植栽は、背の高いドラセナのソングオブインディア、大きな葉を風に揺らすアレカヤシやシンノウヤシ、葉がユニークなセローム、アグラオネマなど。濃淡さまざまな緑色に、アイチアカの赤紫、クロトンの黄、琉球石灰岩の白などが加わり、花がなくても華やかな庭となっている。

鉢植えの観葉植物として見かけることの多い植物がほとんどだが、福原さん宅ではみんな地面に直接根を張っている。そのことが、景観をより亜熱帯的にしているようだ。庭を手掛けた繁樹園の當間嗣泰さんは「病害虫に強く、沖縄の気候や土壌に合う観葉植物なら、地植えでもしっかり育つ」と説明する。

敷地を挟む道路沿いにも、東側は琉球石灰岩、西側は本部石を使うなど、それぞれ印象の異なる庭がある。隣家の庭に使われている植物や石を取り入れることで景観に統一感も持たせた。

福原さんは「気持ちが落ち着き、リフレッシュできる」と、さまざまな表情の庭を楽しんでいる。


パティオの庭。多種多様な熱帯植物が植えられており、足元にある琉球石灰岩の間からはボストンシダなどがあふれるように葉を茂らせる
 

近くから見たパティオの植栽。葉の形や色が一つ一つユニーク。アイチアカの赤紫色の葉がアクセントになっている
 

東側の庭。石がメインのロックガーデンや、芝庭など、グラデーションのように庭の表情が変わる

西側の庭。本部石でかたどった池に、カンボジアーナやリュウゼツランなどの島々が浮かぶ


設計・施工/(有)繁樹園
電話=098・854・7672
 


取材/出嶋佳祐
毎週金曜日発行・週刊タイムス住宅新聞
第1983号 2024年1月5日紙面から掲載

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「週刊タイムス住宅新聞」の記事を書く。映画、落語、図書館、散歩、糖分、変な生き物をこよなく愛し、周囲にもダダ漏れ状態のはずなのに、名前を入力すると考えていることが分かるサイトで表示されるのは「秘」のみ。誰にも見つからないように隠しているのは能ある鷹のごとくいざというときに出す「爪」程度だが、これに関してはきっちり隠し通せており、自分でもその在り処は分からない。取材しながら爪探し中。

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